包丁のメンテナンスにおすすめのアイテムが「砥石」です。砥石を使うことで切れにくかった包丁がスパスパ切れるようになります。この記事では、砥石の特徴や使い方、用途や目的に合った選び方、おすすめの砥石を紹介します。
包丁の切れ味が悪くなってきたら、砥石で研いで切れ味をよみがえらせるためのメンテナンスが必要です。切れない包丁を使っていると、変に力が入ってしまって大変危険です。毎日使う包丁は、定期的にメンテナンスをすることがだいじです。
包丁のメンテナンスにおすすめのアイテムが「砥石」です。砥石を使うことで、これまで切れにくかった包丁が、切れにくいお肉や固い野菜もスパスパ切れるようになります。砥石で磨けば、買ったばかりの新品のような光沢と抜群の切れ味が蘇りますよ。
とはいえ砥石はあまり使ったことがなく、どんな特徴や種類があるのかわからない人も多いのではないでしょうか。最近は、初心者にも使いやすいように補助具などがセットになった便利な砥石からプロ仕様の砥石まで、幅広い商品が販売されています。
そこでこの記事では、
を徹底的に紹介します。この記事を参考に、ぴったりの砥石を見つけてくださいね。
毎日の料理で欠かせないアイテムといえば包丁ですよね。買ったばかりの頃はスパスパ切れた包丁が、毎日使っているうちにだんだん切れ味が悪くなりストレスを感じたことがありませんか?
包丁は、まな板や食材とぶつかる衝撃によって、毎日使っていると刃先がだんだん丸くなって切れ味が悪くなり、刃こぼれしてしまいます。切れにくい包丁は手に余計な力が入ってしまい、手が疲れやすくなったり、思わぬケガを負ったりすることもあり大変危険です。切るのにも時間がかかり、トマトなどのやわらかい野菜は形がつぶれるなど、ストレスもかかりますよね。
そんな切れにくくなった包丁の切れ味を蘇らせるのが「砥石」です。砥石とは、刃物や金属を研磨するための道具のことをいいます。料理に使う包丁だけではなく、ナイフやハサミ、彫刻刀などの刃物を磨いて切れ味を蘇らせます。
包丁の切れ味を蘇らせるなら「シャープナーで十分」と思っている人も多いと思いますが、包丁全体を均一に研いで長く使い続けたいなら、やはり砥石がおすすめ。手間はかかりますが、そのぶん包丁の切れ味が長持ちして、寿命が延びるので長く快適に使い続けられます。包丁を大切に使い続けたいなら、定期的に砥石でお手入れすることがおすすめですよ。
砥石は研磨剤と結合剤を混ぜて、レンガ状に固めて作ったものです。研磨剤は大きく分けて
に分かれ、どちらもダイヤモンドくらいの硬さを持っています。
炭素ケイ素質研磨剤は、ダイヤモンドの弟分のようなもので、砥粒の中では最も硬度が高いので、研磨力に優れています。硬度だけではなく耐熱性、科学的安定性に優れているという特徴があり、粒子が粗い荒砥石や中砥石に使われていることが多い素材です。
アルミナ質研磨剤は、砥石の中では最も多く使われている砥粒です。硬度と靭性(粘り強さ)のバランスが良く、荒砥石、中砥石、仕上げ用砥石などさまざまな種類の砥石に幅広く使われています。炭素系素質研磨剤と比べるとやや柔らかいので、粒子の細かい仕上げ用などの細かい作業に向いています。
また、砥石を固める方法は2種類あり、固め方によって特徴が異なります。これから砥石の固め方について紹介しますので、自分にとって使いやすいほうを選んでくださいね。
「焼結タイプ」とは、ダイヤモンド粒子と結合剤を練りこんで焼き上げて固めたものです。ダイヤモンド粒子を含んでいる層が分厚いため、価格は高くなりますが長く使えるというメリットがあります。表面のダイヤモンドがはがれても次のダイヤモンドが出てくるため、長く使っていてもダイヤモンドがはがれにくく研磨力は衰えません。
研磨力がマイルドであたりが柔らかいので、やわらかい素材の研磨に向いています。鋼を使った刃物などにピッタリです。もちろんセラミックなど硬い素材の刃物にも使えますが、次に紹介する電着タイプと比べるとやや研ぎにくいかもしれません。砥石の面直しにも使えるため、一般的には「焼結タイプ」が多く使われています。
「電着タイプ」は、電気を使って表面にダイヤモンド粒子をつけて固めたものをいいます。ダイヤモンドが表面に大きく出っ張った形なので研磨力が高く、セラミックやチタンなどの硬い素材の刃物でも楽に研げる点が魅力です。
ただ、ダイヤモンドは表面の一層にしかついていないため、使い続けるうちに研磨力が落ちてしまう点はデメリットといえます。電着タイプは研げなくなったら、基本的には買い換えることになるので、コスパ的には「焼結タイプ」のほうがおすすめです。なかにはダイヤモンドの面だけを張り替えられる商品もあるので、チェックしてみてくださいね。ダイヤモンドが表面にしか使われていないので、「焼結タイプ」に比べるとリーズナブルです。
「電着タイプ」はとにかく研磨力が高いため、研ぎ慣れていない人が使うと研ぎすぎてしまうことがあるので、研ぎ慣れている人におすすめです。
包丁の切れ味をよみがえらせるための道具なら、砥石に限らず砥ぎ器や「シャープナー」もありますよね。どちらも手軽に使えて人気です。実はシャープナーも砥石も、どちらで研いでも包丁の切れ味はあまり変わりがありません。
では砥石とシャープナーの違いはなんなのかというと、こちら。
シャープナーにも砥石にもそれぞれメリットデメリットがあるため、両方をうまく使い分けるのがおすすめですよ。
シャープナーの魅力はなんといっても手軽で研ぐのがかんたんなところです。短時間でかんたんに切れ味を復活させることができるので、とても便利で初心者にも使いやすいです。
研ぎ方はとてもかんたんです。本体には溝があるのでそこに包丁を差しこみ、10回くらい奥から手前に引くだけで研ぐことができます。最後に包丁をよく洗えばOKです。包丁を動かすことで、本体の中の砥石が刃の両面を均等に研いでくれます。
シャープナーには包丁の刃先をなぞるだけでかんたんに研ぐことができるハンディタイプもあるので、初心者でも使いやすく切れ味が悪くなったと思ったらすぐに研ぐことができる点もおすすめです。
しかしシャープナーは、切れ味が持続しません。シャープナーは刃先を研ぐのではなく、刃を傷つけて荒らすことで食材への食いつきを良くしているだけ。一時的に切れ味をよみがえらせているだけなので、切れ味が回復してもすぐにまたすぐに切れなくなります。またシャープナーだけを使っていると、包丁の刃の表面がえぐれた状態になり、刃がかけやすく、薄くなってしまいます。
