卒業あるある「寄せ書きに書かれて地味に傷つく言葉」
どんな寄せ書き、メッセージを書きましたか?(画像はイメージ)

いよいよ卒業シーズン。

卒業生に向けて後輩が色紙を準備したり、友人同士でサイン帳をまわしたりする時期だ。


ところで、寄せ書きやサイン帳は後々に見ても楽しいが、なかには悪意ないコメントに地味にブルーになったり、傷ついたりすることもある。
嫌がらせではなく、さりげなく相手をブルーにさせるサイン帳や寄せ書きの思い出について、周囲の人たちに聞いてみた。

ド定番だけど、さりげなく傷つく言葉


「先輩とはあんまりお話しできませんでしたが、高校に行っても頑張ってください」
「お話ししたことはあまりありませんが、面白い先輩だと思ってました」
「〇〇ちゃんともっと話したかった!」
確かにあまり話したことないかも。でも、あえて言わなくても……と思うこともあれば、「あれ? けっこうしゃべった気がするのに」と思うことも。また、「クラスは違うけどよろしくね」「一度も同じクラスになったことなかったね」という事実をそのまま述べるケースも。
自分が相手に感じている距離よりも、相手が自分に感じている距離が遠いことを知り、ショックを受けることは多々ある。

何も書くこと思いつかなかったのかよ!?と思う抽象的な言葉


「いつも色々と教えてくださり、ありがとうございました」
「いろいろ親切にしてくださり、ありがとうございました」
「いろいろお世話になりました」
具体的なエピソードは一切なし! なにも思いつかなかった、思い出せなかったことが丸わかりのケース。
さらにひどいのは、一字一句違わない内容で、同じ人から2枚きているケースも。
おそらく全員に完全なるテンプレで書き、同じ人に2枚渡してしまったり、渡し忘れた人がいたり……という大ざっぱな人もいる。

大げさに別れを宣言する言葉


「またどこかで会おう!」
「いつかまた会えたら良いね」
「どこかでまた会えたら声をかけてね」
卒業しても、家が近所だからどうせすぐ会うだろうに。あるいは、そこそこ仲よかったのに「またどこかで」なのかよ!?……と寂しくなるケースも。

八方美人テンプレ系の忖度言葉


「いつも笑顔で優しい◯◯ちゃん」
「〇〇ちゃん、大好き!」
「◯◯先輩はいつも優しくて可愛いなぁと思っていました」
明らかにいろんな人に同じフレーズで、流して書いていそうな八方美人系のコメント。実は自分もけっこうやりがちだったかも。
最近のサイン帳の場合、フォーマットがしっかり作られていて「優しい人」「かっこいい人」「可愛い人」「面白い人」「賢い人」などの項目に名前を書くアンケート形式の用紙も多い。そうした場合、いちいち考えるのが面倒くさい&気を遣うことから、全部の項目にその紙の持ち主の名前を書くケースも。
こうした忖度を見ると「ああ、誰の用紙にもその相手の名前を全部書くんだろうな」とちょっとブルーになるが、かといって、どの項目にも紙の持ち主の名前を書かないKYタイプがいると、さらにブルーになる。


全員に下ネタ系


紙いっぱいに大きくうんこの絵を書く人や、文字で大きく「うんこ」と書く人、小さいうんこの絵を一面に書く人、サイン帳の書き込み式の空欄すべてにうんこ、トイレ、パンツなどの下ネタ系を書く人も。
そのときは笑ってどついて終わりになるが、後々に見るとブルーな気持ちになることも。

黒一色ボールペンで間違いだらけ


特に男子に多いが、下書きなしでいきなり黒のボールペンで書き出して、たくさん間違えるケース。間違えたところを黒く塗りつぶしたり、ミノムシみたいにしてごまかしたりすることも多々ある。
場合によっては、途中まで書こうとした言葉の漢字がわからず、雑に黒く塗りつぶしたうえで、諦めて別の言葉で書き直すケースも。
また、逆に女子の場合、「親友」と書いてくれたのは良いが、一生懸命に凝りまくって飾り文字で書いたために、漢字が違ってしまっているケースも。


謎のメッセージ&共有していない思い出


「〇〇とはよくケンカもしたけど、楽しかったよ」
「色々あったけど全部最高の思い出です」
「〇〇とは~~に一緒に行ったのがいちばんの思い出かな。また行こうね!」
「あれ? ケンカなんてしたっけ?」とピンとこないこともあるし、「それ、一緒に行ったの私(俺)じゃない」と思うことも。また、「色々あった」と言われて「何があったっけ?」と思うこともある。

何枚も書く人、書いたのに出さない人


「ねえ、もう一枚書いて良い?」などといやに積極的で、同じサイン帳の紙を一人で何枚も持って行って、挙句、どうでも良い変な落書きをして渡す人。
逆に、紙を預かってきちんと書くくせに、渡し忘れ、あるいは渡しそびれて自分でそのまま持っている人もいる。

その他


「習い事のある日、遊べる日など、曜日別に自分の1週間のスケジュールを勝手に書いてくる人」
「先生や、部活の顧問からのメッセージで意外とあるのは、『〇〇はいつも頑張り屋で~』などと良いことから書き始めて、『もう少し~しましょう』と、ネガティブなダメ出しで締めているパターン。文の順序を逆にして、ネガティブなことから書き出して、良い言葉で締めれば印象が大きく変わるのに、文章の構成が下手すぎる」

ちなみに今回、いちばんブルーになったのは、このテーマを聞いた周りの人たちに「書いたことも、書かれたことも何も覚えてない」という人が意外と多かったこと。

卒業シーズンだし、たまには昔のサイン帳や寄せ書きを見直してみませんか。

(田幸和歌子)