8月15日に品川インターシティホールにて、アークシステムワークスの「ARC REVOLUTION CUP 2015」通称「あーくれぼ」が行われました。「あーくれぼ」はアークシステムワークスが開催する格闘ゲームの全国大会で、今回3回目。
日本各地から有名プレイヤーや「プロ」が集う、賞金制のトーナメントです。

イベントは、メイントーナメント会場やサイドトーナメント会場、物販コーナーに試遊コーナー、イラストコーナーを設けるなど、朝から晩まで行われる長時間のイベントらしい盛大なもの。精力的に格闘ゲームへ取り組んでいる同社の意気込みが伝わってくるかのようでした。

メイントーナメントとして『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』と『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA EXTEND』が、サイドトーナメントとして『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』と7月に稼働開始したばかりの『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st]』がお目見え。メイン2作品がPS4で、サイド2作品がアーケードとなっていました。タイトルの読みが難しいのはもはや伝統芸。


◆『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st]』

決勝戦は、ブロックAのかい選手とブロックCのGO1-3151選手。勝者は新キャラ「フォノン」を使用したGO1-3151氏となりました。

―――優勝して今の気持ちはどうですか?

GO1-3151(以下GO1):新キャラを使い込んで結果を出せたので嬉しいです。練習した試合数は800試合。遠征はしていません。元々ゴルドーというキャラを使っていたんですが、性能で「フォノン」を選びました。


―――賞金の使い道は?

GO1:PS4を購入しょうかと考えています。残ったお金は貯金ですね。

―――トーナメントで辛かった相手は?

GO1:二回戦での、カーマイン使いのノーツさんという方です。関西にカーマイン使いがいなくて、全体で2試合しかやっていませんでした。できれば当たりたくないなと思っていたんで。全国一位のカーマイン使いだったので、かなりのプレッシャーでした。


◆『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』

こちらの決勝は、ブロックA「しっきー&翼 スーパー!」のまっど選手(クマ【シャドウ】)しっきー選手(鳴上悠)超選手(天田乾&コロマル【シャドウ】)とブロックB「忍びの掟 1068条」DAI-CHAN選手(天田乾&コロマル【シャドウ】)電波選手(白鐘直斗【シャドウ】)もっけぇ選手(花村陽介【シャドウ】)が対戦。結果、「忍びの掟 1068条」チームが勝ち上り優勝です。

―――今の気持ちなどは?

DAI-CHAN:素直に嬉しい。これまでアークさんの作品をずっとやっていまして、公式大会で結果を出せたのが始めて。ちまちま全国大会には出ていたんですが、今回優勝できて嬉しいです!

もっけぇ:とにかく嬉しいですね! 他の二人は北海道で、ボクは大阪なんですけど、今回の大会は予選がないという事で、好きなようにチームが組める、「じゃあ出るか!」と(笑) それが上手い事いきました。

電波:P4Uシリーズを初期からずっとやっていて、全国大会などにも行っていたんですが、いいとこベスト4止まり。
それが今回優勝できて嬉しく思っています! チーム全員で満遍なく活躍できて「チームの勝利」ができたので良かったです。

◆『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA EXTEND』

『BLAZBLUE CENTRALFICTION』の稼働開始が待たれる『BBCPEX』では、ブロックB「偶然にもあーくれぼに参加する事になった俺達は…」ゆった選手(ラグナ=ザ=ブラッドエッジ)こなん選手(ツバキ=ヤヨイ)りゅうせい選手(ジン=キサラギ)と、ブロックC「のっかれボール」ゼクソ選手(アズラエル)ミツルギ選手(ハザマ)コージ選手(ラグナ=ザ=ブラッドエッジ)が決勝戦! 勝利をもぎ取ったのは、「のっかれボール」チームでした。

―――優勝した感想などをお聞かせください。
コージ:チームが強かったなあ、というのが感想です。自分はあまり活躍していないので……。これを機に上手くなるように頑張って、(チームの)二人に追い付けるようにします。


ミツルギ:今回はこいつ(ゼクソ選手)が強かったので。闘神祭では自力で頑張りたいと思います。

ゼクソ:今日の自分の出来具合は「120%」かなって思います。それくらい、メンタルも出来上がっていました。ミスもあったんですが、今日くらいは「最強」を名乗っていいのかなって(笑) 明日からは挑戦者の心も忘れずに、またBLAZBLUEも楽しませていただきたいと思っています。

