第2話に出て来た人たち

 
宗男(峯田和伸)…東京にいきたくなって、アメリカン・ニューシネマを気取って、花を運搬するトラックに乗り込む。
滋子(南海キャンディーズ 山崎静代)…困った夫に手を焼く。
田神先生(津田寛治)…ちよ子の進路指導中。

綿引(竜星涼)…雄大に呼ばれ茨城から東京に来ると……。
高島雄大(井之脇海)…綿引に借りたラーメン代をついに返済。
河本世津子(菅野美穂)…パリで撮影中(回想のみ)。
高島幸子(小島藤子)…相変わらず雄大の愚痴ばかり(じつはノロケ的なもの)。
仙葉優子(八木優希)…娘(秋桜子)が誕生。
松下明(奥田洋平)…「ご安全に!」

1話に続き、なつかしい人たちがたくさん出てきた。

宗男と幸子と優子以外は顔見世程度の登場ではあるが、好きなドラマの登場人物が終わってからも、こんなふうに時々、近況報告してくれる世界ってなんかいいなあと思う。
昔のドラマ(子供向けのもの)は、最終回できっぱり物語と決別させ現実に戻す終わり方を目指していたと聞くが、大人はドラマと現実を切り分けたうえで楽しむことができるから、大人のドラマとして、こういうドラマもあっていい。

2話の中心は、乙女寮同窓会が行われ、美味しい料理を食べながら、みんなの近況報告。
とりわけ、時子(佐久間由衣)が、女優として悩んでいる話は印象的だった。はじめてのキスシーンを何度も失敗して何度もキスして泣いちゃった話。このエピソードはいい。
女優なんだからキスなんて平気と強気も、女優をがんばり過ぎて私生活が充実してないためキス経験もなく、うまくできないことも悔しいだろうし、初めてのキスが芝居のうえでしかも何度もやり直してしまう乙女心はズタズタであろう。でも、それを話すことができてすっきりしたと前を向く。

澄子(松本穂香)も豊子(藤野涼子)もいろいろ悩みがあるがふたりでいるからなんとかなっている。
「長年連れ添った夫婦みたいだね」と優子に言われるほど。
みんな、誰かと支え合っていることを描く「ひよっこ」。
みね子(有村架純)が自分と秀(磯村勇斗)は「地味」で「ふつう」同士、でもそんな彼を「大好き」「世界で一番わかる自信がある」「愛している」と幸せ自慢すると、後にデザートのパフェを持ってきた秀がいて、恥ずかしいとなる。
いやもう微笑ましい。無垢過ぎる。
「ひよっこ2」インスタントラーメン発明した人「出てこい」赤坂ラーメン店主ぼやく2話

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時代が変わっていく

 
1970年、大阪万博が開催され日本は活況かと思えば、すずふり亭も柏木堂も福翠楼も景気が良くない。
日本人の味覚に合わせた洋食よりも本格的なイタリアンを求める客が増えた。和菓子の人気も下がっている。
中華料理は逆に、本格的なラーメンよりもインスタントラーメンが人気。

五郎(光石研)「ほんとどこのどいつだよ、あんなもの発明したのは」
安江(生田智子)「そうだよもう出てこい!」
五郎「出てこい!」

ここで福子(安藤サクラ)と萬平(長谷川博己)が出てきたら面白かったけど、出てこなかった。

そういえば、五郎の苗字は福田。まんぷくラーメンの福がついているっていうのに。
この「出てこい!」はボヤキ漫才で有名な人生幸朗・生恵幸子の「責任者出て来い!」から来ているのだろうか。

便利なインスタント麺、カップ麺を発明したことは偉業ではあるが、それが必ずしも万能であるかといえばけっしてそうではない。別の視点を、夜の朝ドラ「ひよっこ2」が描いてくれたことに救いを感じた。
ほんとうは「まんぷく」のなかで多視点を描くことが公共放送の高視聴率ドラマの使命だと感じるが、そうならなかったなかで、朝ドラの続編「ひよっこ2」がサポートした形となった。


「豊かになるってそういうことなんだねえ。いろんなものがどんどん出てきてみんながそれを楽しんで
それは悪いことじゃないよね素敵なこと」
「でもひとつのことだけやってたら生きていけなくなるのかねえ」
とつぶやく鈴子。宮本信子が、すっかり小さくなって、表情にも元気がなく、少々弱っている老婆をみごとに演じていた。