切れ味がすぐに悪くなるシャープナーは何度も研ぐ必要があり、頻繁に使うことで刃が薄くなり、刃が欠ける原因にもなって包丁の寿命を縮めることになるのでおすすめできません。出刃包丁や刺身包丁のような片刃の包丁や、パン切り包丁のような特殊な刃付けのナイフには使えない点もデメリットといえます。
とはいえ、やはりシャープナーの手軽さは魅力ですよね。食材を切っていて、「切れ味が悪いかな?」と思ったらすぐ研ぐことができ、一時的とはいえすぐに切れ味が戻るので使いやすくて楽ちん。プロの料理人ならともかく、日々の忙しい生活の中で包丁のメンテナンスに時間をかけられる人はそれほど多くはないでしょう。毎日忙しい人が日常的にかんたんに使うのにおすすめなのがシャープナーです。
また、シャープナーを刃の中心部分にしか使わないと真ん中だけが湾曲してしまい、包丁が使いにくくなってしまいます。シャープナーを使うときのコツとして、包丁全体に使うのがおすすめですよ。
一方、砥石は一刃を削って新しく鋭い刃を作るため、一回研いだら切れ味が長持ちする点が魅力です。新品の包丁のような切れ味が戻り長い間持続するため、何度も研ぐ必要はありません。また砥石できちんと包丁のメンテナンスをしていれば、包丁自体の性能があがり長持ちするのでコスパもいいです。100均の安いナイフでも、砥石で研げば驚くくらい切れ味が上がりますよ。
片刃でも両刃でもどちらの包丁も砥げる点はメリットです。しかし砥石の使い方を間違えると、かえって切れなくなり、包丁を研ぐ手間と時間もかかることから初心者や一般家庭で使うにはハードルが高い点がデメリットといえます。
砥石を使う前には、最初に砥石の準備をする必要があります。砥石は使う前に10~20分程度、気泡が出なくなるまで水につける必要があるため、シャープナーのようにササッと使うことができません。最近は水につけなくても使える砥石もありますが、準備だけでも手間がかかるのに、包丁を研ぐのもコツが必要で手軽に研げません。
研ぎ方に関しては後半で詳しく紹介していますが、ここではかんたんに砥石を使った研ぎ方の手順を紹介します。
これだけの工程があるので、はじめて砥石を使おうと考えている人はげんなりしてしまいそうですね。また間違ったやり方で研いでしまうと、逆に包丁が切れにくくなるため注意も必要です。
ただ砥石は切れ味が長持ちするので、そんなに頻繁にお手入れする必要はありません。月に1回程度研げば十分でしょう。毎日料理をしない人なら、3ヶ月に1回くらいでOKです。砥石もあまり頻繁に使うと、シャープナーほどではないにしろ包丁がどんどん短くなるので注意が必要ですよ。
砥石で研ぐのに慣れないうちは、初心者向けの補助具付きの砥石が使いやすくておすすめです。最初は補助具付きを使っていけば、だんだん正しい研ぎ方を体で覚えていきます。自転車の補助輪と同じで砥石も慣れるまで補助具を使い、慣れてきたら体が覚えてくるので補助具なしでも使えるようになってきますよ。上手に研げるようになってきたら楽しくなってきて、さらに磨きを追求したくなってくる人も多いです。
砥石を購入するときにパッケージなどをみると、「番手」と呼ばれる番号が記載されています。砥石を購入するときには「#400」や「#1000」といった数字が表示されているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。「番手」とは砥石の粒度、粒子の細かさを表す数字です。粒度は数字が小さいほど荒く、大きいほどきめ細かくなっていきます。
砥石は包丁よりも硬い粒子(研磨剤)を結合剤で固めて作ったもの。砥石に含まれている硬い粒子と刃がぶつかることで、丸くなって切れ味が落ちた刃先を削って鋭利な刃先にしていきます。砥石には番手に応じて
といった種類があり、それぞれ粒度が異なります。粒度が異なれば、研磨力が変わります。
つまり、粒度によって包丁を研いだときの仕上がりが変わってくるということです。間違った番手を選んでしまうと包丁を傷つけることもあるし、いつまで研いでも全然研げないということもあるのでしっかりを確認して、正しい番手を選ぶようにしましょう。また裏と表で番手が違う砥石がついていて、用途によって使い分けができる便利な商品もあります。研ぎたい包丁や仕上がりに合った番手を選ぶのがおすすめです。
番手の種類分けの基準はあいまいで、同じ「#1000」でもメーカーによっては研磨力や仕上がりにかなり差があります。そのため番手の数字にこだわるよりも「荒砥石」「中砥石」「仕上げ用砥石」の特徴を把握するようにして、番手の数字はあくまで参考にする程度にしておきましょう。それでは番手の種類と選び方について紹介します。
番手が#80~400程度で、最も粒子が粗い砥石が「荒砥石」です。刃を研ぐ力がとても強いので、刃が欠けたり刃こぼれしたときなどに刃の表面を整え包丁を修繕するのにおすすめの砥石です。
粒子が粗いので1回こすっただけでしっかり削れるため、気をつけないと刃先がどんどん削れてガタガタになってしまうこともあります。「荒砥石」は刃が欠けたり刃こぼれした包丁の形を整える役割の砥石です。そうでないキレイな状態の刃物には使わないようにしましょう。刃の形が変わることもあるため慣れていないと扱いにくい砥石ですが、刃の損傷が激しいときの修繕におすすめです。プロの料理人などはよく使いますが、一般家庭で使う機会はほとんどないかもしれません。
家庭で最も使いやすくおすすめの砥石が、番手が#1000前後の「中砥石」と呼ばれる砥石です。普段のメンテナンスにおすすめの砥石です。家庭で包丁を研ぐのならこの「中砥石」ひとつあれば十分でしょう。
「荒砥石」のように削れる量が多くないので、削りすぎて刃の形が変わるような心配もなく初心者にも使いやすいですよ。はじめて砥石を購入するなら番手#1000くらいの砥石がおすすめです。「荒砥石」に比べて粒子が細かいので、でこぼこになった刃先をなめらかに整える役割があります。刃を研ぐ力も程よく調整されているので、包丁の切れ味が落ちてきたと感じたときに使いやすい砥石です。
「仕上げ用砥石」は、その名前の通り「中砥石」で研いで整えた包丁をさらにキレイに仕上げる砥石です。番手は#3000以上と高く、粒子がきめ細かで切れ味がさらに鋭くなります。刃先の強度も上がり、細かい傷などは消し去って鏡のようにピカピカになりますよ。
