この記事ではNASについて徹底解説しました。NASを利用するとパソコンやHDDレコーダー、スマートフォンなどいろいろなところに点在しているデータを1か所に集約す...
山田貴史
某大手イヤホン・ヘッドホン専門ショップ元販売員です。10年間勤めていました。初心者から専門家レベルの接客経験があるので、読者様それぞれのニーズにあった情報をお届けします。
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この記事ではNASについて徹底解説しました。
NASを利用するとパソコンやHDDレコーダー、スマートフォンなどいろいろなところに点在しているデータを1カ所に集約することができる上、RAIDを利用して高速かつ安全なバックアップが可能です。
このように便利なNASについて、選び方や有名ブランド、おすすめ商品、よくある質問などあらゆることを網羅しています。
とくに初心者の方はNASの理想的な選び方や、NASを購入時の気になる疑問・質問を読んでいただければ、分かりづらいことも解決するでしょう。
ママアイテム編集部
NASの選び方はさまざまですが、押さえておきたいポイントを5つピックアップしました。初心者も上級者も必ずチェックしておきましょう。
NASはハードディスクドライブ(HDD)が最初から内蔵されている完成品とHDDが別売り、あるいは別添のNASキットで売られているものの2種類があります。NASキットは自分でHDDを選ぶことができる、あるいはHDDを交換できるなどメリットがありますが、その分設定も複雑です。
初めてNASを使う方や初心者の方はHDD有りの完成品を選ぶことがポイントです。
折角のデータが消えてしまっては大変なことになります。データを守るならRAIDは必須です。RAID自体は新しい技術ではありませんが、企業のシステムなど重要なモノにはついていて当たり前の機能で、家庭用のNASにももちろん利用できます。
RAIDを使うとNASの自動バックアップなどが行えますので、データを守るならRAIDと覚えておきましょう。
なお、バックアップに関するRAIDは4種類、でーたのあり、簡単な説明は以下のとおりです。
*RAID0--ストライピングとも呼ばれ、HDD4台に分散してバックアップを行い、高速性に優れます。あくまでも高速化であり、バックアップはしません。
*RAID1--ミラーリングとも呼ばれ、HDD2台にデータを保存するためデータの復旧が可能です。
*RAID10--RAID0とRAID1を組み合わせたもので、HDDは4台必要になります。
*RAID5--データを分散して書き込み、誤り訂正符号(パリティ)を記録するため信頼性に優れる(ただしHDD3台以上必要)
*RAID6--データを分散して書き込み、誤り訂正符号(パリティ)を二重に記録するため相当強固なデータ保全が可能です(ただしHDD4台以上必要)
ベイとはHDDを搭載するユニットの数のことで、ベイが2であればHDDを2つ搭載できるNASということになります。HDDを2台搭載し、1つを本データ用HDD、もうひとつをバックアップデータ用HDDとする事も可能。この場合は上で説明したRAIDのRAID1(レイドワン)を使えば簡単にバックアップを取ることができます。
いまのNASは簡単にRAIDの設定が可能ですので、バックアップを取るならぜひペイが複数あるNAを選びましょう。
家庭用NASのほとんどにはマルチメディア機能が付いています。このマルチメディア機能付きのNASと対応しているテレビやオーディオ機器、スマートフォンはNASと無線(あるいは有線)で接続可能。そのため家にあるすべての動画や音楽をNASに集約して、家で楽しむことができます。
価格相場と買うべき値段は以下の表のとおりです。
売れ筋はバックアップ可能な複数ベイとマルチメディア機能が付加されているもので、ユーザーの志向がマルチメディア目的という点が表れているように見えます。
最高級価格帯のものはベイの数が多く、高いレベルのRAIDを組むことが可能です。
自分のニーズに合わせて製品を選びましょう。
最安値価格帯 | 売れ筋価格帯 | 最高級価格帯 | |
---|---|---|---|
価格 | 10000円台 | 20000円台 | 60000円~ |
特徴 | NASとしての最低限の機能を備えている | 複数ベイ、マルチメディア機能など付加価値がついている | ベイの数が4つ以上で、よりデータの保全性が高いNASを組むことが可能 |
