「今回のライブは、観てくださるみなさんに向けて『生のライブを今、あなたに届けているんだよ』というところをすごく大事にして。リハーサルから『できるだけ、いつも通りのライブをやろう』というところにも気をつけていました。ただ、ライブ自体はガッチガチに緊張したところからはじまりまして(笑)。背中をバシッと叩いてもらって、円陣を組む……っていうライブのルーティンすら忘れていたぐらいなんです。いかに普段ライブを作りあげるなかで、皆さんのパワーを感じながら歌わせてもらっているのかというのを、改めて強く感じましたね」
ライブでは、3か月連続でリリースされた『Theater of Life』『Realize』『舞い降りてきた雪』も披露。デビュー当時は“15歳の天才少女”と騒がれた鈴木も、今年デビュー8年目だ。
「先日のライブは、自分の歌やアニメソング、聴いてくださる皆さんに対しての気持ちを改めて確認できたような感覚がありました。しかも、その気持ちが前よりも倍増していることも強く感じて。『自分、こんなに歌好きだったんだなぁ』という、すごくシンプルだけどいちばん核心的なものも含めて、本当に初心を思い出すきっかけになりました」
活動の延期はつらい経験だったが、それをしっかりと肥やしにすることができたよう。前向きな姿勢で届ける歌声は、これまでよりも一層輝きを増すのは間違い無さそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.151(2020年8月26日発売/太田出版)