プロの料理人は「中砥石」の後の仕上げに使いますが、一般家庭では使う必要はそんなにないでしょう。包丁を削る力は弱いので刃先の減りも少ないですが、「仕上げ用砥石」だけでは包丁の切れ味は良くなりません。あくまで「荒砥石」や「中砥石」で刃を整えた後に使うことで、より切れ味が鋭く長持ちします。鋭い切れ味にこだわる人におすすめですよ。
プロ並みの鋭い切れ味にこだわりたいなら、「超仕上げ砥石」がおすすめです。番手は#4000~#10000と幅広く、粒子がきめ細かいので研ぐのも時間はかかりますが、圧倒的にキレイに仕上がります。「超仕上げ用砥石」は、見栄えや切り味が重要な職人の刺身包丁などにおすすめです。「超仕上げ用砥石」は一般家庭では趣味の領域になるかと思いますが、とにかく圧倒的な切れ味と鏡面のような仕上がりの美しさにこだわる人にはおすすめです。
包丁にはステンレスや鋼、セラミックなどさまざま素材があります。包丁の素材によって刃の硬さもバラバラです。素材によっては砥石が使えないものもあるので、包丁の素材は砥石を購入する前にきちんと確認しておきましょう。
包丁の素材に合わせて砥石の硬さや粒度を選ぶのも大切です。包丁の素材に合ったおすすめの砥石の選び方を紹介します。
使いやすくてさびにくいステンレス製の包丁は、一般家庭でも使っている人も多いのではないでしょうか。ステンレスの包丁はどんな硬さ、粒度の砥石でも問題なく使えるので幅広い砥石で研ぐことができます。ほぼすべての砥石で研げるので、砥石選びで悩みません。
あえていうならやわらかい砥石の方が、研ぎやすくておすすめです。粒度もとくに悩む必要はありませんが、番手の目安は#1000くらいの中砥石を選べば使い勝手もよくおすすめですよ。本格的に仕上げたいなら最後に仕上げ用砥石を使えば、より切れ味がアップして長持ちします。
セラミック包丁は切れ味がよく、軽くてさびにくくてお手入れしやすい上に見た目にもシンプルでおしゃれな包丁です。セラミック包丁は硬いため、一般的な砥石では研げません。セラミック包丁を研げる砥石は、ダイヤモンド砥石だけです。ダイヤモンド砥石は名前の通りダイヤモンドの粒子を使った砥石なので、硬い素材の刃物でも研ぐことが可能です。
ダイヤモンド砥石ならセラミックの刃先よりもさらに硬いため、研ぎ直すこともできます。ただセラミック包丁の場合、刃が欠けてしまったり刃こぼれたりすると、ダイヤモンド砥石でも手間がかかるためメーカーなどに修理を依頼することをおすすめします。
またセラミック包丁の砥石の粒度は、#1200以上の中砥石がおすすめです。#1200以下の粒子の粗い砥石を使うと、セラミック包丁の刃を傷める危険があるのでおすすめできません。
鋼包丁は古くから刃物に使われていた素材で、切れ味が鋭く抜群なのでプロの料理人にも使われています。鋼包丁は硬いので、硬めの砥石だとしっかりと刃がついて効率よく研げておすすめです。鋼包丁は硬いですが、研ぎやすいためやわらかい砥石でも問題なく研げます。しかし削れやすく何度も面直しをする必要があります。
ただ同じ鋼でも素材の種類によっては柔らかい砥石のほうが合っている、または硬い砥石のほうが相性がいい場合もあります。例えばコバルト合金鋼や白紙鋼、炭素鋼なら硬めのセラミック系の砥石と相性が合っているのでおすすめです。一方、鋼のなかでも青紙系の鋼や粉末ハイス鋼のような素材の場合はやわらかい砥石と相性がいいのです。一言で鋼といっても鋼材もさまざまなので、砥石を使う前に素材を確認するようにしてくださいね。
砥石はどれも同じように見えますが、実は製造方法によって特徴はさまざま。さらに砥石は、便利な機能がついているものも数多く販売しています。
ここでは砥石の機能性について紹介します。目的や自分の使いやすさに合わせて機能性や付属品を選んでくださいね。
砥石は用途によって、粒度の違う砥石を使い分けができると便利ですよね。しかし、高価なものではないとはいえ、いくつも購入するのは気が引けますよね。
砥石のなかには、表面と裏面で粒度が異なる砥石もあります。表面に中砥石と裏面に仕上げ用砥石の両面タイプや、表面に荒砥石、裏面に中砥石の両面タイプのものもあるので、ひとつの砥石で目的に合わせて使い分けができて、コンパクトになるので場所も取らずコスパもよくておすすめです。
粒度の違う砥石が両面に合わさっている砥石なら、ひとつで2種類の砥石を使えるのでお得な気がしますね。とくに細かい調整がむずかしい初心者なら、中砥石と仕上げ用砥石の両面砥石を購入することをおすすめします。
吸水性砥石は、砥石自体が水をたっぷり吸収するタイプの砥石です。砥石を使うときには、水は欠かせません。砥石を水でぬらす目的は主に3つあります。
砥石を水にぬらすことはさまざまな目的があり、大切な工程です。
吸水性砥石なら、表面に無数にある小さな穴に水を含んで蓄えることができます。そのため砥石から出る水で十分滑るようになり、摩擦熱による包丁の劣化も防げます。
しかし、吸水性の砥石を使うときには、必ず使う前に砥石自体にたっぷり水を吸収させる必要があります。吸水性砥石を使う前には下準備として、10分〜20分程度水につけてたっぷり吸収させなければいけません。砥石を使う前の下準備が必要なのは面倒ですが、研ぎながらしょっちゅう水をかける必要がないので、研ぐことに集中して効率よく作業ができるというメリットがあります。研ぎながら水をかけるのが面倒に感じている人や、効率よく作業をしたい人には吸水性砥石がおすすめです。
砥石には吸水性と別に不吸水性砥石もあります。不吸水性砥石は、砥石自体が水を吸い込む性質がない砥石です。砥石自体が水を吸わないので砥石で研いでいるあいだ、乾くたびに水をかけながら作業する必要があります。作業中に水をかける手間があるので、少々面倒に感じるかもしれません。
しかし不吸水性砥石は、使う前に10〜20分水につける下準備の手間がいりません。下準備がいらないので、研ぎたいと思ったらすぐに使い始められる点がメリットです。作業中に水をかけるのも「乾いてきた」と感じたら濡らせばいいだけなので、そこまでデメリットと感じない人も多いようです。砥石を使う前に下準備をするのが面倒に感じる人や、すぐに作業をしたい人には不吸水性砥石がおすすめですよ。吸水性砥石と不吸水性砥石はそれぞれメリットデメリットがありますが、自分が使いやすいほうを選ぶことをおすすめします。
