すっごくどうでもいい話なんですがこのガイドブックのタイトルってエヴァっぽいですよね。
「魔法少女まどか☆マギカ 公式ガイドブック you are not alone.」が発売されました。

昨今は深夜みんなが寝静まっている時間帯のアニメが驚きのヒットを飛ばすようになりまして、自分のようなアニメオタクですらもびっくりしているわけで。特に最近だと「アニメとかは普段あんまり見ないけど、話題になってたのでまどか☆マギカ見たよ」という人が多いからびっくりだわ!「けいおん!」の時もそうでしたが、ローソンのフェアで絵を見かけるたびにドキッとしますよ。
とはいえ「公式ガイドブック」を買うとなるとちとハードルが上がります。安いものじゃないですし、サイズもでかい(A4版)。ただ、この本は非常に結論からいうと、この手のガイドブック本としては出来がいいです。
見ている人のタイプ別にちょっとプッシュしてみようと思います。

 
A・アニメは見たけどガイドブックにお金払うのはちょっとなあ……という方
B・値段などの兼ね合いで迷っている方
C・難しいこといいからかわいいまどかさんを見せろよ! という方
D・大ファンですからBDや今までのインタビューの載っている雑誌も当然買ってますよという方

Aタイプ、アニメのガイドブックを買ったことのない方へ。
アニメのガイドブックは基本サイズがA4やB5とでかいので、買うのに躊躇するかもしれません。
こういうガイドブック形式買ったこと無い方の方がほとんどだと思いますが、今回はぜひそういう人にこそオススメしたい本になっています。
画集として、まどか達の活躍を振り返るにも十二分に面白いだけのボリュームはありますが、この手のガイドブックの醍醐味は「あのシーンは何故こうだったのか」という演出の解説や、ファン目線ではなく作り手目線から見た別角度の作品の見方が最大の魅力。
たとえば。杏子の持っている槍はなぜ多節棍になったの? 実際に演じた声優さんたちはどのキャラが好きなの? 監督や脚本の人たちはどういう意図でこの作品を作ったの?
何も考えず見ても「まどか☆マギカ」は驚きと面白さに満ちたエンタテインメントアニメですが、この本は新しい切り口からまどかの魅力に迫るポイントをしっかり押さえています。

ぜひ読んでみてください。きっと新しい発見で3倍は楽しめるはずです。

Bタイプ、迷い中の方へ。
ガイドブックには「求めていたものと違う……」という当たりと外れがありますが、このガイドブックは多くの人にとって当たりのはず。
キャラ紹介やアニメダイジェストはしっかりおさえつつ、かゆいところに手が届く、こちらの欲しい情報的な需要を満たしてくれる一冊になっているからです。
おそらく一番多くの方が気になっているのは劇団イヌカレー制作の魔女空間設定だと思います。

劇団イヌカレーの作った世界観には多くのページが割かれていて、かなりの設定を読むことができます。未発表のテストイメージなどもあり、これだけで元がとれた気持ちになれますよ!
主要なスタッフは、ほぼインタビューで網羅されています。
作り手側からの視点と、ファンの求めているものを相当に意識して作られた一冊。迷っているならすぐ手に取ろう。

Cタイプ、かわいい絵が見たいよ! という方
難しい話よりもまどっちやほむほむの絵見せろよ! という方へ。
ご安心ください! 前半に様々なアニメ雑誌や媒体で公開された版権絵がずらり大量に掲載されています。

さすがにアニメグラビア雑誌(メガミマガジン・娘typeなど)についているおまけポスターや抱きまくら等のグッズ絵は掲載されていませんが、それ以外はかなり網羅されています。
個人的には水着メガほむ(※めがねをかけた10話のほむら)たちがスイカ割のかわりにキュゥべえを埋めている絵が好きですね。
中にはショップ特典の全巻購入特典や、シュタインズゲートとのコラボイラストも。
作中のカットも大量に掲載。エンドカードももちろん載っています。
もっと見たいんだよ! という方はムービックから出ている「魔法少女まどか☆マギカ 設定資料集」か、Dタイプで後述する「魔法少女まどか☆マギカ プロダクションノート」を強く激しくオススメします。

