美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

“日本はスゴい!”系のバラエティ番組で、我が国のものづくりがどれだけ優秀かを知ることができました。有名なところでは、NASAのスペースシャトルの一部品は日本の町工場が製造しているらしいです。
あと、イギリスの鉄道レールを締めるボルトは東大阪の工場が製造しているとも聞いたことがあります。

人気レイヤーが製造業・新人の12カ月を演じる


東大阪市といえば、工場密度が全国1位の地域。しかも、工場事業所数は全国5位を誇る、まさに“ものづくりの町”であります(出典:平成24年度経済センサス活動調査)。なんと、「なんでも造れる」「なんでも揃う」とまで言われているらしい。
しかし、実は今、窮地に陥ってます。労働力の安価なアジア圏への製造拠点変更などのあおりを受け、1986年から2006年にかけて東大阪市内の製造業の事業所数は31.7%減、従業者数も25.8%減となりました(出典:総務省「事業所・企業統計調査」)。製造現場の3K(きつい、きたない、きけん)のイメージも、従業者数の減少の一つの要因とされています。


一転して近年、為替の変動リスクや海外の労働賃金上昇などにより大企業を中心に国内回帰の動きが見られ、国内製造業の受注量も増加傾向にある模様。しかし、労働力不足は依然として続いているため、せっかくの受注案件を町工場が受け止めきれないのが現状です。

この状況を打破すべく、株式会社オーミヤ (大阪府東大阪市)は人気コスプレイヤーをモデルに起用した2017年版カレンダーを製作しています。テーマは「新入社員の一年間の成長記録」。

どのような内容になっているか、まずは画像をご覧いただきましょう。
美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

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美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

出演しているのは、大阪府出身のコスプレイヤー「肉球あやと」さん。
就職活動中の女子高生が町工場へ面接に行き、そして入社。その後、仕事で挫折と成功を味わう姿が12カ月かけてシナリオ風に描かれています。

いやはや、御社は大胆な仕掛けをする企業ですねぇ……。
「でも、2016年までは一般的な社名入りの日めくりカレンダーを製作していたんです」(担当者)
若者に製造業をより身近に感じてもらい、ひいては町工場を就職先の選択肢の一つに加えてもらう狙いが、2017年版のカレンダーには込められているようです。

当初、職人からは反対の声も上がっていた


若手労働者不足に悩む東大阪の製造業ですが、このカレンダーを製作した株式会社オーミヤも同様の問題に直面しています。
「弊社でも労働力不足を抱え、毎月注文残が数百万円残るのが現状です。2週続けて求人広告を出したのですが、かかってきた電話はわずかに3件でした」(担当者)

ちなみに、このカレンダーの撮影は同社所有の工場で行われたそう。

「ハイレベルな制服コスで知られる肉球さんに『工場作業着を着て!』と難題を投げかけるも、持ち前の透明な世界観で弊社の魅力を存分に引き出してくれました。約300枚の撮影画像はどれも完成度が高く、日めくりカレンダーにしようかと悩んだほどです」(担当者)
美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

美少女コスプレイヤーが東大阪の町工場員の一年を演じたカレンダー! 人材不足の解消を目指す

カレンダー製作の進行役を担ったのは、インドアグッズブランド「ビビラボ」 プロデューサーの川瀬隼利氏。「株式会社オーミヤ」道野弘樹社長と川瀬氏がかねてより知り合いだったことから両者は打ち合わせを重ね、コンセプトやモデルを決定していったようです。

それにしても“ものづくりの現場”と“コスプレイヤー”の掛け合わせだなんて、試みとして大胆極まりない! 結果、素敵なカレンダーが出来上がったから良かったですけども……。
「製作前、職人気質の従業員からは美少女レイヤーを起用することへの反対の声もありました。やはり、完成形のイメージがつかなかったのだと思います。
しかし完成後は、『現場をよく見せてくれている』といった反響が上がっています。また、弊社の取引先の多くは建設関係なのですが、得意先の男性からは『このモデルさん働いてるの?』『今度訪問したい』と、今まで訪問していただけなかった方々へもアピールできています」(担当者)

ところでこのカレンダーのような風景は、東大阪の製造現場で普通に見られるのでしょうか?
「いえ。高齢化が進んでいるので、今回のカレンダーのような光景は理想です」(担当者)
でも、高校生の新卒採用等で”工場女子”は少なからず存在しているそうです。ただ、やはり従業員の9割は男性が占めています。

東大阪の製造現場の「3K」からの脱却をアピール


かつては3Kと呼ばれた東大阪の製造現場ですが、今はどうなんでしょうか?
「3S活動(整理、整頓、清掃)を徹底し、3Kに関して改善しています。特に、整理。
不要なものを捨ててスッキリとした環境をつくることで、きつくない、汚くない、危なくない環境づくりに努めている企業が多いです」(担当者)
他にも“ワークライフバランスの充実”や“家族のようなあたたかさ”を心がけ、若年者や女性にも働きやすい環境となっているとのこと。

なるほど。かつての風景から生まれ変わった“ものづくり”の現場を啓蒙する役割を、このカレンダーは担っているのでしょう。
「本カレンダーを通して、東大阪市の工場で働きたいと思っていただける方が一人でも増えればと願っています」(担当者)

今回の2017年版カレンダーは、同社サイトの特設ページにて購入することできます(2,400円/税込・送料込み)。また同社の新規採用において書類選考を通過し、一次面接に進んだ人もゲットできるようです。
(寺西ジャジューカ)