砥石を使うときは必ず水が必要なので、水回りで使うことが多いですよね。水回りは滑りやすく、むき出しの砥石をそのまま使っていると、砥石自体が滑って研ぎにくく手を作業台にぶつける、砥石に擦ってしまうなどして大変危険です。そのため砥石が動かないようにしっかり固定する必要があります。
そんなときに砥石を安定させるための台があると研ぎやすく便利です。砥石を長く使っていると摩擦によって薄くなってきますが、砥石台があれば砥石自体が薄くなっても使いやすく、割れにくくなるというメリットもあります。滑りにくい台つきの砥石を使えば高さもでき安定もするので、刃に効率よく力を入れられ、快適に研ぐことができる点も魅力です。
砥石と砥ぎ台がセットになっている「台乗り砥石」もありますし、砥石台を別売りで購入することも可能です。砥石が安定して安全に使えるため、とくに研ぐのに慣れていない人には砥石台がついているものを選ぶことをおすすめします。濡れた布巾などを代用して使うこともできますが、砥石を安定させる台がある方が作業効率は上がり快適に使えるようになりますよ。
砥石を使って刃物を研ぐときは、砥石に対して包丁を当てる角度や砥石と刃先のすき間の角度がとても大切です。砥石は正しく使わなければ、かえって切れ味が悪くなることがあるので、初心者がはじめて使う場合は難しいかもしれません。
そんな場合、かんたんに正しい角度をキープしてくれる補助具があれば、とても使いやすく便利です。研ぎ慣れていない初心者の人でも補助具を使えば手がブレることもなく、安全でキレイに研ぐことができておすすめですよ。角度をキープするものや研ぎやすくするアイテムなどもあるので、チェックしてみてくださいね。
砥石を収納するときなどに、砥石をむきだしのまま置いておくと劣化が早まる可能性があります。砥石を劣化から守りたいなら、ケース入りの砥石がおすすめです。ケースの中に収納していれば、ホコリや汚れから砥石を守るので衛生的です。包丁は食べ物に直接触れて切るものなので、その包丁を研ぐ砥石が汚れていると衛生面で不安になりますよね。
また、砥石は研磨力が高いため、むき出しのまま置いていると収納している棚底や周囲の物を傷つける可能性もあります。ケースがあれば砥石自体を汚れやほこりなどから守り、周りの物を傷つけることもなく収納に便利なので、衛生面を考えてもケース入りはおすすめですよ。
砥石の特徴や種類はわかったけど、どの砥石がいいのか迷っている人なら、人気のおすすめメーカーの砥石を選ぶと信頼性も高く安心ですよ。砥石で有名なメーカーを4社紹介します。砥石選びに迷ったら、参考にしてみてくださいね。
「シャプトン」は、砥石や刃物の研磨用の機具を製造販売しているメーカーです。砥石で包丁を研ぐ作業って手間がかかり時間もかかることから、職人がするようなイメージがありますよね。しかしシャプトンの砥石は、一般的な砥石と比べて工程が少なく時間も短く済むうえに、高品質な点も魅力です。
「シャプトン」の砥石には4つの特徴があります。
また「シャプトン」のロングセラー商品「刀の黒幕」は、研磨力が高く素早く刃付け、圧倒的に長持ちします。どんな素材の包丁とも相性がよく使い勝手の良さから、プロの料理人はもちろん一般家庭でも人気の砥石です。世界ではじめて粒度によって色分けされた砥石で、研ぎ台になる収納ケースの裏には滑り止めがついているなど便利な機能も豊富です。とにかく高品質で使い勝手のいい砥石を探している人なら「シャプトン」の砥石がおすすめです。
砥石で人気のメーカー「キング」は、家庭用砥石やエアストーンなどの製造販売をおこなっている愛知県に本社を置く小規模な会社です。キングの砥石の人気の理由は
にあります。
「キング」はとにかくバリエーションが豊富で、人気のキング砥石シリーズだけでも6シリーズあり、さらに粒度や特徴によってさらに細分化されているため種類が多いです。サイズも標準サイズから特大サイズまであり、粒度は最大#8000まであります。
また品質が高く、価格がリーズナブルな点も魅力です。初心者や、できるだけコストをかけずに砥石が欲しいという人には「キング」の砥石がおすすめですよ。
家庭用包丁やツメキリ、女性向け使い捨てカミソリが国内シェアNO,1の「貝印」は、日本を代表する刃メーカーです。刃物を知り尽くした刃物メーカーが作る砥石なだけあって、使い勝手が抜群にいいです。品質が高く、日本だけではなく世界からも人気の砥石がそろっています。
受け皿がついて研ぎ汁を受け止められるような溝がついている砥石は、周囲を汚さず、快適に刃物のメンテナンスができるのでおすすめです。刃物メーカーならではの使いやすさにこだわりを感じます。「貝印」の砥石は使いやすく、機能面でも万能な砥石を取り扱っているメーカーなので幅広い人におすすめです。クオリティにこだわる人にもおすすめですよ。
砥石専門メーカーの「スエヒロ」は、一般の主婦からプロの料理人までどんな人でも扱いやすく、刃物の素材に合わせたラインナップが豊富な砥石を製造販売しています。「スエヒロ」の砥石はクオリティが高く、使いやすさを追求した砥石は機能的で、研ぐことに慣れていない人におすすめです。
また「スエヒロ」の砥石は、価格もお手頃な点も魅力。使いやすい砥石やクオリティにこだわる人におすすめの砥石です。
家庭でも使いやすい中砥石を紹介します。はじめて砥石を買おうと思っている人や、家庭で使う人は参考にしてくださいね。おすすめの中砥石を6選紹介します。
シャプトンのロングセラー商品「刃の黒幕」シリーズ。圧倒的な人気とシェア率を誇る「刃の黒幕」シリーズのなかでも「オレンジ#1000」は粒度#1000の中砥石で、はじめて砥石を購入する人や家庭用にひとつ欲しい人におすすめの使いやすい砥石です。
「刃の黒幕」の粒度は、#120から#30000まで幅広くあり、刃こぼれの修正から切れ味を良くしてピカピカに仕上げたい場合まで対応しています。数ある粒度(番手)のなかでも、#1000が最も使いやすくおすすめです。
「オレンジ#1000」は中砥石ですが、荒砥石がいらないのではと思うくらいしっかり刃がつくので、荒砥石と中砥石の兼用として使えて便利です。研磨力が抜群で、小さな刃こぼれくらいならこれだけでも修正できるほどです。
収納に便利な砥石ケースは砥石台にもなり、底面には滑り止めのゴムがついているのでしっかり固定されて研ぎやすい砥石です。安定して研げるので安全性も高く、収納ケースにも入って持ち運びにも便利。機能性が高くあらゆる人におすすめの砥石です。初心者でも使いやすく家庭用にひとつ購入するなら、シャプトンの「刃の黒幕 オレンジ#1000」がおすすめですよ。
