(台北 15日 中央社)台湾の音楽賞「第30回ゴールデン・メロディー・アワード」(金曲奨)のノミネートが15日発表され、日本人3人組のバンド「東京中央線」が台湾のサックス奏者シェ・ミンイェン(謝明諺)を迎えて制作したジャズアルバム「Lines & Stains」が3部門で候補入りした。最多ノミネートはジョリン・ツァイ(蔡依林)の「Ugly Beauty」とサンディー・ラム(林憶蓮)「0」の7部門。


東京中央線は大竹研(ギター)、早川徹(ベース)、福島紀明(ドラム)の3人によるインストギタートリオ。過去には台湾のインディーズ音楽賞「金音創作奨」にもノミネートされるなど、高い評価を受けている。今回ノミネートされたのは、演奏部門アルバム賞、同アルバムプロデューサー賞、同作曲家賞。アルバムプロデューサー賞は3人で、作曲家賞は早川が「Lines & Stains」収録曲の「Sneezer」で候補に選ばれた。

このほか、日本人が参加した作品としては、アートディレクターの関山雄太が監督を務めた台湾4人組バンド、デカ・ジョインズ(Deca Joins)の「Go Slow」がミュージックビデオ賞に、レコーディングエンジニアの木村正和がミキシングなどを担当したルビー・パンRuby Pan(潘子爵)のジャズアルバム「潘子爵融合爵士創作専輯」が技術部門演奏レコーディングアルバム賞にノミネートされた。歌唱部門アルバムプロデューサー賞では、過去に同賞を2度受賞している荒井十一がスー・ユンイン(蘇運瑩)の「幻」で名を連ねた。


今回は1210枚のアルバム・EP、計2万2279件の作品の応募があり、2段階審査を通過した166作品が27の賞を争う。

台北市内で記者会見が開かれ、審査員長を務めるシンガーソングライターのサンディー・チェン(陳珊ニー)らがノミネートリストを読み上げた。サンディーは、今年は例年以上に幅広いスタイルの作品の応募があったとし、新しい歌手やバンド、音楽技術者が大きく注目されたのが特徴だと説明。金曲奨が30年目の節目を迎えることに触れ、「より多くの若い世代の音楽が注目されるようになれば」と期待を寄せた。(ニー=女へんに尼)

授賞式は6月29日に台北アリーナ(台北市)で開かれる。

(名切千絵)