大みそか『第69回NHK紅白歌合戦』の裏で、テレビ朝日よゐこが出演する『無人島0円生活』(午後6時~深夜0時30分)を放送する。『紅白』の裏では、『ダウンタウンガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけない』シリーズ(日本テレビ系)が8年連続で民放トップの座を独走しているが、同番組に風穴を開けられるか注目される。



 テレ朝は昨年まで、大みそかの夜に4年連続で『くりぃむVS林修! 年越しクイズサバイバー』をオンエアした。しかし、視聴率は振るわず、昨年は第1部(午後6時~7時)の6.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)が最高。『紅白』と重なった時間帯では、第2部(午後7時~9時)の5.2%が最高で、日テレには遠く及ばなかった。

『無人島0円生活』は、2004年7月に『いきなり!黄金生活。』内でスタート。07年には『よゐこの無人島0円生活』として、大みそかのゴールデン・プライム帯で放送され、11.8%と2ケタに乗せた実績がある。
大みそかにオンエアされたのは、その1回のみで、昨年は12月29日に放送された。

 同番組は、よゐこの濱口優有野晋哉とゲストが、無人島で2泊3日のサバイバルバトルを繰り広げる内容。今年のよゐこの対戦者は、昨年末、よゐこに勝利した“破天荒ディレクター”ナスDこと友寄隆英、女子レスリングの吉田沙保里とお笑いコンビブリリアンがタッグを組んだ「吉田沙保里 with B」チーム。当日は、よゐこ、同局・田畑祐一アナが無人島から、「ナスDの大冒険YouTube版」を通じて、番組を生解説する。

 民放の大みそかの夜は、かつては『Dynamite!!』(TBS系)、『PRIDE』(フジテレビ系)といった格闘技番組が健闘した時期もあったが、格闘技ブームは終焉。日テレの『ガキ使 絶対に笑ってはいけない』シリーズが独走する状態が長く続いており、低視聴率が続くテレ朝としては、なんとか一矢報いたいところ。


 今年の各局のラインナップは、日テレが『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時!』、昨年民放2位に躍進したテレビ東京は『第51回年忘れにっぽんの歌』『孤独のグルメ 2018大晦日スペシャル(仮)』、TBSは『平成最後の大晦日スペシャル!SASUKE2018&ボクシング井岡一翔世界タイトルマッチ』、フジは『RIZIN.14』をオンエア。視聴率が低迷していたテレ朝とTBSは番組を一新した。

「『ガキ使』は昨年、第1部(午後6時30分~9時)で17.3%、第2部(午後9時~深夜0時30分)で16.3%と高い数字をマークしており、これに勝つのは容易なことではありませんが、そのほかの4局がどこまで食い込むかが注目されます。新たにスタートする番組と違って、『無人島0円生活』は一定の実績があるだけに2ケタも十分狙えるでしょう。ただ、主役のよゐこより、やはり“ナスD頼み”になるでしょうね。ナスDは昨年放送開始した『陸海空 地球征服するなんて』(旧タイトル『陸海空 こんな時間に地球征服するなんて』)でのアマゾンの部族潜入取材における破天荒ぶりで大ブレーク。
昨年末の『無人島0円生活』でのサバイバル生活では、鮮烈なインパクトを残し、濱口に圧巻の勝利を収めました。今年もよゐこより、ナスDがどこまで奮闘するかに視聴者の興味は向くでしょうね」(テレビ誌関係者)

 制作側としては、タレントより、本来裏方のディレクターに期待しなければならないというのは、不本意ではあるだろうが、数字のためなら、背に腹は代えられないだろう。ナスDの変わらぬ破天荒なサバイバル生活に注目だ。

(文=田中七男)