女の湯、雨降り…珍名バス停が多い西東京バス
文字や佇まいまでもディープな西東京バスの停留所
東京といえば、言わずと知れた大都会。人も家も車も何もかもが多く、密集しています。

でも、西の方に進んでいくと、本当にここも同じ「東京都」なのかー? としみじみしちゃうくらい、緑が多く、のんびりとした山村が広がっています。
そんな東京西部から山梨県にわたる地域の、人々の足として働いている西東京バスには、ちょっと変わった名前のバス停が多いのです。なぜか。

「夕焼小焼」は、八王子市の中心街から陣場高原に向けて進む途中、恩方地区にあります。童謡「夕焼け小焼け」を作詞した、中村雨紅の出身地なのだそうで。
ここからぐっと奥多摩方面に進みます。
電車の終点奥多摩駅よりもさらに先に進んでいくと「女の湯」があらわれます。残念ながら「おんなゆ」とは関係なく、読み方も「めのゆ」。すぐ隣に温泉の源泉はあるのですけれど。

国道からそれ、道がぐっと細くなり、こんな生活道路にバスが走るのかー、と感心していると見えてきました「雲風呂」。このあたりには温泉があり、民宿なども多くあることが理由なのでしょうか? そういえば、ちょっと離れるけれど「金風呂」なんて名前のバス停もあります。
そこからさらに奥に進むと「雨降り」。
そのお隣は「下り」。
ごくごく普通のおうちが数件並んでいるだけです。とりたてて変わったところなど、ありません。
でも、どうしてココがそんな名前になったのか……、と考えはじめると、にわかに普通の家並みが、歴史の生き証人のような顔を見せ始めます。
や、まあ、結局はショセン素人考えで、よくわかんないのですが。

国道まで一旦戻り、再び山梨方面に進み、県境を越えてちょっと進むと「お祭」があります。

なんというか、そのまんまです。きっと、お祭りがあるのでしょう。想像の中でどんどん神秘的に魅力的にふくらんでいきます。

今日もバスは、変わった名前のバス停を結んで、人々の生活を支えて走り続けていることでしょう。いつか、「お祭」のお祭りを見に行きたい。(谷和原のぞみ/お気楽ステーション)