1月12日よりスタートする石原さとみ主演の金曜ドラマ『アンナチュラル』。日本に新設された「不自然死究明研究所（UDIラボ）」を舞台に、石原演じる法医解剖医・三澄ミコトたちが死因究明専門のスペシャリストたちが活躍する、ポップかつハードな新感覚の法医学ミステリ。
放映に先立ち、1月9日に制作発表記者会見が行われた。出席したのは、石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、松重豊、脚本の野木亜紀子、演出の塚原あゆ子。
まずは制作発表記者会見の様子から。先に登壇したのは、脚本の野木、演出の塚原の両氏。初めて法医学ミステリという分野に挑んだ脚本の野木は「わからないことだらけで大変ではありましたが、定期的に作られている法医学もののドラマとはかなり違う、一新したものを目指しました」とコメント。「今まで語られてこなかった隙間の面白さが見つかったので、そういう部分でも新しい気持ちで見ていただけると思います」と語った。
演出の塚原は撮影現場の雰囲気について、「毎回台本に書かれている驚くべき事件に対して、キャスト・スタッフ一同、家族というより戦友という気持ちで挑んでいます」とチームワークの良さをアピール。実際、キャスト陣のおしゃべりが本番直前まで止まらないことも少なからずあるのだという。
続いてUDIラボの白衣を身にまとったキャスト陣が登場、ドラマへの意気込みと1話の感想を語った。
まずはUDIラボ・三澄班の筆頭医、三澄ミコト役の石原さとみ。第1話についてはかなり時間をかけて撮影したそうだが、「スピード感があって、テンポが早くて、展開がすごく何度もあって、物語として本当に面白いと思いました」「緻密で、練って練って作られています。ドラマ好き、ミステリ好きには本当に喜んでいただける作品」と胸を張った。
野木脚本については「本当にセリフが面白いです」と絶賛。「普通のフランクな会話が後々最終回までつながるんじゃないかと思わせるような、一つ一つのセリフが重要であり、面白くもあるので、そこに注目して楽しんでもらいたいです」と語った。
解剖実績は3000件超だが態度も口も悪いUDIラボの法医学医、中堂系を演じるのは井浦新。1話を観て「ドラマ作りの底力を見させてもらった」と感じたという。「一つ一つのシーンに監督がかける想い、役者それぞれの掛け合いから生まれてくるものが本当に面白いです。みなさんもぜひ楽しんでください」。
三澄班のアルバイト記録員・久部六郎役は、窪田正孝。変わり者だらけのUDIラボにおいて、唯一の一般人だ。「僕自身としても六郎としても、初めて法医学の世界に飛び込んだわけでして、視聴者目線を担う役割だと思っています」。第1話については「テンポが良くて、見ごたえがあって、インパクトのある、幕開けにふさわしい作品」と自信をのぞかせた。
ところで、窪田が挨拶をしようとしたら、隣にいた市川実日子が突然爆笑。その後も窪田くんが咳払いしたり、言葉に詰まるたびに笑い続ける実日子さん。
そんな市川実日子が演じるのは、三澄班の臨床検査技師・東海林夕子。仕事よりプライベート優先、異性間男女交流会（要するに合コン）に勤しむという「UDIのノンキ担当」。尾頭ヒロミさんとは真逆の役柄だ。
市川自身も現場のムードメーカーで、「実日子さんのテンションで現場の空気が変わると言っても過言ではないぐらい」「実日子さんが笑ったらみんな笑う、実日子さんが泣いたらみんな泣く」（石原）という存在なのだとか。
UDIの存続のために苦労している所長・神倉保夫役は、松重豊。
「毎回死体が出てくるお話ですが、そこで死というものを見つめる僕たちの生き様から、いろいろな人間ドラマが生まれてきます。毎回、僕ら5人は心のキャッチボールをするのですが、野木さんの脚本は緻密に計算されていますので、そこに身を委ねるだけで1時間、1時間じゃ足りないぞという思いで今まで作ってきました」。松重の言葉どおり、初回は15分拡大スペシャルだ。
キャストの言葉からわかることは、『アンナチュラル』が死を通して“生きること”をあらためて描く作品だということだ。
「さとみさん演じるミコトが何度か食べ物を黙々と食べるシーンがあるんですが、僕はそこがドラマ全体のテーマである“生きること”を表していると感じて、とても感動しました。さとみさんの食べる姿が生々しくて素晴らしいので注目してください（笑）」（井浦）
