古舘伊知郎が絶好調だ。この春、12年にわたりレギュラーを務めた『報道ステーション』(テレビ朝日系)を卒業後は、数々のバラエティ番組に出演し、水を得た魚のようにマシンガントークを展開している。

さらに10月からは、『人名探究バラエティー古舘伊知郎の日本人のおなまえっ!』(NHK)、『フルタチさん』『トーキングフルーツ』(ともにフジテレビ系)と3つのレギュラー番組を持ち、年度末の『NHK紅白歌合戦』の司会候補にも取りざたされるほどだ。

そんな古舘伊知郎は、1994年から1996年にかけて3年連続で紅白司会を務めている。その中でも、1995年の第46回大会は伝説だ。

浜田雅功×小室哲哉で大ヒットに


この年、ダウンタウンの浜田雅功と小室哲哉によるユニット、Hjungle with t『WOW WOW TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント』が100万枚を超える大ヒットを記録し、紅白に初出場を果たした。もともとは『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP!』(フジテレビ系)の中で生まれた“ネタ曲”でありながら、小室はミリオンを確信していたという。

浜田の出場で気になるのは松本の行方だ。ダウンタウンは前年度の年越しでは、日本テレビ系で『ダウンタウンの裏番組をブッ飛ばせ!!』において野球拳を行っていたが、この年は笑福亭笑瓶とウッチャンナンチャンが司会を務めた。

さらに、フジテレビ系では『ダウンタウンのごっつええ感じ』に出演していた若手芸人による『大みそか! 今田・東野・板尾の鬼のいぬまに天下獲るったるねん』が放送されるも、松本の出演はなかった。

気になる松本人志の行方は?


そして紅白では浜田の出演時間が到来。顔がひきつり、かなり緊張の表情である。曲のクライマックスになると、出演者が一同に介して騒ぐ場面が出現。そこで登場したのは、白塗りの芸者の格好をした松本人志だ。
これには会場は大いに湧いた。
白塗りの芸者姿は、1994年に坂本龍一プロデュースでデビューしたゲイシャガールズの衣装である。「紅白出場はゲイシャガールズのオファーだった!?」というボケを松本は演じたのだ。

このサプライズは浜田にも知らされていなかったようで、のちに『ダウンタウンのガキの使いのあらへんで』(日本テレビ系)のフリートークにおいて松本に「(紅白で俺の顔見えた時)めっちゃ嬉しそうな顔した」と暴露されている。
(下地直輝)