京都造形芸術大(京都市左京区)が名称を「京都芸術大」に変更すると大きな混乱を招くとして、京都市立芸術大(同市西京区)は2日、造形芸大を運営する学校法人瓜生山(うりゅうやま)学園に対し、新名称を使用しないよう求める訴訟を大阪地裁に起こした。「本学は京都芸大などの略称を使用し、京都芸術大の名称でも親しまれている」とし、不正競争防止法が禁じる不正競争行為にあたるなどと主張している。
造形芸大は開学30年記念事業の一環で来年4月に名称変更することを決め、先月27日に文部科学省に届け出た。幅広い芸術教育・研究に取り組むことをアピールするのが狙いで、略称は「瓜芸(うりげい)」「KUA」とし、市立芸大の略称の「京都芸大」「京芸」は使わないと説明している。
名称変更の情報を事前に得た市立芸大は7月11日に防衛策として大学の略称の商標登録を特許庁に申請。翌日、造形芸大から説明を受けた際に変更中止を求めていた。造形芸大が名称変更を発表した翌日の先月28日には、門川大作市長が「再考を望む」とのコメントを出していた。
提訴について、市立芸大は「来年度入試が近く、新名称が使用されるのは必至で、迅速な対応が必要と考えて知財専門部がある大阪地裁に訴えた」と説明。造形芸大との協議は続け、名称変更が取り下げられれば訴訟も取り下げるとしている。
造形芸大は2日、「訴状を受領しておらず、請求や主張の内容は分からないが、本学としては法的にも一切問題はないと考え、粛々と対応していく」とのコメントをホームページで発表した。
造形芸大は1977年に「京都芸術短期大」として開学。91年に4年制を開設し、2000年に短大と統合した。通信教育部も含む17学科と大学院に約1万1300人(今年5月現在)の学生が在籍し、4年制の芸術系大学では国内最多。
一方、市立芸大は1880年に日本で初めて開設された公立の絵画専門学校「京都府画学校」が前身。1950年に京都市立美術大になり、69年に市立音楽短期大と統合して市立芸大になった。今年5月現在の学生数は大学院も含め約1000人。【菅沼舞】