「“生きること”って大変だけど、いずれ命はなくなるし、命がなくなるまでに何をするかとか、そういうことを台本と映像を通して感じる瞬間がいっぱいありました」（窪田）
市川は1話が完成した折、塚原監督からもらった手紙に「死を通して生きることについて問いかけたい」と書かれていたと明かし、完成した作品をあらためて観て、「私自身、自分が“生きている”ということを感じて、すごく胸が熱くなりました」と語った。
記者発表の最後に、僭越ながら筆者から「“生きてるなぁ”と思うときってどんなとき？」と質問。
「美味しいごはんを食べたとき。あとは痛みを感じたときですね。よくケガをするんですけど、“いったい！”と思うときに“生きてる”と感じます」（石原）
「仕事が終わって家に帰ってシャワーを浴びてるときです。結局、達成感って自己満じゃないですか？（市川さん爆笑） 今日頑張ったな、今日はよく寝られるな、って思ったときは“生きてるな”って感じます」（窪田）
「仕事でも趣味でも、夢中になっているときに実感することはないのですが、やり終えて、ふと落ち着いたときに、“ああ、生きてるな”と思います」（井浦）
「休みの前の夜はいっぱいお酒を飲みますが、翌朝目が覚めたときに“生きててよかったな”と思います（笑）。“また今日も酒が飲めるぞ”って」（松重）
「おひさまを浴びてるときですかね」（市川）
キャスト陣の和気あいあいとした雰囲気はドラマにも活かされており、法医学ミステリとはいえ、けっして重苦しい作品ではない『アンナチュラル』。野木脚本、塚原演出の冴えも見どころだ。1月12日夜10時、TBSにて放送開始。
（大山くまお）
『逃げるは恥だが役に立つ』の脚本を手がけた野木亜紀子の新作としても注目されている。
放映に先立ち、1月9日に制作発表記者会見が行われた。出席したのは、石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、松重豊、脚本の野木亜紀子、演出の塚原あゆ子。
「ドラマ好き、ミステリ好きには喜んでいただける作品」
まずは制作発表記者会見の様子から。先に登壇したのは、脚本の野木、演出の塚原の両氏。初めて法医学ミステリという分野に挑んだ脚本の野木は「わからないことだらけで大変ではありましたが、定期的に作られている法医学もののドラマとはかなり違う、一新したものを目指しました」とコメント。「今まで語られてこなかった隙間の面白さが見つかったので、そういう部分でも新しい気持ちで見ていただけると思います」と語った。
演出の塚原は撮影現場の雰囲気について、「毎回台本に書かれている驚くべき事件に対して、キャスト・スタッフ一同、家族というより戦友という気持ちで挑んでいます」とチームワークの良さをアピール。実際、キャスト陣のおしゃべりが本番直前まで止まらないことも少なからずあるのだという。
続いてUDIラボの白衣を身にまとったキャスト陣が登場、ドラマへの意気込みと1話の感想を語った。
まずはUDIラボ・三澄班の筆頭医、三澄ミコト役の石原さとみ。第1話についてはかなり時間をかけて撮影したそうだが、「スピード感があって、テンポが早くて、展開がすごく何度もあって、物語として本当に面白いと思いました」「緻密で、練って練って作られています。ドラマ好き、ミステリ好きには本当に喜んでいただける作品」と胸を張った。
野木脚本については「本当にセリフが面白いです」と絶賛。「普通のフランクな会話が後々最終回までつながるんじゃないかと思わせるような、一つ一つのセリフが重要であり、面白くもあるので、そこに注目して楽しんでもらいたいです」と語った。
髪をばっさりと切って臨んだ石原さとみ。ドラマの中では自らナチュラルメイクを施している。
解剖実績は3000件超だが態度も口も悪いUDIラボの法医学医、中堂系を演じるのは井浦新。1話を観て「ドラマ作りの底力を見させてもらった」と感じたという。「一つ一つのシーンに監督がかける想い、役者それぞれの掛け合いから生まれてくるものが本当に面白いです。みなさんもぜひ楽しんでください」。
「クレイジーな役」を思う存分演じられたと語る井浦新。
