芸人も素人も1200人入り乱れて「おもろいやつ」を決めるガチ大喜利バトルダイナマイト関西2016。主催を務めるバッファロー吾郎のお二人へのインタビュー後編です。
今回初めて行ったニコニコ生放送での配信や、「大喜利がうまくなりたい」という相談にも答えてもらいました。(前編はこちら)
準決勝はオールナイト。どうかしている大喜利異種格闘技戦「ダイナマイト関西2016」を更に追求
バッファロー吾郎
バッファロー吾郎A(左)、竹若元博(右)により1989年10月に結成。NSC8期生。2008年に『キングオブコント』初代王者となる。ダイナマイト関西ではバッファロー吾郎Aが「インタレスティングプロデューサー」として大会を統括。昨年、竹若は職人並のDIYで建てた自宅が話題となった。

ニコ生だと「空気」が伝わらない



──今回、ダイナマイト関西では初めてニコニコ生放送でプレ予選から決勝までを生配信しています。なぜニコ生での配信を決めたのでしょうか?

竹若元博(以下、竹若):6月のプレ予選から12月の決勝戦まで長期間に渡って大会があるので、これはすごいドラマだぞという気持ちがまずありまして。そのドラマを広く伝える術はないかとかなり検討したんです。オープントーナメントという形で開催したという意味もありますから、部分部分を切り取るのではなしに、全体を通じてお伝えしたいなと。その結果、一番実現できる形が最終的にニコ生だということになりました。

──ニコ生で初めて大喜利のライブを見たという人もいて、コメントでルールを教えあったりしていましたね。


竹若:視聴者のコメントで気付かされることも多かったですね。初めのころは出演者の名前を出してなかったので、「あれ誰々じゃない?」「えー違うやろ」とコメントされたりしたんです。答えに集中してもらいたかったので、名前をパッと出すようにしましたね。判定ミスもコメントで指摘されて初めて気がつくことがありました。やっぱり初めてのことだったので助けられた部分が多かったです。ただ……やってみるとダイナマイト関西とニコ生は、そこまでビシっとリンクするようなものではない気がするんですよ。


──といいますと?

竹若:ダイナマイト関西の会場って独特の緊張感があって、息を呑んで観るようなところがあるんです。ニコ生は放送というより、みんなでワイワイとコメントするのがメインなところじゃないですか。観戦中に「今のあれなんやんねん」みたいな感じで感想を言い合う……っていう雰囲気と、ちょっと違うのかなと。

──空気の違い、でしょうか。

竹若:そうですね。ライブで観る感覚とニコ生で観る感覚は全然違いますね。
会場の空気を感じ取ってウケていたり、逆に空気をつかめずに苦戦したり、というのはニコ生を観ている限りではちょっと伝わらない部分なので。「これだけ大きなイベントで、たくさんの人の気持ちで動いている大会ですよ」っていうのを広めるのにニコ生はいいと思うんですけど、会場やイベントの雰囲気をそのまま伝えれたかどうかっていうのは、なかなか難しいかなという感じですね。
準決勝はオールナイト。どうかしている大喜利異種格闘技戦「ダイナマイト関西2016」を更に追求
大喜利は人間力!

大喜利は「人間力」


──会場の空気は……出演してみると本当に大事なのがわかりますね(筆者もプレ予選 10月15日 渋谷∞ホールに出演。予選ブロックで敗退しました)

竹若:ね?一個前に答えた人の雰囲気であるとか、重いのが5個続いたあとの1個とか、なかなか難しい。

──空気次第で勝敗が動くのも大喜利の魅力のひとつかと思います。

竹若:こいついつもは強いのに、今日はポイント取れへんかったなってのも全然ありますし、ポイント取れて無くてもすごい印象残ったなみたいなメンバーもいますし。これも「ダイナマイト関西のトーナメントで戦う」という空気での結果ですよね。


──最近はTwitterなど、ネットで大喜利に触れる機会も多くなってきました。スマホアプリで練習されている芸人さんもいましたね。

竹若:いっぱいいましたね。すごい時代ですよね(笑)

──ネットでの文字ベースの大喜利とライブでの大喜利というのは、やはり違うものだと感じますか?

竹若:別にどっちが上とかじゃないと思うんですよ。『ケータイ大喜利』とか文字だけで送るのって、自分のキャラクターも乗っけられないし、この人がこれ言うみたいなのも乗っけられないし、単純な戦いじゃないですか。それはもうそれですごいなって思いますし。
逆に、ダイナマイト関西はトーナメントとか1対1とか、それぞれの戦いの形式のなかでどう戦うか?みたいなところがテーマとしてあります。そこを敏感に察知して、うまく立ち回れた人が、勝ち上がっていくみたいなところもあるので……。どちらも大変なのは大変だと思います。

──これは個人的な興味でもあるんですが……大喜利がうまくなりたい人に何かアドバイスをいただけますでしょうか?