こちらもシャプトンの人気商品「刃の黒幕」から「グリーン #2000」です。こちらも中砥石ですが「オレンジ」よりも粒度が#2000と細かく仕上げ用砥石としても使えるので、粒度の違う砥石をいくつもそろえる必要もなく便利な砥石です。
「刃の黒幕オレンジ#1000」は、研磨力は抜群でどちらかというと荒砥石寄りです。初心者やたまに使う程度なら「刃の黒幕オレンジ#1000」がちょうど良いですが、研ぎ慣れている人や頻繁に包丁を研ぐ人なら「刃の黒幕グーン#2000」のほうがおすすめですよ。
さすがに刃こぼれなどの修正は難しいですが、鈍っていた刃先が短時間で研ぎあがり、細かい傷もなくなって仕上がりも秀逸です。家にあるステンレス包丁を研ぐなら、グリーンひとつでも十分でしょう。
など、使い方に合わせてどちらかを選ぶといいですよ。
キング砥石の「キングデラックス 中仕上げ用」なら、家庭でもっともポピュラーなステンレス製の包丁を研ぐのに最適です。粒度が#1000の中砥石なので、初心者や家庭用としてひとつ持っているのにおすすめの砥石です。
「キングデラックス 中仕上げ用」は、包丁だけではなくハサミやナイフ、かんななどあらゆる刃物にも使えるので、幅広い刃物の中仕上げ用として使える点も魅力です。特殊な砥材でできているので、短時間で切れ味がよみがえって鋭い刃がつきます。
先ほど紹介したシャプトンの「刃の黒幕 オレンジ#1000」と同じ粒度ですが、シャプトンの#1000とキングデラックス#1000はかなり研磨力が異なります。口コミを確認すると「キングデラックス#1000はシャプトンの#2000~#3000くらい」という声もあるので、シャプトンの#1000よりも粒度は細かいようです。荒砥石と兼用に使える中砥石というよりは、本品の名前の通り仕上げ用砥石に近い中砥石というふうに考えておくといいですよ。
砥石台や滑り止めなどの付属はありませんが、厚みと重みのある砥石なので厚みのある濡れたふきんの上に置いておくだけで安定します。とにかくリーズナブルで品質も高い砥石なので、コスパを求める人におすすめの砥石です。どうせなら幅広い刃物に使いたいという人や、仕上げ用と兼用したいという人にもおすすめですよ。
貝印の「中仕上砥石」は、刃物メーカーが考えた使いやすさを追求した本格派の砥石です。研磨力に優れて目詰まりしにくい特徴があり、品質が高くリーズナブルで使い勝手がいいと人気です。
砥石ケースには水や刃物を研いだときにでる研ぎ汁をためられる溝がついているので、キッチンをよごしにいくい設計です。また砥石台の底には独自機構の滑り止めリブつき。滑りにくく安定しているので、研ぎやすく安全に使えます。ケースはそのまま水切りが可能なので、台座にそのまま置いただけで片付けができてとっても便利です。
ステンレス製の包丁でも、この「中仕上砥石AP0303 #1000」を使えば驚くくらい切れがよくなります。通常のお手入れに最適の砥石です。準備と片付けが楽なので、忙しい人や使い勝手のいい砥石を探している人におすすめですよ。
ダイヤモンド工具や研削砥石、研磨材などを製造している浪速研磨工業の「研ぎ補助具付角砥石 かんたんとぎジョーズ #1000 QA-0221」は、慣れない人でも研ぎやすいように補助具がついているので、初心者におすすめの砥石です。粒度は#1000なので、家庭で使うのにちょうどいい切れ味に刃をつけられます。
砥石で研ぐときは角度のつけ方が重要です。はじめて砥石でいざ研いでみようと思ったときに、一番悩むのが角度ではないでしょうか。この「研ぎ補助具付角砥石 かんたんとぎジョーズ」なら、付属のステンレスクリップが研ぐときに適した角度にしっかり固定してくれます。初心者でも迷わずかんたんに研ぐことができておすすめですよ。ステンレスクリップは使ううちに摩耗しますが、慣れてきたら補助具がなくても安定して研げるようになっていきます。はじめて使う人や砥石がうまく研げずにあきらめた経験がある人なら、「研ぎ補助具付角砥石 かんたんとぎジョーズ」がおすすめですよ。
今西製紙の「天草備水 中砥石」は、天然の石を使った天然砥石です。天然なので品質や粒度が統一していません。しかし天然砥石は研ぎ味が抜群な点が魅力です。価格もお手頃で使いやすい中砥石です。
粒度は#800程度で、中砥石の中では研磨力は高いようです。ただ口コミを見ると、天然石なので場所によって粒度が異なる砥石もあるようです。天然の砥石にはひとつひとつ個体差があり、2つと同じものはありません。砥粒の粗さや硬さを確認して、自分が使う刃物を研ぐのに適しているかを自分で判断する必要があります。そのため「天草備水 中砥石」は、砥石で研ぐことに慣れている人やプロの料理人におすすめの砥石です。
続いてプロの料理人が仕上げ用として使っている、仕上げ用砥石のおすすめ商品を紹介します。家庭で使う分には中砥石がひとつあれば十分ですが、仕上げ用砥石を使えば数ランク上の切れ味を実感できますよ。
仕上げ砥石はより鋭利な切れ味を追求している人やこだわっている人、中砥石だけでは物足りなく感じている人はぜひ参考にしてくださいね。おすすめの仕上げ砥石6選を紹介します。
シャプトンの大ヒット商品「刃の黒幕」の仕上げ用砥石「エンジ#5000」は、初心者でも研ぎやすくておすすめです。粒度は#5000なので粒度が細かく、刃物をきめ細かに磨き上げます。
仕上げ用砥石にありがちなツルツルした感じがなく、食いつく感じがあります。ステンレスの包丁でも、短時間で刃付けができて切れ味が抜群になりますよ。ただ粒子が細かいので、目詰まりを起こしやすいので注意が必要です。
従来品と比べて砥石のヘリが圧倒的に少ないので、長い間使い続けられて長持ちする点も魅力です。砥石自体が硬く変形しにくいため、砥面の修正も何度もする必要がありません。より切れ味にこだわりたい人におすすめです。
キング砥石の「キング仕上砥 S-1型 #6000 最終超仕上用」は、刃物超仕上げ用に開発された最高級の超微粒の砥材を採用し、特殊技術を用いて焼成した高品質な超仕上げ用砥石です。粒度が高いので、刃付けが早く刃を傷めません。
砥石の面も広く重量もあるので、安定感がある砥石です。またケースが砥石台になっているので、便利ですよ。研いだ部分にツヤができて鏡のように美しく仕上がります。研ぎやすく高品質なのにリーズナブルなので、初心者にもおすすめの仕上げ用砥石です。
