喘息や気管支炎の治療に欠かせない吸入器。耳鼻科に置いてあるイメージが強いのですが、実は家庭用吸入器が数多く販売されています。それも、日常的に予防ケアができるお手...
中村史恵
テレビ通販で美容食を購入し、そこから美容食にどハマり。美容食使用歴10年の40代主婦です。美容食に関するレビューや記事執筆などのお仕事依頼を受託していて、美容食アドバイザーともいわれています。
プロフィール詳細へ>>喘息や気管支炎の治療に欠かせない吸入器。
耳鼻科に置いてあるイメージが強いのですが、実は家庭用吸入器が数多く販売されています。
それも、日常的に予防ケアができるお手軽なものから、薬剤を使用する本格的なものまで充実の品揃え。
喉や鼻のつらい症状の改善に効果を発揮するので、乾燥やほこり、花粉などに悩む人は試してみる価値ありです。
健康家電に詳しいベテラン販売員が本気で選んだおすすめ家庭用吸入器10選、さっそくチェックしていきましょう。
ママアイテム編集部
吸入器にはさまざまなタイプがあり、それぞれ特徴があります。
用途や目的に合ったものを選ぶために、必ずチェックしてほしいポイントをまとめてみました。
吸入器は大きく4種類にわかれますが、家庭用吸入器として購入できるのは、ネブライザーもしくはスチーム吸入器です。
薬剤の使用有無によって使い分けましょう。
吸入方法 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
エアゾール | 薬剤が充填されている缶を押すと1回分が噴霧される | ・小型で軽量 ・吸い込む力が弱くても吸入できる | ・薬剤の噴霧と吸入のタイミングを合わせる必要がある |
ドライパウダー | 吸入器に充填されたパウダー状の薬剤を吸い込む | ・自分のタイミングで吸入できる | ・呼気力の弱い高齢者や子どもは利用が難しい場合がある |
ネブライザー | 専用機器で薬剤を霧状にして吸入する | ・乳幼児や高齢者でも確実に吸入できる | ・吸入に時間がかかる ・大型で携帯に不向きなものが多い |
スチーム吸入器 | 専用機器で生理食塩水を霧状にして吸入する | ・日常のケアに気軽に利用 できる | ・薬剤は使用できない |
薬剤の利用が可能なネブライザーには、コンプレッサー式、メッシュ式、超音波式があります。それぞれの特徴や使用できる薬剤をまとめましたので、しっかりチェックしておきましょう。
コンプレッサー式は少量の吸入薬向き。騒音の大きさが難点ですが、ほとんどの薬剤が使用でき、メンテナンスもかんたんな使い勝手のよい吸入器です。
次に、薬剤をメッシュの穴から押し出して霧状にするメッシュ式。こちらは、軽量でコンパクトなものが多く扱いやすいのですが、使用できる薬剤が限られます。
最後に、大型で噴霧量が多い超音波式。メンテナンスが難しく使用できる薬剤も限られますが、長時間噴霧が可能なところはほかの方式にはないメリットです。
どこで使用するかも、吸入器選びの大切なポイントです。自宅で使用する場合は、サイズ、重さ、形状などを考慮する必要はありません。そのため、少し大きくても噴霧量の多いもの、長時間稼働可能なものを選ぶことができます。
持ち運びたい場合、サイズや重さは重要です。コンパクトで軽量なもの、騒音の少ないものを選ぶといいでしょう。パワーが小さくなるのは否めませんが、いつでもどこでも使える便利さを考えれば、許容できるデメリットではないでしょうか。
さまざまなタイプがある吸入器。重さやサイズはもちろん、吸入器としての能力をしっかり見極めて、自分に合ったものを選びたいですね。さっそく、以下の4項目を比較しながら、おすすめの吸入器をチェックしていきましょう。
たくさんある家庭向け吸入器のなかでも、多くのユーザーから高評価を受けるおすすめの吸入器がこちら。
使える薬剤の数、性能の高さ、誰にでもわかりやすい操作性と、どれをとっても選んでまちがないの吸入器です。
健康医療機器メーカーとして有名なオムロンが販売する、家庭向け吸入器のスタンダードモデルです。家庭用といいながら、病院でも使用されるほどの性能の高さ。購入のきっかけの多くが「医師からすすめられた」というのも納得です。
コンプレッサー式の据え置き型で噴霧量もまずまず多め。独自の「高効率V.V.T.ネブライザキット」という技術によって、空気中への無駄なスチームの排出を減らすことで、効果的な吸入治療を可能にしています。
操作はスイッチを押すだけで、これなら子どもでも高齢者でもかんたんです。さらに、キット洗浄をはじめとする日々のメンテナンスも驚くほどかんたん。シリコン弁ではなく洗浄しやすいポリプロピレンを使用しているのも大きな特徴です。