ちなみにぼくはさやかちゃん派です。

Dタイプ、BDも関連雑誌も全部網羅済みさ! という方
おそらくこのタイプの方は当然のようにこの本も買っていると思いますので、ちょっと比較感想などを。
基本的に新房昭之監督や虚淵玄などのインタビューは、他のメディアのインタビューで出ている内容とかぶるものが多いため強烈に目新しい話題はないです。逆に言えば今まであちこちの雑誌で取られていたインタビューのポイントの総集編のようになっているので、資料的価値は高いでしょう。
加えて、声優さんたちのインタビューと監督たちのインタビューが同時に並んでいる、というのは地味に面白い。というのもお互いがどういう風に感じ、距離感を持ってこの作品を作ったかが浮かび上がるからです。
まどか役の悠木碧さんへの、監督のリクエストが個人的には非常に印象的。そうか……大事だ。
音楽の梶浦由記、音響監督鶴岡陽太などのインタビューはかなり雄弁に語っているので、音楽面・SE面に興味がある人は読み込んでおくと、次見る時「耳」に意識が行くはず。
一番面白いのはおそらく新房昭之監督・脚本虚淵玄・キャラ原案蒼樹うめ・シャフト代表久保田光俊・プロデューサー岩上敦宏の座談会と、エピソードコメンタリー。ここは総ざらい+ぶっちゃけトークが多いので、他のインタビューと比較しながら必見。飲み屋トークのノリでけーっこうぶっちゃけてます。
貴重なのは劇団イヌカレーインタビュー。他の雑誌でもあまり多くは語らない人たちなだけに、作品に関してきちんと語りながら、相手をけむにまくような面白さも出ているので貴重な記事です。
このガイドブックが他の本と一線を画しているのは、やはり劇団イヌカレー特集部分でしょう。かなりの分量の設定資料と実際のグラフィックが掲載されています。コメントがついているのもこの本だけ。貴重です。

でも、もっと見たい! という人は多いはず。なんせ設定資料つめ込むだけ詰め込んでいるので絵は小さいのです。
そんな人のために力強くオススメしたいのが「魔法少女まどか☆マギカ プロダクションノート」です。
設定資料と劇団イヌカレーイメージノートの二冊組で構成されている本で、総計500ページ近いとんでもない分量になっています。特に劇団イヌカレーイメージノートは、でかいサイズの本で大きく元絵が掲載されているため、読んでいて右脳がどこかに行ってしまいそうな快感を得られるはず。
アニメの設定資料の方も、細かな指定の書き込みもそのまま残されています。アニメーションとしてかなり異質な絵作りをしている「まどか☆マギカ」、なぜ異質感を感じるのかの秘密が設定資料を読むとわかります。線の引き方やキャラクターの描き方ひとつひとつがどのように指定され統一されているか、アニメ制作の裏側を見ることができるのです。
加えてこの本、装幀デザインがミルキィ・イソベ。80年代から特殊装幀や尖ったデザインを手がける人で、今もアートブック(本そのものが作品になっている本)などを制作しています。今回のプロダクションノートも非常にデザインが凝っており、制作スタッフになって見ているような感覚になる本のデザイン、ほむらの盾型の型抜きボックス(覗くと中にまどかが見える!)と、この本自体がコレクションになるアイテム。
ぜひ手に入れて欲しい! と言いたいのですが、今現在予約殺到しすぎたため予約締切の店多数。二次予約が開始しており、品切れ必須の商品なので、これはほんとに急いでチェック!!
とりあえず発売は9月30日です。(二次予約分は10月以降になります)
 
番外編・まだまだ「まどか☆マギカ」を楽しみたい人へ。
BDも全部出たし、決定版のプロダクションノートも出るし……でももっと「魔法少女まどか☆マギカ」を楽しみたい! という人多いと思います。
ぼくとか。
しかし公式・非公式に関わらず、今後まだまだ「魔法少女まどか☆マギカ」関連の本は大量に出ます。
今わかっている所だけでも……。
魔法少女まどか☆マギカ アンソロジーコミック (1)
公式アンソロジー。表紙はキャラクターデザインの蒼樹うめ!
成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論
最速のまどか☆マギカオフィシャル評論。
超解読 まどかマギカ
大人たちが集まって好き勝手にまどかを楽しんでいる「超」読解。ぼくも寄稿しています。
魔法少女かずみ☆マギカ ~The innocent malice~ (2)
スピンオフマンガの二巻目。ここから物語が急激に面白くなります。
ユリイカ2011年11月臨時増刊号 総特集=魔法少女まどか☆マギカ 魔法少女に花束を
100人がしゃべり倒す! 「魔法少女まどか☆マギカ」
魔法少女マガジン (別冊オトナアニメ)
などなどなど。
フィギュアもどんどん出ますし、今まで見ていなかった層の人たちも見始めています。まだまだ「まどか☆マギカ」から目が離せない!
(たまごまご)