女優の吉高由里子が主演を務めるドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)は、「必ず定時で帰る」というモットーを貫く独身OLの物語。

しかし、彼女が所属する大手芸能事務所「アミューズ」は、労働基準監督署から上限を超える時間外労働、残業をさせたなどとして是正勧告を受けたのだから皮肉なものだ。

 徹夜が当たり前だったテレビ業界も「働き方改革」が進められているが、その弊害が浮き彫りになりつつあるという。

「局員が休みを取れるように、あるテレビ局ではゴールデンウィークの会議を禁止。しかし、そのために会議や納期が前倒しとなったり、制作期間がタイトになったりして、下請けの制作会社スタッフの長時間労働を誘発する矛盾が起きています。また、撮影期間が短くなるわけではないので日数は余計にかかる。結果、どの局もコスパのいい安直な企画ばかりやるようになり、テレビがどんどんつまらなくなるという悪循環を生んでいます」(テレビ関係者)

 こうした働き方改革の影響をモロに浴びたのが、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』だという。


「第6話で大河史上最速で視聴率が1ケタに転落。すぐにでもテコ入れが必要な状況でした。しかし、働き方改革を推進させたことでスケジュールが前倒しになっており、脚本は第37話まで完成、編集も18話まで終わってしまっていた。手を打てるのが物語の後半になってしまうことで、NHKは早々にテコ入れをあきらめ、来年の大河ドラマ『麒麟がくる』のプッシュを優先させています」(同)

 結果、4月28日に放送された『いだてん』第16話の視聴率は7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と大河史上ワーストを記録することに。

 ますますテレビ離れが加速していきそうだ。