1940年代から続くアメリカ・DCコミックスのスーパーヒーロー「バットマン」。1989年からのティム・バートン監督が務めた「バットマンシリーズ」で大きく注目を集め、2005年からのクリストファー・ノーラン監督が務めた「ダークナイト トリロジー」では、既存のシリーズとは一線を画するシリアスで厚みのある作風が衝撃的でした。

今回紹介するのは、そんな“ダークなバットマン”の映画のエッセンスが組み込まれたVRゲーム『バットマン:アーカム VR』。本作はアクションゲーム『バットマン アーカム』シリーズのRocksteady Studiosが制作しており、自分自身がバットマンとなって物語をVR体験できる内容です。

本作は2016年10月13日にPlayStation VR(プレイステーションVR・PSVR)向けに発売され、2017年4月26日にはPCゲーム配信プラットフォームSteamでも配信されています。今回はHTC Vive版をプレイします。

VRで体感する「バットマン体験」

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主人公の少年時代、強盗が現れ目の前で両親は…

『バットマン:アーカム VR』は、主人公「ブルース・ウェイン」となり都市ゴッサム・シティで起きた殺人事件を捜索していくという物語です。ゲームは主人公の幼き記憶の回想から始まります。ここで「バットマンが誕生するきっかけとなった凄惨な出来事」を体験し、早くも世界観に引き込まれます。

忌まわしき記憶から目を覚ますと、プレイヤーの元へ執事のアルフレッドが現れます。彼から隠しエレベーターを起動するための鍵を受け取り地下へと移動します。

VRでバットマンに変身!『バットマン:アーカムVR』レビュー

秘密の地下では、お待ちかねのバットマンへの変身シーン。スーツやマスク、ガジェットなど1つずつ手に取りながら身に付けていく感覚は、まさにバットマンになるという気分を味わえます。

VRでバットマンに変身!『バットマン:アーカムVR』レビュー

さらに地下にはバットマンの本拠地である「バットケイブ」があります。光の差し掛かり具合や、コウモリたちが飛ぶ演出など、映画の再現度が素晴らしく思わず「おおーっ」と声が出てしまいました。ここである事件に関する情報を掴みゴッサム・シティへと向かいます。

VRでバットマンに変身!『バットマン:アーカムVR』レビュー

今回の事件も宿敵「ジョーカー」の仕業なのか…?

VRならではの体験が詰まっている

VRでバットマンに変身!『バットマン:アーカムVR』レビュー

プレイヤーは、コウモリの形をしたブーメラン「バットラング」や、ワイヤー移動が可能な「グラップネルガン」といったガジェットを、実際に手を動かしながら使用することができます。細かい照準は合わせなくても自動で調整してくれるため、1発で決めることができ気持ちが良いです。

VRでバットマンに変身!『バットマン:アーカムVR』レビュー

事件捜索するパートでは、『バットマン アーカム』シリーズに登場するガジェット「鑑識スキャナー」を使って事件の手がかりを調べます。気になる所をスキャンしたり、手で持ってみたりと実際の捜査官になっているような気分になります。

VRでバットマンに変身!『バットマン:アーカムVR』レビュー

また、ゲーム後半には水中の中から現れる巨大生物の脅威を感じながら牢屋から脱出するといったハラハラする展開も待ち受けています。

VRでバットマンに変身!『バットマン:アーカムVR』レビュー

鏡に映る「ジョーカー」

ついにジョーカーと対面するシーン。ここではプレイヤーが動作を起こす度に演出が変化していくのですが、その場からもう動きたくなくなる内容になっています。しかし、横や後ろが気になる。勇気を出して振り向くと…そこには事件の真相がありました。

本作の体験を終えて、筆者は『バットマン』の世界観とVRで楽しめる要素が上手く組み合わさって作り上げられている作品だと感じました。また、グラフィックの美しさ、違和感のない移動のスムーズさなどVR体験初心者の人にもおすすめしたいゲームの1つです。プレイ時間は40分~1時間ほど。

『バットマン:アーカム VR』の概要

発売元

ワーナー ブラザース ジャパン

フォーマット

HTC Vive、Oculus Rift、PlayStation 4(PSVR)

ジャンル

アドベンチャー

価格

HTC Vive:1,980円 Steam購入ページ
Oculus Rift:1,990円 Oculusストア購入ページ
PSVR:2,276円 PS Store購入ページ

プレイ人数

1人