ドラマ『あなたの番です‐反撃編‐』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)の最終話は、次々と謎が明かされる展開にオンエア中から「#あなたの番です」がツイッターのトレンド1位になるなど大きな盛り上がりを見せた。“黒幕”であることが明かされ、最終話のキャラ変ぶりでネット上を騒がせた西野七瀬演じる“黒島ちゃん”が、ドラマを通じて犯してきた“凶行”の数々を振り返ってみたい。


【写真】黒島ちゃんの高校生時代が、西野七瀬が過去に演じた映画のキャラに「そっくり」と話題に

■“殺人衝動”が抑えられず赤池夫婦を殺害

 住人同士による交換殺人ゲームで、黒島はDV彼氏・波止陽樹(水石亜飛夢)の名前を書いたところ、田宮(生瀬勝久)が彼を殺害。そこから“次は自分の番だ”と殺人衝動が抑えられなくなった彼女は、自身が引いた紙に書かれてあった赤池美里(峯村リエ)の殺害を実行へ移す。黒島は赤池幸子(大方斐紗子)の誕生日パーティーが開かれている赤池宅に侵入し、誕生日ケーキのロウソクの火が消え、部屋が暗くなった隙に美里と夫・吾郎(徳井優)に笑気ガスを吸わせた上で、ナイフで首をかっ切って殺害。これが彼女の第一の犯行となった。翔太(田中圭)から幸子を殺さなかった理由を問われた黒島は「まぁ、ほっといてももうすぐ死ぬ老人、殺すのってヒドくないですか?」と笑顔で語り、その倒錯した殺人者の心象をあらわにした。

■“仲間がほしい”児島を後ろから絞殺

 そんな彼女は“(殺人の)仲間がほしい”という気持ちから交換殺人ゲームを進めていくことを決意。
第二のターゲットとして、自分の紙に名前の書かれていた児島佳世(片岡礼子)に狙いを定める。黒島は児島が北川澄香(真飛聖)と揉めていたことにつけこんで夫不在の児島宅へ。黒島は児島に“リラックスするアロマガスです”と嘘をつき笑気ガスを吸わせるとそのまま絞殺。ストーカー男こと同郷の内山(大内田悠平)に遺体の処理をさせたのだった。

■遺体が笑っている理由

 交換殺人ゲームで“赤池美里”の名前を書いた浮田啓輔(田中要次)は、赤池夫妻の死の背後に黒島の存在をかぎ取ったことから第三の殺人のターゲットにされてしまう。彼女は浮田に笑気ガスを吸わせると、首にワイヤー巻きつけ、自身の背中に背負って首を締めて殺害。
ゲーム外の殺人を犯してしまった彼女は、ゲームの殺人も進行させるため、田宮が紙に書いた甲野貴文(鈴木勝大)を内山に殺させる。甲野がほかの遺体と同様に笑っていなかったのは、実行した内山のミス。これについて黒島は「“遺族は悲しむんだから、せめて笑顔にしておいてね”って散々言ったんですけどね」と悪びれる様子もなく言い放つ。

■菜奈ちゃん殺害は翔太の隣で行われた

 黒島は菜奈(原田知世)殺害についても翔太の前で告白。菜奈が一連の犯行のカラクリに気づき始めたことを察知した黒島は、翔太の病室で眠っていた菜奈と昏睡状態の翔太に、それぞれ塩化カリウムの点滴を刺す。そして菜奈自身の判断により、黒島は彼女へ塩化カリウムを注入。
最後に笑気ガスを吸わせて殺害する。この際に、6月23日に放送された特別編のラストで翔太が見ることになる“死の直前の菜奈”の動画が黒島によって撮影されていた。■「ブッルでーーす!」内山は毒矢で殺害

 彼女はさらに「ブッルでーーす!」の雄叫びでネットを震かんさせた内山の死にも関与。「沙和さんの罪、全部かぶれるようにしておくよ…」と申し出てきた内山に対して、黒島は彼の胸に突き刺さることになるダーツの矢に毒を塗って殺害している。

■はっきりとは説明されなかった南の娘殺害の真相

 さらに最終話では彼女の関与を思わせる過去の罪も発覚。黒島の部屋に踏み込んだ警察が殺人に関するさまざまな証拠品を見つける中、強引に部屋に入ってきた南雅和(田中哲司)が殺された娘の片方の靴を発見。
この事件は高知で発生しており、黒島も高知出身であることから、彼女の関与が予想される。

■黒島、殺人の動機「好きなの! 人を殺すことが!」

 過去から現在にかけて数多の命を奪ってきた黒島の動機は身勝手で独善的なもの。激高した翔太の「お前は何がしたいんだ!」という怒りの叫びに対して、彼女は「もっともっと人を殺したくて…でもダメなコトっていうのはわかってるんで、誰か止めてっていう…」とあっけらかんと返答。さらに彼女は自身の衝動について「好きなの! 人を殺すことが! 止められないの!」と打ち明けると「誰かを殺すことを考えると身体の奥の方から力が湧いてくる!」と告白する。

 以上が、黒島の関与した事件の全容なのだが、最終話の終盤では彼女が赤池幸子の孫であることが判明。さらにラストシーンで仲良く鍋をつつく翔太と二階堂(横浜流星)の元に、幸子が乗っていた車椅子が無人の状態でやってきたり、幸子がビルの屋上から転落する様子などが描かれた。
物語は一旦の終局を迎えたものの、交換殺人ゲームに端を発するおぞましい殺人の連鎖は止まっていない模様。壮大な物語の本当の結末が、今後描かれることはあるのか、今から期待せずにはいられない。(文:スズキヒロシ)