据え置き型ながら専用のキャリングバッグも付いていて、持ち運びはもちろん収納にも便利。喘息発作の対策として購入する人が多く、「これ1台あれば安心できる」と信頼を寄せる声が多いネブライザーです。
身体の防御機能の最前線である鼻や喉にとって乾燥や冷気は大敵。不調を感じたら、スチーム吸入器を使った“温めて潤す”ケアが効果的です。
家庭用のスチーム吸入器としては珍しい超音波温熱式。超音波振動で水分を霧状にするため、生理食塩水にも対応しているのが大きな特長です。生理食塩水なら、水道水と違って吸入時に刺激でむせてしまうこともありません。
約43℃・5マイクロメートルというとても細かいスチームで、喉や鼻の奥にしっかり届いて加温・加湿。「症状が改善された」とその効果を実感する人が多く、慢性的な鼻炎や咳に悩む人に支持されているスチーム吸入器です。
他にも、吸入口の角度が変えられる付属ノズル、クイックスタート、省エネ設計、静音性など、吸入しやすさとユーザー目線にこだわった商品設計が人気の秘密。ぜひ、耳鼻科レベルのスチーム吸入を味わってみてください。
生活家電でお馴染みのパナソニックが販売するスチーム式の吸入器です。喉や鼻の状態に合わせて使える「のどイガイガモード」「はなムズムズモード」「はなづまりモード」の3つのモードを搭載しています。
3つのモードの切り替えはワンタッチでかんたん。モードによって粒子の大きさが異なるスチームが発生します。さらにスチーム量やスチーム温度、本体の高さを使う人に合わせて変えることができ、まさに家族で使える1台となっています。
吸入マスクは取り外して水洗いが可能で、収納カバー付きで清潔に保管することができます。水道水しか使うことはできませんが、コットンに染みこませたアロマオイルを使って、香りの効果を取り入れているユーザーもいるそうですよ。
塗る風邪薬「ヴイックスヴェポラッブ」で有名なヴィックス社と、加湿器メーカーであるカズ社が共同開発したスチーム吸入器です。まるでお風呂に入っているかのような、優しくて温かいスチームが高く評価されています。
水を入れてスイッチを押すだけなので、高齢者や子どもでもかんたんに操作ができます。吸入口が大きいので鼻と喉を同時に潤すことができ、喉のイガイガや鼻水・鼻づまりなど不快な症状の改善、風邪・インフルエンザ予防に期待大!
海外製品で不安に感じる人もいるかもしれませんが、医療器具として認証を受けている商品なので品質も安心。愛用している人の中には、「ヴイックスヴェポラッブ」を鼻の下や喉に塗ってスチームを吸入する人もいるとか。
喉専用の携帯型スチーム吸入器です。男女を問わないシンプルなデザインで、バッグや化粧ポーチにスッポリおさまるコンパクトサイズが嬉しい1台。持ち運びを想定してフタが付いていて、衛生面でも安心して使用できます。
噴霧時間は満水時で約3分と少し短く感じるかもしれませんが、外出先で使用することを考えれば十分。約40マイクロメートルのミストが喉の奥までしっかり届いて潤し、喉のイガイガや痛みなど不快な症状を改善してくれます。
気になったときにすぐに使える点が好評で、職場での休憩時間や会議の合間などに職場で利用している人も多いそう。乾燥が気になる冬場の外出や、出張や旅行へも携帯できる手軽さで、忙しい人にこそ使ってほしいスチーム吸入器です。
喘息発作はいつ起こるかわかりません。発作が起こったときに応急処置ができる家庭用吸入器があれば、本人も家族も安心して過ごすことができます。
喘息治療用の薬剤が使用できる、おすすめ吸入器3種類をチェックしていきましょう。
コンプレッサー式は使用できる薬剤も多く、喘息治療用としてよく使われますが、大型で持ち運びしづらい点が欠点でした。ところが、こちらのネブライザーは手のひらサイズで軽量、コンパクト設計で使い勝手が抜群です。
小型化されているものの、オムロンの旧モデルに比べて噴霧量は20%アップの0.3mL/分と十分。さらに、コンプレッサー式とは思えないほど動作音が静かで振動が少なく、「寝ている子どもに使っても起きなかった」との声もあるほどです。
子どもが少しでも楽しく吸入治療ができるよう、取り替え可能なゾウとウサギのキッズアクセサリが付いています。性能もさることながら持ち運びできる点を評価する声が多く、体調を崩しがちな子どもとの旅行にも持っていけると好評です。