コージ:緊張をいかに和らげるか、を重視したのが勝利につながりましたね。


ミツルギ:一発目があまり良くないので、先鋒で出させてもらいました。緊張をほぐすための練習、メンタル面が影響した部分も大きかったと思います。ゼクソの調子がいいという事は分かっていたので、その分背中を任せていいかなって。

ゼクソ:メンタルですね。昨日まで張り詰めてBLAZBLUEをやっていたわけではなくて、家庭用のトレーニングモードをしていました。「何がなんでも一つも落とさない」という張り詰めた気持ちはなくて、楽しめればと。オカルトじゃないんですけど、「絶対に勝てる」という自信に満ちあふれていて、それが実現できたという事が嬉しいですね。

―――家庭用での大会に向けて、特別な練習などをされたんですか?

ミツルギ:家庭用のネット対戦を、ちょっと多めにやっていました。

コージ:そうですねえ……対戦動画を観て、「分かっていないと食らってしまうような連携」をダミーに記憶させて、対処法を探していました。

ゼクソ:PSVitaと並行して、トレーニングモードをフルに活用しました。家庭用ならではの感触、「ミスりやすいポイント探し」を重視。ミスはつきものなので、「100%ミスらない」という事を切り捨てて、「家庭用のレバーでやった時にミスりやすいポイントをいくつも見つけてやろう」という気持ちでしたね。

◆『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』

大会のラストを飾る『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』。その決勝戦では王者軍とプロゲーマー連合軍の戦いが実現。開戦前から異様な盛り上がりを見せる会場では、ところどころで笑いもあがります。決勝戦はブロックA「Unusual」Dogura選手(シン=キスク)machabo-選手(カイ=キスク)Kazunoko選手(ソル=バッドガイ)と、ブロックC「おがりんこ」コイチ選手(ヴェノム)かりんちゅ(ミリア=レイジ)おがわ選手(ザトー=ONE)で争われました。注目は「暴君」とも呼ばれる小川選手の立ち回り。かりんちゅ選手のミリアも準決でいい動きをしていたため、会場の期待も高まります。そして、試合の行方は、「Unusual」のmachabo-選手による、準決勝・決勝ともの3タテ! 6連勝という華々しい結果で幕を閉じました。

―――それでは、優勝の感想をお願いします!

Dogura(以下どぐら):去年もBLAZBLUEで優勝させてもらい、今年も運良くギルティギアで優勝する事ができました。まあ「やっぱり優勝だな」というのが感想ですね。準優勝って、優勝より一歩落ちるってだけなんですけど、優勝と準優勝の違いがありすぎて……「やっぱり優勝せなあかんな、優勝じゃないとダメだな」というのは、優勝した時に一番思います。だから優勝できて良かったです!

Machabo-(以下まちゃぼー):数ヶ月前に格ゲーから離れていたんですけど、それでいろんな事が重なって、また格ゲー界に復帰して。その最初の大会で結果を残せた事は、自分の中で一番嬉しいです。

Kazunoko(以下かずのこ):ギルティの大規模な大会で優勝した事はなかったので、そこで優勝できた事がすごく嬉しいです。優勝したいメンバーで優勝できた事も嬉しい。思い出に残る大会になりました。

―――三人で組もうと考えた経緯は?

どぐら:三人とも元々ギルティの畑出身なんですけど、海外の大会でかずのこに負けて、「やっぱりギルティギアで勝ちたい」という欲が出てそこからキャラも変えてやり込みだしました。その次の海外大会でかずのこと対戦する事が分かり、「次は絶対に負けたくない!」と考えて、まちゃぼーとネット対戦をして練習しました。その時にまちゃぼーも復帰を匂わせたので、「じゃああーくれぼ組む?」みたいな(笑) それで、後1人どうしようかって考えた時に、ここで一番収まりがいいのはコイツかなあ、とかずのこを。 ……チームを組む時に大切だと思うのは、普段の人付き合いを蔑ろにしてはいけないなって事。このチームだと誰がどんな負け方をしても一切文句を言わないだろう、という信頼がありました。

―――なぜ優勝できたと考えますか?