竹若:なんでしょうね……。プレ予選を観てても、ポイントにつながっている人っていうのは「アホやなぁー」とか「すごい綺麗な言葉の使い方だな」とか、その人そのものが全面に出ている印象がありましたね。面白い面白くない以前に、しっかり前向いて答えているというか。
変に斜に構えて、「どうなんやろ」とか「自分っぽくないけどとりあえず出しとけ」っていうのはやっぱり伝わらないですよね。

──自分の答えに納得している、という感じでしょうか。

竹若:そうですね。すごく難しいんですけど、意識しすぎずにシンプルに自分がいいと思うことを出す、それでお客さんを巻き込めたら一番いいですよね。自分からお客さんを巻き込もうというのはなかなか難しいんですよ。できる人もいますけど相当スキルと経験がいります。そういうのが無ければ、自分が楽しんでいるところを見せて巻き込むしかない。結局「人間力」みたいなところになっちゃいますね。なにをするにおいても、ですけども。
準決勝はオールナイト。どうかしている大喜利異種格闘技戦「ダイナマイト関西2016」を更に追求
取材のあと、「ダイナマイト関西予選トーナメント7(10/21ルミネtheよしもと)をエキレビ!お笑い同好会で観戦しました。イラストレポをどうぞ
イラスト/小西りえこ

準決勝、決勝へ……!


──これから最後の予選トーナメントが開催されて、準決勝、決勝といよいよ盛り上がっていきます。準決勝は芸人のみならず、ミュージシャン、漫画家、プロレスラー、劇作家と、オープントーナメントらしいメンバーが揃いました。

竹若:ただただホッとしてます(笑) ガチなので、蓋開けたらいつもの芸人ばっかりってなる可能性も全然ありましたし、逆に一般参加の人ばっかりとか「お客さん入るの?」ってメンバーになる可能性もあったので。常連も全然違うジャンルの方もいい感じで残ってもらえました。

──オールナイトでの開催ですね。

バッファロー吾郎A:メンツが豪華だから、みんなのスケジュールを合わそうと思ったら深夜しかないんです。お客さんとか体力的には大変ですけど、結局3時間あるんですよ。そしたら休憩入れてなんやかんやで始発になるという計算なんで。

竹若:準決勝は16人から8人になるという、あまりないタイプの大会だと思うんですよ。2回勝つ3回勝つじゃないので、いつも観られている方もまた違った気持ちが入る大会になると思います。決勝はすごいシンプルなトーナメントになるんじゃないでしょうかね。ニコ生で興味を持っていただいて、会場で一回も見たことないという方にも、ぜひ来ていただきたいなと思います。

エキレビ!では準決勝、決勝の熱戦の様子もレポートします!お楽しみに。

ダイナマイト関西2016
準決勝はオールナイト。どうかしている大喜利異種格闘技戦「ダイナマイト関西2016」を更に追求

□予選トーナメント8
日時:11/18(金)開場19:00 開演19:30(約150分公演)
会場:ルミネtheよしもと
料金:前売3000円 当日3500円
出演:バッファロー吾郎
出場者:インディペンデンスデイ久保田/ケンドーコバヤシ/ザ・ギース尾関/しずる村上/ダブルブッキング川元/椿鬼奴/ハマカーン神田/フットボールアワー岩尾

□準決勝
日時:11/26(土) 開場24:00 開演24:30(終演予定29:00)
会場:ルミネtheよしもと
料金:前売5000円 当日5500円
出演:バッファロー吾郎A MC:浅越ゴエ/GAG少年楽団宮戸
出場者:博多大吉/和田ラヂヲ/ずん飯尾/R藤本/ピース又吉/笑い飯西田/次長課長井上/トリプルファイヤー吉田/お〜い!久馬/ジャルジャル後藤/バッファロー吾郎竹若/マッスル坂井/ヨーロッパ企画上田/インパルス板倉/他予選トーナメント勝ち残り2名

□決勝
日時:12/25(日) 開場15:00 開演16:00(終演予定20:00)
会場:よみうりホール(有楽町)
料金:プレミアムシート12,000円 S席6,000円 A席4,000円
出演:バッファロー吾郎A MC:浅越ゴエ/GAG少年楽団宮戸
出場者:準決勝勝者8名

ダイナマイト関西とは?
「ゴチャゴチャ言わんと 誰が一番おもろいんか決めたらええんや!」をモットーに、芸人たちが1対1の大喜利対決で勝者を決める大喜利ガチバトル。過去にケンドーコバヤシや博多大吉、ずん飯尾などが優勝。芸人以外にも門戸を開いたオープントーナメントも開催している。昨年は事務所対抗団体戦が行われ、オードリー率いるケイダッシュステージ軍が優勝した。
公式サイト:ダイナマイト関西2016

(井上マサキ)