飼っていたペットが逃げた、目を離したすきにいなくなった。そんなとき、どんな対策を立てるだろうか。


張り紙をする、周辺を探す……いろいろやってみても見つからない時のために“ペット探偵”というものがあるらしい。

この“探偵”、最近生まれたものかと思いきや、この業界自体は25年も前からあるという。
そんなペット探偵をされている、ジャパンロストペットレスキューさんにお話を伺ってみた。

こちらは動物行動学(エソロジー)に基づいて迷子ペットを探し出すペット探偵さん。この方法をざっくりと説明すると……。猫の場合、完全室内飼いであれば半径約50メートル〜300メートル。
自由外出であればテリトリー外と思われるエリアを中心に探す。

犬の場合、小型犬・中型犬・大型犬で異なるものの、周辺環境や地形から最大到達距離を割り出す。そして不明地点を中心にその距離を半径として円で囲うように捜索する。
同時進行で近隣住民への聞き込み、ポスターの制作など第三者への情報提供の呼びかけも行い、わずかな情報も見逃さずチェック。
もちろんスタッフが実際、その足で地域を巡って迷子になったペットを探し出すそうだ。

もしなかなか見つからないときは?
そんな時は過去の同種発見事例を紐解いて、逃走経路まで分析。
徹底的に潜伏先を見つけだす……と、まさに頭脳と足で探し出す、迷子ペット捜索のプロである。
その結果、
「発見効率は猫が約80%、犬が約75%、その他小動物が約70%です」
発見にいたるまでの日数は「1日~1週間」と、なかなかの早さ。
「しかし1カ月後に1件の目撃情報から発見されるケースなどもあります」と、間をあけて見つかるパターンもあるそうだ。

依頼から捜索までの流れを伺ってみると、まずは事前の打ち合わせからスタートする。
ペットの特徴や、どう失踪したのかをヒアリング。そしてペットの写真を使ってのチラシ作成。

価格は猫や小型犬で計3日間77700円。
対象動物は、猫や犬がメインで実際に依頼も猫が約7割、犬が約3割とのことだが、まれにウサギ・小鳥・ヘビなどの依頼もあるという。

現在日本では数千万匹を越えるペットが飼育されている。
そして飼っている数が増えればもちろん、迷子になる数も増えていく。飼っている人からすれば、ペットは家族の一員だ。ジャパンロストペットレスキューさんによると、日に3〜5件ほどの捜索依頼が出されているという。
どれだけしっかりチェックしても“つい”、“うっかり居なくなった”があり得るのがペットの世界。

室内飼いに慣れてしまったペットは、外の世界に出ると長く生きていけないことも多い。行方不明になればすぐ捜索するのが基本中の基本。
もし自分一人の力でなかなか見つけられないときは、こんなプロに捜索依頼をしてみては。
(のなかなおみ)