100年以上の歴史を持つドイツのPARI社製の吸入器。喘息や慢性気管支炎など下気道疾患の吸入治療として病院でも使われているもので、その製品を家庭用として購入することができます。
PARI社独自の「LCスプリントネブライザー」を採用。喘息やアレルギーに効果ありとされる小さい粒子(5マイクロメートル以下)が効率よく発生するので、吸入時間も短くて済みます。
また、小児用ソフトマスクが付いているので、マウスピースの使用が難しい子どもでも安心。ボタン1つで噴霧状態の切り替えもでき、自分のペースで吸入治療を行うことができます。
コンプレッサー式特有の動作音が気になるという人もいますが、それ以上に性能の良さで高い評価を得ている吸入器です。
ぜひ比較ポイントをチェックしてみてください。ほかの製品と比べてみるとよくわかりますが、パワー・噴霧量ともに群を抜いている本格的な吸入器です。本体にはタイマーが付いていて、30分までの連続使用が可能となっています。
付属している「少量霧化キャップセット」は2種類。大カップなら20mL以下、小カップなら5mL以下という量の薬剤でも効率よくスチームを発生させてくれます。スイッチオンですぐに噴霧が始まるところもメリットの1つですね。
実はこちらの製品、動物病院でもすすめられていて、ペットの呼吸器系の疾患治療用に購入している人が多くいるのも特徴の1つ。人間用ではありますが、身体の小さなペットにも安心して使える性能の高さがうかがえますね。
外出先で鼻がムズムズ、喉がイガイガ。そんな経験はありませんか。不快な症状はすぐにでもすっきりさせたい人におすすめしたいのが、携帯できるコンパクトな吸入器。ここでは、性能も申し分なしの2種類を紹介します。
「とにかく静か」と静音性を評価するユーザーが多く、周囲に気兼ねなく使用することができます。使用できる薬剤が限られるメッシュ式ですが、喘息とCOPDの薬剤に対応しているので、外出先での急な喘息発作にも安心です。
超音波の振動を利用したメッシュ式で、確実に肺まで届けます。本体を傾けても吸入が可能で、赤ちゃんや寝ている人に使用できるところもいいですね。
さらにお手入れもかんたん。薬剤ボトルやメッシュは取り外して煮沸消毒できるので、衛生的にも安心です。コンパクトなボディにしっかり性能を詰め込んだ吸入器、おすすめですよ!
ちょうど大人の手のひらに乗るコンパクトサイズ。重さもたった48gと、子どもでも楽々操作できる大きさになっています。携帯ポーチと収納ケースが付いていて、外出時や旅行に気軽に持ち運びできるのでとても便利です。
小型ながら性能は本格的で、約5マイクロメートルの小さな薬剤粒子のスチームを発生させることができます。マウスピースが苦手な人や子どもでも使えるようにマスクも付いていて、吸入方法が選べる点も評価されているそう。
動作音がほとんどないので、テレビや音楽を邪魔することもなく、寝ている赤ちゃんに使っても起こすことはありません。また、部品が少なくメンテナンスしやすいのも嬉しいポイント。とても使い勝手のいい吸入器です。
耳鼻科など医療機関で治療の一環として使われている吸入器。
使い方や取り扱いが難しいイメージもあるだけに、気になる疑問は購入前にしっかり解決しておきましょう。
最大限の効果を引き出すには、「適切な機器を選び、適切な薬剤を使用し、正しい使い方をする」これに勝るものはありません。
喘息など吸入療法として使用する場合には、主治医に相談して自分の用途や目的にあったネブライザーを教えてもらいましょう。そして自己流で使用するのではなく、説明書に書かれたとおりに正しく使用することが大切です。
体液と同じ浸透圧の生理食塩水を使うことで、吸入時の刺激が軽減されます。水道水を使ってむせてしまったり、ツンとした痛みを感じる人は、生理食塩水を使ってみることをおすすめします。
ただし、生理食塩水の使用が禁止されている吸入器もありますので、使用前によく確認しましょう。
乾燥やほこり、花粉などによる鼻や喉の不快感はとってもつらいもの。今回は、なんとかしたい鼻や喉のつらい症状を改善してくれるおすすめの吸入器について紹介してきました。
家庭用とはいえ本格的な性能を備え、耳鼻科で受けられるような吸入療法が可能な機器が揃っていることに驚いた人もいるのではないでしょうか。携帯できるコンパクトなものもあり、ますます身近なものになっています。
喘息など呼吸器系の疾患の有無、花粉症やアレルギーの有無にかかわらず、鼻や喉を日常的にケアすることは自分の健康を守ることに繋がります。今回お届けした情報を参考に、自分に合った吸入器を選んでみてください。
まずは気軽に風邪予防から始めてみましょう!