大谷砥石が販売している「嵐山 #6000(薄緑名倉付属)」は、プロも愛用している人気の超仕上げ用砥石です。こちらは薄緑名倉がついたお得なセットです。
名倉は砥石の表面を削って研ぎ汁を出して研磨力を上げたり、目詰まりを起こした砥石の表面を削って詰まりを解消したりする役割があり、あるととても便利です。仕上げ用砥石のように砥石の粒子が細かいと削りカスも細かくなり、砥石の面に詰まりやすくなってしまいます。付属の名倉砥石で擦り詰まりを解消できるので、砥石のメンテナンスにおすすめです。もちろんほかのメーカーの砥石にも使えるので、あると重宝しますよ。
高純度のアルミナ配合の超微粒研磨剤が使われているので、なめらかに研げます。木の台がついているので安定して研げて、砥石が薄くなってきてもしっかり研げて安心。研磨力もあってきれいに仕上げたい人におすすめです。ステンレスの包丁でもスパスパと切れ味が戻りますよ。
末広(スエヒロ)の「キッチン仕上砥石 キッチンシャープニングプレート」は、包丁の切れ味が悪いと感じたらすぐにかんたんに研げる丸形プレートタイプの仕上げ用砥石です。粒度は#1000なので、中砥石の役割も果たす砥石です。
水受けになるトレーがついた台がついているので、キッチンを汚さず周囲もきれいに保ちます。刃先を浮かす角度は15度に保ったまま、クルクル回したりジグザグに動かすなどして、片手でも軽くこするだけで研げます。素早く研げて、コンパクト設計なので場所を取りません。とにかくかんたんに砥石を使いたいという人におすすめです。
シャプトンの人気シリーズ「刃の黒幕」のなかでもとくに粒度の細かい「クリーム 仕上砥 #12000」は、粒度#12000の超仕上げ用砥石です。ほかの砥石にはない研磨力があり、鏡のような輝きと光沢、そして抜群の切れ味が持続します。
家庭用なら粒度#5000程度の仕上げ用砥石でも十分かと思いますが、研ぎ慣れてきて仕上がりにこだわるようになると極めたくなる人も多いようです。刃先の表面の細かな傷もキレイに消えて、鏡面のようにキレイに磨けます。#12000で研ぐと、産毛が余裕で剃れるようになりますよ。最高クラスの切れ味と品質で、数ランク上の仕上がりを追求する人におすすめの砥石です。
ダイヤモンド工具などの生産販売を行うナニワ研磨工業の「本職用砥石 剛研 輝(かがやき)」は、その名の通りプロの職人たちも納得の研ぎ心地を実現した最高級仕上げ用砥石です。粒度は#1200で、人造砥石の限界を超えた鋭い研ぎ味はまるで天然砥石のような鋭さです。
買ったばかりの包丁のような光沢感と、鋭い切れ味は段違いです。研磨力も使い勝手もよく、包丁が生まれ変わったようにスパスパ切れるようになりますよ。仕上がりの美しさやプロ並みの切れ味にこだわる人におすすめの仕上げ用砥石です。収納ケース付きなので衛生的で周りの物や壁、床などを傷つける心配もいりません。
刃先の状態や仕上がりによって粒度の違う砥石を使い分けることで、包丁をメンテナンスしながらより鋭い切れ味を保つことができます。プロの料理人ならともかく、一般家庭で粒度によっていくつも砥石をそろえるのは場所をとるし、コストもかかりますよね。
そこで表面と裏面で粒度の違う両面タイプの砥石を使えば、ひとつの砥石で2種類の粒度の砥石が使えるので便利です。ここからは両面砥石のおすすめ7選を紹介します。
キング砥石の「キング砥石 ホームトイシ 透明プラケース入」は、片面(赤)が#1000の荒砥石、もう片面(白)が#6000の仕上げ用砥石になっている両面砥石です。切れ味が悪くなってきたら赤い方の面で研いで、仕上げに白の面で研げばより鋭利な切れ味が実現します。
家庭用ではもちろん、プロの料理人にもおすすめの秀逸な砥石です。価格はリーズナブルなのに最高級の研磨剤を使った焼成製法で作られた砥石なので、よく研げます。また硬度にムラがなく長期間使っていても品質が変わることはありません。
注意点としては、#1000のほうはよく水を吸いますが「#6000のほうは水を吸いにくい」という口コミがあるので、事前に20分ほど水に浸すことをおすすめします。100均で買ったような安いナイフでもこの砥石でメンテナンスをすれば、驚くくらい切れ味が良くなりますよ。家庭で砥石を使って仕上がりにもこだわりたい人なら、こちらがひとつあれば十分ですよ。
貝印の「コンビ砥石セット(#400・#1000)AP0305」は、粒度#400の荒砥石と粒度#1000の中砥石の両面タイプです。刃こぼれなどがおきたときは荒砥石を使って修正すると、どんどん削れて短時間で修正できますよ。その後、#1000の中砥石で整えて切れ味をよみがえらせます。
貝印は、使いやすさを追求している研ぎ台を採用。貝印の砥石の収納ケースは、研ぎ汁や水をためられる水差し台座がついてるので、キッチン回りを汚しにくくておすすめです。底面には独自機構の滑り止めグリップがついているので、滑りにくく安定感も抜群。台座に砥石を置いたまま水切りができるので、片付けもスムーズで楽ちんな点も魅力です。
目詰まりしにくく研磨力に優れた砥石です。普段は#1000の中砥石を使ってメンテナンスをし、切れ味が悪くなってきたら#400の荒砥石を使うのがおすすめですよ。
スエヒロが販売している「研ぎ器キッチン両面砥石 #3000/#1000 全ゴム台付」は、#1000の中砥石と#3000の仕上げ用砥石の両面タイプの砥石です。ほかの製品と比べるとコンパクトなので、狭いキッチンでも使うときに場所を取らず、収納にも困りません。
砥石台にゴムがついているので滑りにくく、安定感があるので初心者でも安心して使えておすすめです。包丁の普段のメンテナンスから仕上げまでがひとつでできるので、とっても便利でコスパの高い砥石です。はじめて砥石を使う人やキッチンが狭いという人にもおすすめですよ。
ユーザーの使いやすさを追求した工具や雑貨の製造販売をおこなっているNESHEXSTの「剛力砥石」は、鋭く磨ける#1000の中砥石と粒度の細かい#6000の仕上げ砥石がひとつになった両面タイプの砥石です。刃を研ぐときに必要な付属品を後から買い足さなくてもいいように、すべてセットになったお得な砥石セットです。プロの料理人にも人気で、有名雑誌で取り上げられるなどメディアでも注目されている砥石ですよ。
