連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第25週「君といたい!」第148回 9月20日(木)放送より
脚本:北川悦吏子 演出:宇佐川隆史 田中健二
「半分、青い。」148話「ものすっごい気持ち悪い」キスを否定する鈴愛
半分、青い。 メモリアルブック (ステラMOOK)

半分、青い。 メモリアルブック

148話はこんな話


鈴愛(永野芽郁)と律(佐藤健)はついにそよ風の扇風機を完成する。だが、それを狙うあやしい影が・・・。


高瀬アナ訂正


「おはよう日本 関東版」にておなじみ高瀬耕造アナウンサーが、涼ちゃんはまだ出てこないにもかかわらず「表情に注目」発言したことに言及。「いかに事前に(内容を)しらされてないか証明してしまいましたね」と苦笑い。NHKのエリートアナウンサーも間違えるのだから、誰だって間違うことはあると気楽にさせてくれた高瀬アナ。素敵ですが、あまりご無理なさらずニュースをしっかり伝えることに集中なさってくださいと余計なお世話だが申し上げたくなる。

「ものすっごい気持ち悪い」


律の胸のなかで「ずっとここに来たかったような ずっとここにいたような」とつぶやいていると、物音がしてムードぶち壊し。鈴愛は律をはたいて立ち上がる。安定のお約束展開。
147話で音が聴こえなくてこわいと言った舌の根も乾かぬうちに、音に敏感で俊敏に動く鈴愛。

もっとも彼女はついついムードに乗っかってしまい、律はまどろみのなかで本能的に動いてしまった。一連のラブシーン的なものはそんな出来心的なものだろう。

「ものすっごい気持ち悪い」とか言い出す鈴愛は、視聴者の半分くらいの意見へのフォローだろう。147話の放送後、SNS では素敵と盛り上がる層、ないないとげんなりする層に分かれて盛り上がっていたから。
そんな鈴愛に律は「大丈夫 引き返せる」と冷静。
この男女の腐れ縁みたいなものを美談にしないで笑いでパッケージするところは、昔、律が清と見ようとした映画「恋人たちの予感」を思わせる展開だ。


恵子のグリーンパン


結果「大事に至ってない」ということで、平常心に戻るふたり。
そこへ恵子(小西真奈美)がやって来て、でもふたりの様子がへんなことにまったく気づかないまま、請求書だけ置いていく。
小西真奈美と若村麻由美のしゃべり方がそっくり。セリフの口調が同じだから。
余談だが、姫野カオルコの小説「彼女は頭が悪いから」で部活の女子マネージャーを誰がやっても「朝倉」と「南」と呼ばれるというシニカルな描写があって面白く読んだが、「半分、青い。」のキャラは全部「北川」と「悦吏子」という名で呼んでも何も問題がないように思える。

恵子はグリーンパンを完成させていた。
扇風機が完成する回で、元ネタグリーンファンと響きの似ているグリーンパンを再び出す周到さ。


死んだ人は待ってくれん


受け取った請求書を見て、すっかり現実に引き戻される鈴愛。大金が消えていく。どうやら開発費は律の退職金で賄われていたらしい。
鈴愛は弱音を吐くが律は希望を失わない。
律は待っていてくれる晴(松雪泰子)のためにも扇風機開発を成功させたい。
そのとき律が言う「死んだ人は待ってくれん」が印象的だった。
あんなに和子に依存していた律、いつの間にこんなに前を向いたのだろう。
離婚とかロボット研究の挫折とかを経たからか。いや、逆に和子の死に未だ深く嘆き、執着しているからこそあえてそういうふうに言って前を向こうとしているのかも。どっちどっち?

パスワードが


晴の話から、ゾートロープを思い出し、レコードプレーヤーの回転数から、扇風機の羽のモーターをDCモーターにすればいいことを思いつく律。
扇風機の解説にDCモーター搭載とよく書いてあるが、こういうものなのかとよくわかり役に立った。

2011年2月、ついに完成した扇風機。かっこいいデザインのそれが置かれたオフィスに津曲(有田哲平)が忍び込んで・・・。
データの入ったパソコンのパスワードが「suzumenonamida」だったところは笑った。
(木俣冬)