読者の皆様、ゲームでは父性のあるキャラクターが多いものの、お母さんキャラクターの方が目立つように思いませんか?そうするとお父さんキャラクターといえば誰がいるのだろう、そんな疑問から今回はゲームに登場するお父さんキャラクターを8選して皆様にお届けしようかと思います。

それでは!父さんが残した熱い思い、君を乗せて!

◆パパス『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』
開発元:チュンソフト/マトリックス/アルテピアッツァ 開発年:1992年 機種:スーパーファミコン/PlayStation 2/ニンテンドーDS

――天空のお父さん
国民的ゲーム、ドラゴンクエストシリーズでお父さんキャラといったら外せないのがこの「パパス」です。
彼は息子にも奥さんにも深い愛情を注ぐ、父を理想化したような存在です。最初の旅路で幼い主人公を引き連れて戦闘をした後に、必ず回復魔法ホイミをかけてくれるほどの優しさを見せてくれます。また名台詞「ぬわーーっっ!!」が頭にこびりついているプレイヤーの方も多いでしょう。この強くて優しくてちょっとユニークなパパを乗り越えようとプレイヤーは奮起します。まさに名お父さん(?)といえるでしょう。

◆ジェームス『Fallout 3』
開発元:Bethesda Game Studios 開発年:2009年 機種:PC/PlayStation 3/Xbox 360

――意外とインテリなタフガイパパ
主人公出産のシーンで、彼が暖かい言葉を投げかけてくれる所から始まる本作の名キャラクター「ジェームス」は単身、ウェイストランドの汚れた水を浄化する旅に出ます。
その父の後を追いかけて息子、或いは娘である主人公が冒険を始めます。彼との再会は劇的で、出会った後、目的地である「リベットシティ」へ向かうジェームスは最強モンスターであるデスクローさえも殴り倒しながら歩みを止めません。シェルターである出発地点「Vault101」の中では医者であったり研究者としての姿を見せていますが、実際は超タフガイという二面性が面白い、良い味を出していてるお父さんといえるでしょう。また、主人公の人種をアフリカ系アメリカ人やヒスパニックにしてもきちんとジェームスの肌の色にも反映されます。

◆ジェクト『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』
開発元:SQUARE ENIX 開発年:2013年 機種:PC/PlayStation 3/PlayStation 4/PlayStation Vita

――あんたの息子で…よかった
本作の重要キャラクターである「ジェクト」の「泣くぞ?すぐ泣くぞ?絶対泣くぞ、ほら泣くぞ」という幼少期の主人公「ティーダ」を茶化す台詞が印象に残っているプレイヤーの方も多いのではないでしょうか。ジェクトは愛情表現が苦手なのか、息子への愛は不器用にしか表現できません。
それ故に、心が通じていることが分かるシーンは屈指の名シーンとして描かれ、非常に強く心を揺さぶります。普段不器用だからこそ、そして本当に強い父親であるからこそ、その父と通じ、乗り越える主人公ティーダの姿、ありようにも心を震わされるでしょう。

三島平八『鉄拳』シリーズ
開発元:ナムコ 初出開発年:1994年 機種:アーケード/PlayStation/PlayStation 2/PlayStation 3/PlayStation 4/Xbox 360/Xbox One/PC
画像は『鉄拳5』(PlayStation 2)より――凶悪鉄拳王
初代から最新作まで出演し続けている「三島平八」(みしまへいはち)ですが、彼は本シリーズの代表的キャラクター「三島一八」(みしまかずや)の父でもあります。極悪非道なお父さんキャラクターで、己の野望のためなら悪事も行い肉親も利用するといった凶悪パパとなっております。それ故息子の三島一八は彼を憎んでおり、親子喧嘩はもはや命の取り合いといった様相を呈しています。強烈なビジュアルをしていますが、シリーズ序盤では五十代の五十路だったのが、最新作ではなんと七十代になるという還暦どころじゃない加齢を見せながらもその強さは健在、まさに最凶お父さんといえるでしょう。


