飛行機に乗ったことのある人なら、世界中の空港にはそれぞれ、アルファベット3文字のコードがそれぞれ与えられているのをご存知ですよね。例えば、羽田空港だと「HND」、最近できた中部国際空港だと「NGO」。
このコードはスリーレターコードといって、国際航空運送協会(IATA)によって定められている。

このスリーレターコード、どんなアルファベット配列にするかというところで、色々と水面下の争いがあるようだ。どの空港も、空港名に即したわかりやすいコードを選びたいわけだが、コードは早い者勝ち。必ずしもベストなコードをもらえるわけではない。

例えば、1994年にできた関西国際空港のコードは「KIX」だが、もともとは空港の英語名である「Kansai International Airport」の頭文字を取って「KIA」としたかったのだそうだ。ところが「KIA」はすでに、パプアニューギニアのカイアピット(Kaiapit)空港が取得しており、しかもKIに続くアルファベットは「I」と「X」の2つしか残されていなかった。
そのため、「キックス」と発音しやすい「KIX」とした、という経緯があるのだとか。

また、空港コードにまつわる謎のひとつとして、「カナダにある空港は、Yからはじまるものがやたら多い」というものがある。例えばエドモントン国際空港は「YED」、バンクーバー国際空港は「YVR」など。これは、カナダの空港は比較的新しいものが多く、新しく空港コードを取得する際、「Y」ではじまるコードが最も空きが多かったため、「Yといえばカナダ」とわかりやすく覚えてもらえるようにしたため、という噂がある。空港コードの裏に歴史あり、なのである。

ところでこの空港コード、理論的には26×26×26=17576個の配列が存在する。
一方で、世界にはたくさんの空港があり、日々増え続けているらしい。もしこのまま空港が増え続けたら、空港コードが足りましぇん! といった事態になったりしないだろうか。心配になって調べてみた。

調査の結果、(財)日本航空機開発協会が公開しているレポートに、世界の空港数が記載されていた。それによると、2007年における世界の空港の総数は、8728なのだそうだ。

ということで、世界には、17576-8728=8848個の空港を新しく作れる余地がある。
2倍になってもギリギリ大丈夫なので、ひとまず安心である。
(珍満軒/studio woofoo)