角度固定ホルダーがついているので、初心者でも角度がブレることなくムラなく研ぐことができます。また竹台座にゴム台座を重ねることでより砥石をがっちり固定できて、より滑りにくく安定して研ぐことができるようになりました。さらに砥石を長持ちさせるためのメンテナンスに必要な面直しもついているので、後から買い足す必要がありません。砥石で研ぐのに必要なものがそろったお得なセットなので、はじめて砥石を購入するという人におすすめです。
優れているのは付属品だけではありません。国内、海外でひとつひとつていねいに品質を守るために、徹底した管理の元で製造されています。砥石の素材は高い硬度と耐久性に優れたアルミナ粉を使用し、長持ちします。高品質な砥石と補助具がそろった砥石セットが、リーズナブルなのでコスパもいいですね。はじめて砥石を購入する初心者はもちろん、研ぎの質をワンランク上げたい人や切れ味にこだわりたい人にもおすすめの砥石です。
高品質な包丁づくりを行っている包丁メーカー、藤寅工業が販売している「藤次郎 ホームコンビ砥石」は、粒度#1000の中砥石と#3000の仕上げ用砥石の両面タイプです。家庭用ならこれひとつで十分。家庭での使いやすさを追求したサイズと設計が魅力です。
狭いキッチンでも使いやすいようにスリム設計。ゴム足付きの砥石台がつきなので、滑りにくく安定して研ぐことができて安全に使えます。軽く刃を当てるだけでしっかり研げて、包丁の刃先を整えた後、さらに細かく鋭く仕上げます。家庭用に手軽に砥石を使いたいという人におすすめですよ。
厳選刃物道具の専門店、ほんまもんの「京東山 ST 両面砥石」は、使いやすい粒度#1000の中砥石と#4000の仕上げ用砥石の両面タイプです。包丁はもちろんハサミやナイフ、かんなやのみなど幅広い刃物に使えて、初心者からプロの料理人まで使い手を選ばない使いやすい高級砥石です。
不吸水性砥石なので使う前に長時間水に浸す必要がなく、研ぎたいと思ったらすぐに使えます。もちろん水は必要ですが、砥石の面が水に濡れるように適度に水をかけるだけで使えます。価格は手ごろですが研いだ後の切れ味は抜群です。リーズナブルで用途や使う人を選ばない高品質な砥石を探している人におすすめですよ。
GOKEIの「両面ダイヤモンド砥石 台付き」は、両面ダイヤモンド砥石なので、硬いセラミックなどの刃物でも使えます。粒度が#400の荒砥石と#1000の中砥石の両面タイプ。切れなくなったセラミックなどを強力に刃研ぎします。
刃がつぶれたり欠けた場合は#400で刃の修正をし、切れ味が落ちてきたと感じたら#1000で刃先を整えてあげましょう。硬くて研磨力が優れた砥石なので、短時間で刃の修正が可能です。硬いダイヤモンド砥石はそのまま触れると手を傷つける危険性もありますが、砥石台があることで直接触れずに安全に使えます。ケースの底の四隅にはゴムの滑り止めがついているので、滑りにくく安定して研げて作業効率も上がります。
一般的な砥石と比べて摩耗に強いので、面直しの必要がいりません。お手入れが楽な点も魅力ですね。セラミックの包丁を使っている方や包丁だけではなく、超硬金属などの硬い金属など幅広く使いたい人におすすめです。
いざ砥石を購入しても、砥石を使うタイミングや研ぎ方がいまいちわからないという人も多いのではないでしょうか。砥石の基本的な使い方を初心者にもわかりやすく、くわしく紹介します。
包丁は毎日使っていると、だんだん切れ味が悪くなってきます。それは包丁の刃先がまな板や食材に当たる衝撃によって、だんだん刃先が丸くなったり刃先がつぶれてくるからです。切れ味の悪い包丁を使っていると、包丁を使っているときに余計な力が入りケガをすることもあります。包丁はこまめにメンテナンスをして、鋭い切れ味をキープしておきましょう。
包丁を研ぐタイミングは、切れ味が落ちてきたときです。
このような場合は、切れ味が悪くなっているので包丁を研ぐようにしましょう。砥石で研いだあとは、しばらく切れ味が長持ちしますよ。あとは月に1回程度のメンテナンスをするのが理想です。こまめに研ぐことで、刃先の負担を抑えて包丁の切れ味をキープしてくれます。
あまり長い間メンテナンスをしないで、刃先が劣化している状態だと鋭く研ぎ終わるまで時間がかかりますので、できるだけこまめにメンテナンスをすることがおすすめです。こまめにメンテナンスをしていれば、砥石で研ぐのも5分程度で終わりますよ。
慣れるまでは包丁を研ぐのは大変かもしれませんが、補助具をうまく使うなどして研いでいくうちに徐々に慣れていきますよ。調理を安全に快適にできるように、包丁のメンテナンスをしてあげてくださいね。
包丁の切れ味が悪くなってきたと思ったら、包丁を研いでいきましょう。包丁を砥石で研ぐときに必要なものを紹介します。
包丁と中砥石、仕上げをしたいなら仕上げ用砥石も準備しておきましょう。仕上げ用砥石を使うときは、必ず中砥石で刃先を整えた後に使いましょう。仕上げ用砥石だけでは、包丁の切れ味は戻りません。砥石に台座がない場合は、砥石が滑らないように厚めの濡れふきんを準備しておきましょう。
砥石によっては水につける必要がないものもありますので、取り扱い説明書などを読んで準備をしてくださいね。
それでは砥石で研ぐ方法をくわしく紹介します。砥石を使った正しい研ぎ方を覚えてくださいね。
研ぐ前に中性洗剤などでしっかり包丁を洗って、汚れを落とします。
砥石を使う前の下準備として、砥石を水に浸す必要があります。砥石は基本的には水を吸収しないので、砥石の中にしっかりと水を貯える必要があります。一般的な砥石には、中に小さな穴が複数あって、水につけるとぶくぶくと泡が出てきます。この泡が出てこなくなるまで水につけておきましょう。
10〜20分を目安にしっかり水に浸します。不吸水性砥石を使えばこの工程は省かれます。砥石を水で濡らすことで、なめらかに滑るようになり研磨力を上げてより研ぎやすくなります。また目詰まりを防いだり、砥石と包丁の摩擦熱による劣化を防いだりする役割もあるので、必ず水で濡らしながら使うようにしましょう。
砥石を安定させるために、砥石台にセットします。砥石台がない場合は厚めのふきんを濡らして、砥石が滑らないようにその上に砥石を乗せて使いましょう。
包丁を持つときは三点支持がおすすめです。
砥石は体の正面にまっすぐ縦に置きましょう。
包丁を研ぐとき、砥石に対して刃先をななめに置きますが、このときの角度がとてもだいじです。包丁を研ぐときの角度で注意する点は2ヵ所あります。