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◆ビッグ・ボス『METAL GEAR SOLID』シリーズ
開発元:Konami Digital Entertainment 開発年:2014年 機種:PlayStation 3/Xbox 360/PlayStation 4/Xbox One/PC
画像は『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』(PC)より――伝説の戦士
本シリーズにおける重要な人物「ビッグ・ボス」は度々主人公となった「ソリッド・スネーク」の遺伝的な父親です。ソリッド・スネークが強さや思いやりをもった人物である反面、ビッグ・ボスは人間的に弱い部分もシリーズ中では描かれてきました。本シリーズのリブートとなった『METAL GEAR SOLID』(PlayStation)からシリーズに入ったファンも多く、その時点でゲーム内メニューから過去作ではどんな事件があったのかが窺い知れます。それ故ビッグ・ボスの後の命運を多くのプレイヤーが知っている、そういった状況でビッグ・ボスシリーズが展開していくことに奇妙な感覚を覚えたプレイヤーも少なくないでしょう。

◆サム・フィッシャー『Splinter Cell』シリーズ
開発元:Ubisoft 初出開発年:2003年 機種:PlayStation 2/PlayStation 3/Xbox/Xbox 360/Wii U/PC
画像は『Splinter Cell Blacklist』(PC)より――秘密工作員
惜しくも2013年に逝去された小説家「トム・クランシー」による監修を受けている本シリーズより「サム・フィッシャー」です。彼は幾度となく世界の危機を陰ながら救ってきました。
元々は秘密部隊「サードエシュロン」に所属していましたが2010年発売の五作目で離脱、その後現在の最新作である『Splinter Cell Blacklist』にて「フォースエシュロン」の部隊長に任命され活動を再開します。そんな彼も娘の「サラ・フィッシャー」には頭が上がらない状態で少し可愛げもあったりと、実に魅力的なキャラクターといえます。日本語版の吹き替えが「アーノルド・シュワルツェネッガー」でお馴染みの「玄田哲章」氏である点も好印象です。

◆イーサン・マーズ『HEAVY RAIN 心の軋むとき』
開発元:Quantic Dream 開発年:2010年 機種:PlayStation 3/PlayStation 4

――父の献身
発売当時、独特のプレイフィールとオリジナリティの高いゲームメカニクスで大きく話題になった本作より「イーサン・マーズ」です。彼は一人の息子を事故で亡くし、妻とは別居しながらも、もう一人の息子「ショーン」と共に暮らしています。しかしそのショーンが殺人鬼に拉致され、運命の輪に翻弄される事になります。
彼は犯人から「息子を救いたければ」と様々な課題を出される事になり、高速道路を逆走したり指を切り落としたりと、非常にショッキングなシーンも多く、心を抉られるような描写もありながら、一つの大切な事を突き付けてきます。それは、大切な人のために何処まで自分を犠牲に出来るのか、という、作品自体のテーマとも呼べます。

◆ジャック・ベイカー『BIOHAZARD 7』
開発元:カプコン 開発年:2017年 機種:PlayStation 4/Xbox One/PC

――お前も家族だ
ホラーゲームとしての回帰を果たし、高い評価を得た本作より「ベイカー一家」のお父さん「ジャック・ベイカー」です。本作において主人公である「イーサン・ウィンターズ」は、失踪した妻を探すにあたり、彼女からのメッセージを頼りに邸宅を探索していたところ、その主であるベイカー一家に拉致される事になります。そういった導入を持つ物語は、家族の概念、或いは妄念に取り憑かれたジャック・ベイカーにより、狂気のツイストでプレイヤーを恐怖に陥れます。ホラーゲームとしてのプロップスを獲得した本作では語るにあたり外せない、狂気のお父さんキャラクターといえるでしょう。


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いかがでしたでしょうか?皆様、父の日は毎年六月の第三日曜日となっていますが、これはとある軍人が復員後に一人で子供六人を育てた事に由来するという背景があります。ご興味があれば是非調べてみてください。また、今回の記事のように本誌ではお母さんキャラクターを10選した記事もありますので読んで頂けると嬉しく思います。それでは皆様、多様性のあるより良いゲームライフを!