NASはさまざまなメーカーが発売していますが、信頼できるブランドを選ぶことが大切です。というのも、NASはデータを1カ所に集約するため、NASのHDDが破損すると全てのデータが失われてしまうことになりかねません。ここでは信頼できるブランド・メーカーを5つ紹介します。どれもNAS業界では有名なメーカーです。
バッファロー社の特徴は最先端の技術を使いつつ、堅実で永く使える製品を作ることにあります。製造している製品は多岐に渡り、あらゆるネットワーク機器やデバイスを作っていますが、ユーザーからは「どの製品も安心して使えると」いう信頼を得ています。
とくに有名な製品は家庭用の無線LANルータですが、これ以外にもPC用メモリやUSBメモリなどのデータ関連製品やマウスキーボードなど多彩なラインナップがあるブランドです。
初心者から上級者まで幅広い層に支持されており、バッファローを選んでおけば間違いないと言っても過言ではありません。
シノロジーはクラウド時代の最先端技術に対応し、ネットワークストレージやIP監視技術プラットフォームなどを提供している企業です。得意分野がNASですので、NASについての知見が広く、信頼できる製品を提供してくれます。またNASキット(HDD別売りのNAS)のシェアは日本1位を誇ります。
NASキットを利用するのはパソコンの中上級者が多いため、若干マニアック層に認知されているメーカーですが、その分、品質の良さはお墨付きと言えるでしょう。
アイ・オー・データはPC周辺機器を販売するメーカーで、あらゆる機器やアイテムを取り扱っています。価格は手ごろなものが多く、コストパフォーマンスは高いです。とくに初心者やライトユーザー向けの製品を多く取り扱っており、設定が簡単、あるいはシンプルな製品が多いことも特徴です。
キューナップはネットワーク接続ストレージ専門の企業で、2004年に設立されました。専門企業ですので、取り扱うNASの種類も豊富で技術力の高さを活かしてかゆい所に手が届く製品を多く製造販売しています。
アサスターもキューナップと同じく、NASを専門に取り扱う企業で、ASUSグループの一員です。ASUSはコンピューターのマザーボードなどを取り扱う世界的企業で、その技術力を活かしたNASは最先端技術を用いながらも安定した製品として知られています。
今回の商品比較は容量や対応機種はもちろん、拡張性と安全性を考慮して、拡張ベイ数や対応RAIDも調査しました。ヘビーユーザーにもライトユーザーにも最適な一品が見つかるでしょう。
とくに注目したい点は「タイプ」で、完成型は初心者向けのHDDが組み込まれたNAS、キットはHDD別売りのNASです。どちらのNASにするのかを最初にはっきりさせておきましょう。
そのうえで、容量や拡張ベイの数を比較するとスムーズです。とくにRAIDを利用してデータの安全性を高めたい、バックアップをしっかり取りたいという方はキット型を選択してバックアップHDDを設置することとなります。
もちろんこれらの項目だけですべてのNASを比較できるわけではありませんが、NASを使う目的をはっきりさせて、適切な商品をピックアップ・比較検討することが重要です。
*タイプ
*容量(拡張ベイ数)
*対応機種
*最大ユーザーアカウント数
*最大同時接続数
*サイズ
*重量
*対応RAID
*マルチメディア対応
*消費電力
NASを導入するにあたって大切なことは、その目的です。マルチメディア機器のストレージとして用いるのであれば、アクセス速度はもちろん、バックアップ速度や容量などが気になるところですよね。
HDD搭載のNASも素晴らしい製品がありますが、もっとこだわりたいという方には法人向けNASはいかがでしょうか。法人向けNASはクリティカルな業務に用いられることを前提として作られているため、こだわりのある多くのNASユーザーに支持されています。
最初に紹介するのは、NASキットシェアNo1のシノロジーが提供するDiskStation DS216です。アマゾンでもベストセラー商品1位を記録しており、NASキットとしての信頼性はもとより、コストパフォーマンスも優れていると言えるでしょう。
キューナップ独自のUX-800P拡張エンクロージャーを使用することで、最大12ドライブまで拡張が可能で、どこまでもこだわりを追及できる拡張性と高いレベルのRAIDによる安全性を両立します。そのためファミリーユースはもちろん、SOHOや法人のNASとしても十分活用できるでしょう。