弱気な鈴子を励まそうと元治(やついいちろう)が戦災孤児だった自分がいかにすずふり亭を愛しているか
語ろうとしたら、宗男がやって来て場をかき回してしまう。

戦災孤児といえば、次期朝ドラ「なつぞら」(4月1日から)の主人公なつ(広瀬すず)は戦災孤児。

インスタントラーメンから戦災孤児へ、「ひよっこ2」は「まんぷく」と「なつぞら」のバトンのようである(ちょうどこの日26日、バトンタッチセレモニーが行われ、安藤サクラから広瀬すずへ、なつぞらのロゴとイラストのついたカップ麺が贈られた。
ベストタイミング)。

とにもかくにも、あんみつ、ハヤシライス、パフェ等、美味しそうなものがいっぱい。
締めはなつかしの「ご安全に!」。
実際、工場ではいまでも使用されている言葉のようだが、いい言葉だと思う。

今日も明日も「ご安全に!」


登場人物とキャスト

 
◯奥茨城
谷田部みね子→前田みね子(有村架純)…奥茨城村出身。東京に出稼ぎに来て、前田秀俊と結婚。すずふり亭で働いている。
あかね荘にまだ住んでいる。目玉焼きを失敗したり成功したり(「ひよっこ2」1話)

谷田部実(沢村一樹)…みね子の父。東京に出稼ぎに出て、泥棒に殴られ記憶喪失になり、女優・世津子に世話になっていた。記憶はまだ戻ってないが、奥茨城に戻った。

谷田部美代子(木村佳乃)…みね子の母。帰らぬ実をじっと耐えて待っていた。

谷田部茂(古谷一行)…みね子の祖父。頼りがいのある人。農業をやっていたが、現在は実とともに花も作っている。

谷田部ちよ子(宮原和)…みね子の妹。歌合戦に応募して、家族で参加。
バス通学で一緒になる天下井先輩(金子大地)にほのかな恋?(「ひよっこ2」1話) 
進路に関して、なにか決意が…(「ひよっこ2」2話)

谷田部進(高橋來)…みね子の弟。

小祝宗男(峯田和伸)…みね子の叔父。インパール作戦に参加しトラウマを抱えながら、ビートルズを愛し、笑顔で生きている。
すずふり亭のハヤシライスが食べたくなってプチ家出(「ひよっこ2」2話)

小祝滋子(南海キャンディーズ 山崎静代)…宗男の妻。こわそうに見えるが夫を愛している。男子3人の母。

前田秀俊(磯村勇斗)…みね子の夫。すずふり亭の料理人。
去年からときどきコンロを使わせてもらえるようになった。(「ひよっこ2」1話)

助川時子(佐久間由衣)…みね子の親友。女優になる夢をみごとに叶えた。
期待される役柄が同じで悩み中(「ひよっこ2」2話)

助川君子(羽田美智子)…時子の母。ものすごく娘思い。「ツイッギーそっくりコンテスト」に娘に内緒で勝手に応募していた。

助川正二(遠山俊也)…時子の父。母に比べておとなしめ。

助川豊作(渋谷謙人)…時子の兄。奥茨城青年団副団長。

角谷三男(泉澤祐希)→安部三男…みね子の親友。時子に恋していたが、就職先の米屋の娘に慕われる。
米子と結婚したが、相変わらず妻と義父の間で板挟み状態。(「ひよっこ2」1話)

角谷きよ(柴田理恵)…三男の母。バイタリティー旺盛。美代子と君子と「母の会」を結成、おしゃべりに花を咲かせる。

角谷征雄(朝倉伸二)…三男の父。

角谷太郎(尾上寛之)…三男の兄。東京に出たくても長男として家のリンゴ農家を継いでいる。奥茨城青年団団長。

角谷高子(佐藤仁美)…元・朝倉高子。すずふり亭で働いていたが、ひょんなことから角谷家に嫁入する。
脚立が壊れたことをきっかけに痩せて輝いている。(「ひよっこ2」1話)

綿引正義(竜星涼)…茨城出身の警官。故郷が同じだったことから、実探しに協力する。
雄大に会いに東京に(「ひよっこ2」2話)

田神学(津田寛治)…みね子たちの高校の先生。集団就職を斡旋する。


益子次郎(松尾諭)…元バスの車掌、いまは村長候補。

◯赤坂・すずふり亭 
牧野鈴子(宮本信子)…赤坂に古くからある洋食屋の店主。愛情にあふれた人。
ちょっと仕事にお疲れ気味で、みんなを心配させる。(「ひよっこ2」1話)

牧野省吾(佐々木蔵之介)…鈴子の息子。妻を亡くしてひとり、洋食屋の料理長としてがんばっていたが、愛子と再婚する。
鈴子を心配し、愛子に仕事を辞めて店に専念してほしいと考えるが…。(「ひよっこ2」1話)