三澄班のアルバイト記録員・久部六郎役は、窪田正孝。変わり者だらけのUDIラボにおいて、唯一の一般人だ。「僕自身としても六郎としても、初めて法医学の世界に飛び込んだわけでして、視聴者目線を担う役割だと思っています」。第1話については「テンポが良くて、見ごたえがあって、インパクトのある、幕開けにふさわしい作品」と自信をのぞかせた。
ところで、窪田が挨拶をしようとしたら、隣にいた市川実日子が突然爆笑。その後も窪田くんが咳払いしたり、言葉に詰まるたびに笑い続ける実日子さん。
窪田くんは彼女のツボだった模様。
今回はメガネ姿でドラマに臨む窪田正孝。実はメガネがくすぐったくて仕方ないとか。
そんな市川実日子が演じるのは、三澄班の臨床検査技師・東海林夕子。仕事よりプライベート優先、異性間男女交流会（要するに合コン）に勤しむという「UDIのノンキ担当」。尾頭ヒロミさんとは真逆の役柄だ。
市川自身も現場のムードメーカーで、「実日子さんのテンションで現場の空気が変わると言っても過言ではないぐらい」「実日子さんが笑ったらみんな笑う、実日子さんが泣いたらみんな泣く」（石原）という存在なのだとか。
撮影現場で「実日子ヨガ」を流行らせたという市川実日子。
UDIの存続のために苦労している所長・神倉保夫役は、松重豊。
直前に『スター・ウォーズ』を観たそうだが、『アンナチュラル』の第1話を観て「これ、『スター・ウォーズ』より面白ぇな！」と仰天。「エピソード9は脚本を野木さんが書いて塚原さんが監督したほうがいいんじゃないか！」と思ったそう。それを聞いた野木は「全国の『スター・ウォーズ』ファンに殺されるので控えていただきたい」と恐縮しきり。
「毎回死体が出てくるお話ですが、そこで死というものを見つめる僕たちの生き様から、いろいろな人間ドラマが生まれてきます。毎回、僕ら5人は心のキャッチボールをするのですが、野木さんの脚本は緻密に計算されていますので、そこに身を委ねるだけで1時間、1時間じゃ足りないぞという思いで今まで作ってきました」。松重の言葉どおり、初回は15分拡大スペシャルだ。
今回、初めて白髪姿のまま連ドラに出演したという松重豊。石原が大晦日の『孤独のグルメ』を観ていたと聞いて満面の笑みを浮かべていた。
「さとみさんの食べる姿に注目してください」
キャストの言葉からわかることは、『アンナチュラル』が死を通して“生きること”をあらためて描く作品だということだ。
「さとみさん演じるミコトが何度か食べ物を黙々と食べるシーンがあるんですが、僕はそこがドラマ全体のテーマである“生きること”を表していると感じて、とても感動しました。さとみさんの食べる姿が生々しくて素晴らしいので注目してください（笑）」（井浦）
「“生きること”って大変だけど、いずれ命はなくなるし、命がなくなるまでに何をするかとか、そういうことを台本と映像を通して感じる瞬間がいっぱいありました」（窪田）
市川は1話が完成した折、塚原監督からもらった手紙に「死を通して生きることについて問いかけたい」と書かれていたと明かし、完成した作品をあらためて観て、「私自身、自分が“生きている”ということを感じて、すごく胸が熱くなりました」と語った。
記者発表の最後に、僭越ながら筆者から「“生きてるなぁ”と思うときってどんなとき？」と質問。
「美味しいごはんを食べたとき。あとは痛みを感じたときですね。よくケガをするんですけど、“いったい！”と思うときに“生きてる”と感じます」（石原）
「仕事が終わって家に帰ってシャワーを浴びてるときです。結局、達成感って自己満じゃないですか？（市川さん爆笑） 今日頑張ったな、今日はよく寝られるな、って思ったときは“生きてるな”って感じます」（窪田）
「仕事でも趣味でも、夢中になっているときに実感することはないのですが、やり終えて、ふと落ち着いたときに、“ああ、生きてるな”と思います」（井浦）
「休みの前の夜はいっぱいお酒を飲みますが、翌朝目が覚めたときに“生きててよかったな”と思います（笑）。“また今日も酒が飲めるぞ”って」（松重）
「おひさまを浴びてるときですかね」（市川）
キャスト陣の和気あいあいとした雰囲気はドラマにも活かされており、法医学ミステリとはいえ、けっして重苦しい作品ではない『アンナチュラル』。野木脚本、塚原演出の冴えも見どころだ。1月12日夜10時、TBSにて放送開始。
（大山くまお）