包丁と砥石を重ね合わせる角度は、縦に置いた砥石に対して刃先が約45度の角度になるように包丁の刃先を重ねます。平行でも垂直でもありません。45〜50度を意識します。次に砥石に対して包丁を寝かせる角度です。砥石に当てた刃先を、刃を起こした角度が15度になるように浮かせます。砥石と包丁のすき間に10円玉2〜3枚が入るくらい浮かせるイメージです。研ぎはじめから終わりまで、同じ角度をキープすることがだいじです。
包丁の角度が決まったら、いよいよ研いでいきます。利き手で包丁のハンドル部分を握りながら、利き手じゃない方の中指と人差し指を研ぎたい刃の場所に当てます。あまり強く押さえると最初に決めた15度の角度がブレるので、添える程度でOK。力のいれすぎに注意してくださいね。そのまま10~20回ほど前後にスライドするように動かします。包丁を研ぐときは、手前から奥へ軽く押し出すようにし、引くときは力をなるべく入れないのがポイントです。
刃全体を一度に研ぐことはできず、指を添えている部分しか研げません。刃の長さによって2~3分割して指で押さえる場所を変えながら、数回に分けて研ぐようにしましょう。
の順に指を少しずつずらしながら全体を研いでいきます。全体を10~20回ほどずつ研ぐといいですよ。
包丁を研いでいるとドロッとした研ぎ汁が出てきますが、この研ぎ汁はなめらかに研ぐために必要なので流さないようにしましょう。砥石の表面が乾いてきたら、水をかけて滑りをよくします。
刃がきちんと研げているか確認するには、バリ(カエリ)が出ているかを確認します。バリとは「カエリ」ともいい、研いでいる包丁の刃先が反対側にまくれてできた小さなひっかかりができます。この引っかかりをバリ、もしくはカエリといいます。両刃の場合は、バリを確認できたら包丁を裏返して反対側も研いでまたバリを出して、バリを落とすというのをくり返すことでだんだんバリが小さくなってきます。
バリが出ていれば研げている証拠です。このまま刃先に向かって研ぎ進めていきましょう。包丁の先端のカーブしている部分は、カーブに合わせて細かく位置調整します。このとき15度が変わらないように注意してくださいね。
バリは、指の腹で触って確認します。
全体にバリが出ていたらOK。このとき指を切らないように注意してくださいね。
バリが確認できたら包丁を裏側にして反対側の刃も研いでいきます。先ほどと同じように15度の角度をキープしながらバリがでるまで全体を研いでいきます。
表面を一通り研いだら、最後にバリを取って仕上げます。新聞紙や古い布などを平らな場所に敷いて、その上に刃の表面をこすりつけてバリをとります。研ぐときと同じように15度の角度を意識して包丁をあてて、縦に置いた包丁(刃先)を横にスーッとこすり、最後にすくい上げるようにして紙からはなします。これを両面くり返します。
包丁を研いだのに切れ味が悪い場合、もしかしたらバリが残っているのかもしれません。完全にバリを落とすまで、何往復かくり返すようにしましょう。またバリを落とすときに砥石でこすると、刃先がつぶれることもあるのでおすすめできません。
最後にトマトなどを試し切りしてみて、スムーズに切れれば完了。包丁を中性洗剤などでよく洗いましょう。
研いだあとは砥石のメンテナンスもだいじです。砥石を使ったあとは表面がへこんでしまうので、平らに戻す必要があります。研ぎ汁を洗い流したら、面直し用砥石でこすって平らに戻しましょう。
へこんだ部分を確認するために、砥石の表面にえんぴつでぐるぐると印をつけていきます。面直し用砥石で何回か研いで削りましょう。鉛筆の跡がキレイになくなったらOKのサインです。使い終わった砥石と面取り砥石は流水で良く洗い、しっかり乾かしてから収納します。
研いですぐの包丁を使うと金属のにおいが食材に移りやすいので、半日程度置いてから使うことをおすすめします。砥石を使ったあとは必ず元の状態に戻しておかなければ、本来の研磨力は発揮されません。日々のメンテナンスで機能面を本来の状態に戻し、研磨力を上げ包丁の性能安定させてくれるので、使ったあとはメンテナンスもセットで行うようにしてくださいね。
砥石を使った後のメンテナンスが終わり、キレイに洗ったあとは自然乾燥させます。乾いた砥石をどこに収納すればいいのかわからない人もいるかもしれません。砥石は直射日光に当たらない場所に置いておきましょう。
キッチンの下にある戸棚の中など包丁に近い場所に置いておくと、取り出しやすくて便利です。砥石をそのままむき出しの状態で保管していると、壁や底、周囲に置いている物に傷をつけてしまう恐れがあります。ケースがついている砥石はケースにいれるか、なければ乾いた新聞紙などにくるんで保管するといいですよ。
次に使うときに水につける時間を短縮するために、濡れたふきんなどに包んで保管する人もいるようですが、これはNGです。長時間濡れた状態のまま放置しておくと、砥石自体が劣化しやすいのでおすすめできません。砥石の砥粒が欠けてきたり、本体がヒビ割れの原因になることもあるので必ず乾いた状態で保管するようにしてくださいね。
砥石を使うときの注意点として粒度の違う砥石を使う場合は、包丁と砥石、そして自分の手もしっかり洗うことがだいじです。例えば中砥石の後に仕上げで仕上げ用砥石と使う場合、そのまま使うと包丁の刃先についた先ほど使っていた砥石の砥粒が残っていて、次に使う砥石に悪い影響を与えることがあります。
また使用前に水に浸すために使っている桶などをそのまま次の砥石にも使う場合も、水のなかで砥粒が付着する可能性があるので注意が必要です。粒度によって使う桶などは使い分けることをおすすめします。
砥石の使い方や選び方、おすすめの砥石などくわしく紹介しました。砥石は意外にも奥が深いですよね。包丁は毎日の料理で使うものですが、切れ味が悪いとストレスを感じますし、なにより危険です。
だいじな包丁のメンテナンスをするためにおすすめな砥石。面倒だから躊躇する人も多いと思いますが、最近は使い勝手のいい砥石も数多く販売されています。砥石を選ぶときのポイントは、「荒砥石」「中砥石」「仕上げ用砥石」の粒度を理解して目的に合ったものを選ぶことです。あとは磨くときの角度に気をつければ、そこまで難しいことではありません。慣れるまでは補助具などを使えば、そのうち体が正しい角度を覚えてマスターできるようになります。
包丁がスパスパ切れるようになると快適で気持ちもいいですし、切れない包丁を使うよりも安全です。この記事で紹介した砥石はどれも使いやすく品質も高い商品ばかりなので、砥石選びに迷ったときの参考にしてください。