TIF2015の2日目は、前日と同じくSMILE GARDENでのラジオ体操から始まった。同ステージでのオープニングアクトは、ハロー!プロジェクトからこぶしファクトリーが務めた。
MCはダイノジの二人。大谷ノブ彦がラジオ番組で共演している℃-uteの岡井千聖がいま一番嫉妬するハロ!プロの後輩としてあげていたのがこのグループだと紹介しながら、メンバーが登場。「ラーメン大好き小泉さんの唄」などを披露した。

このあと私は「HOT STAGE」に移ってHKT48のライブを見る。HKTはTIFにはこれで3年連続の出演。48グループにとってTIFはアウェーとの見方もあったが、昨年、そして今年の盛り上がりを見ればそれも払拭されたと言っていい。
何より、開演前から観覧スペースに入る客で行列ができ、公演時間もアンコールまで含めて40分間というTIFでは破格の時間を与えられたことは、主催者・観客の期待の大きさがうかがえる。
アイドリング!!!がいなくなってもTIFは終わらない。TIF2日目レポ
この春に「AKB48グループドラフト会議」で指名されてHKT48に加入した今村麻莉愛(右)を見守る指原莉乃

その期待に応えるように、HKTはMCでも曲でもサービスたっぷりだった。中心となるのはもちろん指原莉乃。去年のTIFでは矢吹奈子・田中美久の「なこみく」を推していた指原だが、今年はさらに若い今村麻莉愛(2003年9月生まれの11歳!)を猛プッシュ。「きょうは日本屈指のロリコンたちが集まってるからね」と客をいじりながらのトーク術は毎度のことながらお見事。曲の途中には、サイン色紙をメンバーが客席に投げるファンサービスも行なわれた。

アイドリング!!!がいなくなってもTIFは終わらない。TIF2日目レポ
ステージからサイン色紙を投げるHKT48の松岡菜摘

カバー曲でおじさんヲタを狙い撃ち?


このほか2日目で印象に残ったアイドルをあげていくと、まずTIF開催の前月にメンバー3人が抜けて2人組となったDorothy Little Happy。HOT STAGEでのライブではダンサー3人がサポートで入っていたが、あいかわらずのダンス力・歌唱力にすっかり魅せられた。
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スカートを舞わせて歌うDorothy Little Happy。左から白戸佳奈と高橋麻里

「ENJOY STUDIO」で見たBELLRING少女ハートは、黒い羽根をつけた衣装といい、粗削りというのか、けっしてうまいとはいえないダンス・歌といい、妙に心をつかまれるものがあった。少なくともあの世界観はほかのアイドルにはないものだろう。

HOT STAGEには午後にもふたたび赴き、武藤彩未9nine夢みるアドレセンスを立て続けに見る。武藤彩未は古巣であるさくら学院に続いて登場しすると、小柄な体でステージ上を駆け回ったり飛び跳ねたり、力いっぱいのパフォーマンスを見せてくれた。

9nineはライブを見るのは3年ぶりぐらいだったため、「ひろろ(村田寛奈)、大きくなったな」とか「うっきー(佐武宇綺)、ますます色っぽくなって」などとつい親戚のおじさんのような目線で見てしまった。


大人っぽくなったと思ったといえば、夢みるアドレセンスもそうだった。金ぴかのスパンコールのドレスからしてアダルト路線を印象づけた。これは新曲の「サマーヌード・アドレセンス」の衣裳だとか。ちなみに同曲は真心ブラザーズの20年前のヒット曲「サマーヌード」のカバー。そういえば、HKTも出演時にはBOOWYの「ONLY YOU」をカバーしていたし、30~40代のアイドルファン層を狙い撃ちしてるのか?

アイドリング!!!最後のTIF


さて、5年前にTOKYO IDOL FESTIVALが始まって以来、このイベントに欠かせない存在だったのがアイドリング!!!だ。そのアイドリング!!!も今年10月いっぱいでメンバー全員が卒業することが決まっている。
つまり、今回が彼女たちにとって最後のTIFだったことになる。

TIFではアイドリング!!!がほかのアイドルとのグループと一緒にステージに立つことも多かった。私が見たなかでいえば、今年も1日目ではあゆみくりかまきのステージに、アイドリング!!!から酒井瞳と河村唯が熊のかぶりものをして乗り込んだり、2日目にはベイビーレイズJAPANとお互いのグループの曲を交換して披露したりと、さまざまなコラボを行なった。ベイビーレイズJAPANとのコラボでは、1期生である外岡えりかと横山ルリカを中心にアイドリング!!!のメンバーがリスペクトされていることがうかがえた。
アイドリング!!!がいなくなってもTIFは終わらない。TIF2日目レポ
バニラビーンズ(左右両端)のステージに乗り込むアイドリング!!!メンバー。乗り込んだひとり、佐藤ミケーラ倭子はこのあとグランドフィナーレでコラボの感想を聞かれ、「カツラをかぶったけど頭がかゆかった」と発言、先輩の河村唯からツッコまれていた

アイドリング!!!がいなくなってもTIFは終わらない。TIF2日目レポ
アイドリング!!!とベイビーレイズJAPANによるコラボ。白い衣裳はアイドリング!!!1期生の外岡えりか(左)と横山ルリカ

そのアイドリング!!!、グランドフィナーレを前にした2日目の夕方には、HOT STAGEにてTIF最後の単独ライブを行なった。結成まもない2007年から09年にかけてライブや番組の公開収録によく行っていた私としては、「百花繚乱アイドリング!!!」など初期の曲がステージで披露されるとやはりグッとくるものがあった。


終演後に登場したMCの濱口優からもう一曲OKとの許しが出たと伝えられ、最後の最後をラストシングル「Cheering You!!!」で締めた。曲が終わってからも、濱口とアイドリング!!!のTIFの思い出話がひとしきり続く。濱口に言わせると、やはり「TIF=アイドリング!!!」と思っていたという。

そのアイドリング!!!が卒業したらTIFも終わってしまうのではないか? そんな憶測も流れていた。だが、HOT STAGEでのグランドフィナーレにおいて濱口優が「来年も(TIFは)絶対やります!」と高らかに宣言し、ステージと客席ともに沸かせた。グランドフィナーレではステージに登場したアイドルたちがこの2日間に各会場で行なったコラボを再演、そしてラストは全員で「職業:アイドル。」を歌う。
これもまたアイドリング!!!の曲。これはもう、TIFの大会歌にすればいいんじゃないか。

グランドフィナーレが終わっても熱気は冷めず、場所をSMAILE GARDENに移して、今年のTIF本当に最後のステージとなる「アイドル・サマージャンボリー・アンコール」が開かれた。そこでもメインとなったのはアイドリング!!!。終了時間の9時を前になぜかB'zの「ウルトラソウル」で締めたのち、メンバーたちは湾岸スタジオへと戻っていった。このとき、スタジオまでの通路沿いに並んだファンからは、TIFの功労者であるアイドリング!!!を讃えて大きな拍手が送られていた。

昨年同様、足にマメができるほど会場を歩き回り、終わったときにはさすがに体はクタクタだったが、それでも妙な達成感があった。その一方で、今年のTIFでは、観客がステージ前方に押し寄せたり肩車したりと一歩間違えば事故になりかねない場面を何度か見かけた。この点は来年以降も存続していくうえで改善すべき課題だろう。というわけで、来年も絶対また来ます!
(近藤正高)