『銀の匙』や『アルスラーン戦記』で活躍中の荒川弘先生の代表作。それはやはり『鋼の錬金術師』でしょう。
錬金術の存在する世界を舞台とした、いわゆるダークファンタジーな世界観ながらも、内容は重くなりすぎず『ハガレン』の略称で親しまれる名作です。この『ハガレン』の主人公・エドの協力者であるロイ・マスタング大佐(彼も主人公に並ぶ人気キャラクターです)の部下が、今回ご紹介させていただく「ジャン・ハボック」少尉です。

⇒ジャン・ハボックとは?(鋼の錬金術師シリーズ)
http://www.charapedia.jp/character/info/5163/

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■適度に「ちょっと悪そう」

 金髪、タレ目、咥え煙草のイケメン。頭脳労働よりも肉体労働が得意で、良く“好青年”と紹介されています。
そしてどこか“のらりくらり”とした性格。上官であるマスタング大佐に軽口を叩いたり、また別の上官をおっさん呼ばわりしたり・・・。あまり上司たちからの評判は良くないようです。しかし、逆に部下からの人気は非常に高く、年下であるエドにも「鋼の大将」と気さくに呼びかけるなど、面倒見の良いところもポイント。あと、おっぱいが大好きです。

■でも真面目

 そうです、彼は真面目なのです。
まず、軍に入った理由は「内乱の近くで育ったため、自分でどうにかしたいと思った」から。それを語っている時の表情も、まるで世間話でもするかのように爽やかであっけらかんとしており、またそこが良いのです。

 そして、上司からの評判は良くなくとも、軍人としてはかなり模範的で優秀です。マスタング大佐の部下たちの中でも、銃の名手「ホークアイ」中尉に次ぐ武闘派。また、入院した際に同期の「ブレダ」からハンドグリップを差し入れされ、「もっといいモン寄越せよ!」と言いながらも、病院のベッドで真面目にトレーニング。

 真面目さの極めつけはやはり、豊満なバストを持つ美女「ラスト」に探りを入れられた際にも、重要な事は何一つ話さず公私を徹底的に区別します。
そういった一面も彼の魅力のひとつ。おっぱい大好きなのに・・・。偉い。

■そして・・・運がない!

 この方、とことん運がありません。そもそも野心家のマスタング大佐の部下という時点で既に敵が多い。加えてエドたちの事情に巻き込まれてるのも不運(関係ないのに)。
しかし、そこに決して文句言わないところも素敵。

 そして何より女運が悪い。ハボックさんは、デートの時には邪魔にならない程度の小さな花束を持っていき、彼女の前では煙草は消します。女性の手首のタグを切る時は一声掛ける、非常に女性に親切で紳士的な男です。にも関わらず、「中央に移動になった」という理由で彼女にフラれ、その後お見合いをした女性には「タイプじゃない」とフラれ、新しくできた彼女には騙されてエラい目に・・・。この人絶対モテるのになぜこんな事になるのでしょう・・・。
とても可哀想ではありますが、彼を好きな女性はきっと、彼の“そういうところ”が好きなのです。頑張れ「ハボック」さん。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:ぺぺ(キャラペディア公式ライター)