どぐら:運の良さ噛み合わせの良さってのもありますが……ボクらが一番ギルティをやっていた時と比べると、競技のレベル自体は少し下がっていると思うんです。アクセントコアの頃が一番盛り上がっていたと思うんですが、その時と比べると全体のレベルが下がってきているんじゃないかな、というのが「みんなの」意見です! 昔は本当にものすごいプレイヤーが一杯いて、ボクらと同じレベル、いえ、ボクらよりもっとレベルの高いプレイヤーが多くいたんです。

かずのこ:他のゲームをやっていて、ギルティに戻ってきた時に「あ、意外と俺ら勝てるな」と。ずっとやっている人達に対して勝ててしまう。ちょっとそこで三人調子づいてやっていたら、こういう結果につながりました。
どぐら:ネット対戦で負けまくって、「俺って弱い?」ってちょっと思ったんですが、高田馬場のミカドってゲーセンに行ったらまあまあ勝てて。そこで自信も付きました。

まちゃぼー:個人的に思うのは、この二人のやっている海外の大会は強さが段違いって事。すぐ動くし、1試合目で思ってもいない人と対戦となっても、全然動くし。そこの差が大きいんだと思います。緊張してレベルが下がりかねない場面でも、逆に上がる。……かずのこは、さっきのミカドで大会直前にボコボコにされてまして。
かずのこ:全然勝てなかった。

まちゃぼー:「ごめん間に合わなかった、仕上がんなかった」って(笑) これどうすんだ? ってなった時に、
どぐら:そう、実際大会になった時にボクらが負けて、大将戦で「後は頼んだ!」って時に勝ってくれた。大会中大将まで1回だけ行ったんです。その時もかずのこが淀みなく普通に勝利。やっぱり場慣れもあるのかなあと思います。ギルティ勢は最近こそEVOなどで海外にも行きますが、それ以外だと海外に行く機会がないので。ボクもあまり得意な方ではないんですが、二人(どぐら・かずのこ)は段違いでしたね。

―――とは言え、まちゃぼー選手も素晴らしい戦いを魅せました。

まちゃぼー:最初の試合は50点くらいの内容。ベスト8での出番の時に「見えてきた」。そこまで余裕もなかったんですが、準決辺りから「負ける気がしない」という認識になりました。後ろに2人いたので彼らが絶対なんとかしてくれると信じていましたし、自分も復帰組なんで地力の差だけで戦ったらちょっと危ない。そこで、相手の動きをよく見る、読む事にしたんです。小川さんなどはクセの強いプレイヤーなんで。
どぐら:試合の内容的に言うと、まちゃぼーは相手のミス待ちがほとんど。だいたい相手がミスって死ぬ。
まちゃぼー:そんな踏み込まなくてもちょっとハッパをかけるだけで動いてくれました。攻めているように見えるけれども、リスクがあったわけではありません。相手は勝ちたがっちゃってるんです。勝ちたがりすぎて、見えなくなっている部分がある。勝ちたいから、自分の中で強いと考えている行動をするんです。それは返せるので。「攻め」が強いギルティでも、分かっていれば問題ありません。

―――闘神祭への意気込みを!

どぐら:今回はまちゃぼーの一人舞台だったんで、次は「まちゃぼーの後ろにいた奴も凄いんだぞ」というところをお見せします!
まちゃぼー:ボクは梅原さんなど他のプロゲーマー軍に教えるという事をやっていまして、教えている内に勝って欲しいなって気持ちが大きくなっています。そんな想いもありつつ、今回のように良い結果を残せたら。
かずのこ:評判を聞くと「プロ軍は勝てないよね、王者軍の圧勝だよね」と言っているんですが、今日で「プロゲーマー軍の方が強いでしょ? 場数が違うでしょ?」になったと思うんで、そのあたりを楽しみにしていただければ。

―――ありがとうございました!

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大盛況の内に幕を閉じた「あーくれぼ2015」。メイン会場前に誂えられたパネルには、森Pと石渡氏&詰めかけたファン達の描いたイラストがずらり。

このような「ファン参加型」の細かい演出がされているのも、みんなで作り上げるあーくれぼならではでしょう。まだまだ闘神祭2015もひかえている格ゲー事情。暑い日も熱い戦いも続き、熱中しすぎないように闘い抜きましょう!