牧野愛子(和久井映見)…乙女寮の舎監だった。戦争で亡くした恋人を忘れられず独身だったが、省吾と結婚する。
自分が店に入ったら鈴子さんががっかりすると心配。(「ひよっこ2」1話)  
憧れの石原裕次郎のサインを時子からもらった。(「ひよっこ2」2話) 

牧野由香(島崎遥香)…省吾の娘。母が過労死したのは鈴子と省吾のせいと思って、家を出ていた。
素直じゃない性格。 
すずふり亭の手伝いに駆り出される。(「ひよっこ2」1話)
 
井川元治(やついいちろう)…すずふり亭コック。ひょうきん者。
「戦災孤児」だったことを明かす(「ひよっこ2」2話)

安部さおり(伊藤沙莉)…本名・米子だが勝手に「さおり」と名乗っている。三男がとても好き。
結婚したが、父とは相変わらず喧嘩している。(「ひよっこ2」1話)

安部善三(斉藤暁)…米子の父で、米屋の店主。娘と仲が悪い。
パン食になった。(「ひよっこ2」1話)

◯赤坂・あかね荘とその近所
立花富(白石加代子)…あかね荘の大家さん。元赤坂の芸者で、客から恋人になった人物を思い続けていた。
どんどん元気になっている。(「ひよっこ2」1話)
島谷純一郎(竹内涼真)…みね子の初恋の相手。佐賀の製薬会社を継ぐため故郷に帰る。

久坂早苗(シシド・カフカ)…おしゃれなOL。恋人とともにアメリカに行く。

坪内祐二(浅香航大)…漫画家。貧乏だったが、やがて売れっ子に。
まだあかね荘に住んでいる。(「ひよっこ2」1話)
ピークの前にスランプが来てしまった(「ひよっこ2」2話)

新田啓輔(岡山天音)…坪内とコンビで漫画を描いている。
まだあかね荘に住んでいる。(「ひよっこ2」1話)
泣かず飛ばすの状況が続いている(「ひよっこ2」2話)

竹内邦子(白石美帆)…バー月時計のママ。お客さんの出身地に合わせた方言で話すことを心がけている。

河本世津子(菅野美穂)…人気女優。記憶を失った実を家に住まわせていた。
パリで撮影中(「ひよっこ2」2話)

福田五郎(光石研)…あかね荘の近所。福翠楼の店主。

福田安江(生田智子)…五郎の妻。

福田茜(上杉美風)…五郎と安江の養女。
養女になったばかりのときははにかみ屋だったがすっかり元気な小学生に。(「ひよっこ2」1話)

柏木一郎(三宅裕司)…あかね荘の近所。和菓子屋・柏木堂の店主。

柏木ヤスハル(古舘佑太郎)…一郎の息子。アンコが嫌いで、歌が好き。
相変わらず、犬と一緒にギターを弾いている。(「ひよっこ2」1話)
コンテストに応募してフォークシンガーになろうと考えている。(「ひよっこ2」2話)


イチコ…薬局のマスコットキャラ。リニューアルしたすずふり亭の制服はイチコのボディカラー。17年紅白歌合戦にも登場した。

◯向島電機 乙女寮
青天目澄子(松本穂香)…福島から集団就職して来た。のんびりしたメガネっ子。食いしん坊。おばあちゃんっ子。
あかね荘に住んでいる。(「ひよっこ2」1話)

兼平豊子(藤野涼子)…青森から集団就職して来た。学業優秀で、クイズ大会で優勝する。
あかね荘に住んでいる。(「ひよっこ2」1話)

秋葉幸子(小島藤子)…乙女寮のリーダー格でちょっぴり不良なところも。結婚して高島幸子に。

夏井優子(八木優希)…体が弱く、秋田に戻って結婚。仙葉優子に。

高島雄大(井之脇海)…乙女寮の歌の先生。幸子の恋人(のちに結婚)。音楽家をめざし、ウイーンに留学する。綿引とは思想は違うが、屋台でラーメンを食べる仲に。

松下明(奥田洋平)…向島電機、工場の主任。倒産後は電気修理の仕事をしている。
乙女寮同窓会に顔を出す。(「ひよっこ2」2話)

森和夫(陰山泰)…乙女寮の料理人。のちにレストランでみね子と再会する。
(木俣冬)

「ひよっこ2」
制作統括:菓子浩
演出:黒崎博 堀内裕介
音楽:宮川彬良
主題歌:桑田佳祐(「若い広場」)
タイトルミニチュア制作:田中達也
タイトル映像制作:森江康太