最近のマルチメディア対応NASには標準装備ともいえるリモコンが付属しています。そのためDLNA対応機器から離れることなくNASの操作が可能です。またグーグルアカウントと同期させることやアンドロイドアプリのダウンロードも可能なため、外部ストレージとしてアンドロイドユーザーにはおすすめです。
容量は最大40TBまで対応という申し分のないストレージ容量に加えて、大量データも安全かつ高速に扱えるRAID0/1に対応しています。またハードウェア暗号化エンジンを備えているため、データの安全性が高く、個人ユースはもちろん法人やSOHOなどデリケートなデータを扱うにも最適なNASとなっています。
完成品のNASはすぐに使える点が最大の魅力です。すでにHDDが装着されており、さらにある程度設定もされているため、初心者の方にはとくにおすすめできるタイプです。
LS220DN0402Bは初心者でも簡単に設定できるよう考慮された製品で、始めてNASを使う方にはうってつけの製品です。難しくなりがちなスマホやタブレットの設定には専用画面が用意されているので初心者でもらくらく設定可能です。
また本体とHDDには3年保証が付いているため、ハードウェアの信頼性も抜群と言えるでしょう。
HDL2-AA6はスマホで撮った写真をリアルタイムにNASに転送し、みんなでシェアしたり保存したりできる「なすカメ」を搭載しています。またデュアルコアCPUを再使用しているため、高速なデータ転送を実現。初心者も快適にNASを利用できるでしょう。
NASとは正式には「Network Attached Storage」といいます。通常のHDDとは異なり、ネットワーク上にに設置するHDDのことで、同じネットワークに接続している機器ならNASに接続できます(ただしOSなどが対応していること)そのため、家庭内LANなどに複数のユーザーが接続して、NAS上に保存したファイルを自由に読み書きすることが可能です。
例えば、音楽を再生する、写真や動画を共有する、複数の機器に点在しているデータを集約するなどいろいろな利用の仕方があります。
組み立てそのものはそれほど難しいものではありません。HDDとキットにはコネクタが装着されているため、コネクタの接続だけで組み立てが完了するモデルがほとんどです。工具も不要なものが多いです。
設定の難易度は各NASによって異なりますが、設定用ウィザードなど支援ソフトウェアがある製品もあります。RAIDの設定ではある程度の知識が必要なことが多いです。
このためNASキットの組み立てに自信がない方は、よく調べてから買う、あるいは無難に完成品を選ぶとよいでしょう。
スマートフォンに対応したNASには専用のアプリケーションが用意されています。このアプリケーションをスマートフォンにインストールすれば、ファイルの読み書きなどができるようになります。
NASを使う最大のメリットはデータを1カ所に集約できることです。NASがない状態では、アクセスしたいデータがどこにあるのかを把握し、さらにデータにアクセスするための機器(パソコン、テレビ、HDDレコーダー、スマホなど)を使う必要があります。
しかしNASはネットワーク越しにいろいろな機器からアクセスできるため、データがどこにあるのか気にする必要がありません。
またNASはRAIDを使うことができるので、バックアップが容易かつ高速です。重要なデータであればHDDが3台以上必要になるものの、RAID5/6を使用して保全性の高いデータ保管が可能となります。
この記事では「Network Attached Storage」(NAS)について解説しました。NASとは何かという基本的なところから、データのバックアップや高速化に関わるRAID、マルチメディア対応、価格相場などいろいろなことを解説しています。
記事にも書いた通り、NAS初心者には完成型がおすすめですが、キット型を使うと大容量のHDDを搭載したり、RAIDを自由に組みやすいなどキット方にはメリットが多いです。しかし完成型は初心者が使うことを考慮しているため、いろいろな機能が簡単に使えるようになっています。
自分のNASを使う目的やデータの重要度、容量などに合わせて完成型、キット型のいずれにするかを決め、快適なオーディオ環境やコンピューティング環境を作りましょう。