先日、知人9人で雑談している際、そのうち3人が共通の経験をしていて、盛り上がった話題があった。
それは「火災警報器って、簡単なことでちょこちょこ鳴って困るよね?」ということ。


一人は「ラスクを作るとき、パンを乾燥させるために軽くレンチンしたら、ちょっと焦げちゃって、突然(警報器に)『火事です、火事です』と言われた」。
もう一人は「日頃あまり料理しない娘が、換気扇をまわさずに料理していたら『火事です、火事です』と言われた」。
さらにもう一人は「パスタを茹でていたとき、茹で上がってお湯を流しに捨てるときに『火事です、火事です』と言われた」という。

「そんなささいなことで鳴っていたら、そのうち気にとめなくなりそう」
「オオカミ少年状態になるよね」
などと話していたが、調べてみると、Twitterなど、ネット上にも似たような経験をしている人たちの訴えが多数あった。

「火災警報器また鳴ってるー3回目!! これ誤作動で毎回避難してたらお風呂にも入れないよ~」
「またマンションの火災警報器が誤作動してる今晩でもう2回目だぞ 半年に1回くらいの7ペースでかなり誤作動してるし、もう仮にほんとに火事で鳴ったとしても誤作動だろうとしか思わないよね」
「何も火の気がないのに、火災警報器が鳴る。それも夜中に」

平成18年(2006年)6月に改正された消防法により、設置が義務付けられるようになった住宅の火災警報器。
火災から身を守るために重要な存在のはずなのに、適切に機能してくれないことで、かえって危険を招いてしまうこともある。


火災警報器の注意点


なぜ些細な理由で鳴ってしまうのか。
一般社団法人日本火災報知機工業会によると、意外と知られていない誤作動の原因に「火災警報器にホコリが入ること」や「タバコの煙、調理時の湯気や煙」などもあるそう。

また、上記のような原因で、火災の危険性がない場合には数分間で警報は停止するが、頻ぱんに鳴る場合は、設置場所の見直しが必要とのこと。
「火災警報器は、基本的には天井面のエアコンなどの風の当たらない場所に設置することになっています。また、天井面に設置することが困難な場合は、壁面などの側面で良いですが、天井から15~50センチ離れた場所というご案内をしています」

他に、意外と気づいていない注意点は以下の通り。


●定期的な掃除が重要
ホコリが誤作動の原因になる可能性があるため、定期的な掃除を。

●定期点検を
いざというとき、電池切れしていると無意味! 長く留守にしたときや、掃除をした後、電池交換をしたとき、設置場所を変えた後などを含め、定期点検をしたいもの。

●火災警報器には期限がある
「交換期限」の表示が記載されている場合は、その期限までに、期限がない場合には、故障警報が出たとき、あるいは電池切れ警報が出て「設置から10年以上経過している場合」に交換する必要がある。

●設置場所と止め方の確認も
部屋に小さな子しかいないときなどに、誤作動が起こると大変。火災警報器が設置されている場所を把握しておくこと。また、誤作動で鳴ってしまったときは慌ててしまいがちだが、警報停止のボタンを押す、コードを引っ張るなど、メーカーや種類によって止め方が異なるため、あらかじめ確認しておきたい。


●本当に誤作動なのか確認を!
自宅で、あるいはマンション・アパート内でしばしば誤作動が起こると、慣れてしまいがち。だが、「またか」などと思わず、火災の有無は必ずきちんと確認を。

実は家庭にある火災警報器が、単なる景色になっていて、「天井にあるから、掃除したことない」とか「電池切れがあるなんて考えたこともなかった」「定期点検なんて、1度もしたことない」という人は少なくないのでは?

誤作動がちょこちょこ起こる人や、存在を忘れている人も、一度取り扱い説明書を読んだり、使用法を確認してみたりすると良いかも。
(田幸和歌子)