21年前の朝、目が覚めたらぼくは「殺人犯」の息子になっていた――和歌山カレー事件、その瞬間に人生が一変してしまった林家の子どもたち。住む場所を探す、仕事に就く、そして好きな相手と結婚する、ということすらままならない日々。
長男が沈黙を破り初の著書を刊行しポートレートを公開したことも話題になっている。 一方で、いまだこの事件は動機も未解明で物証も見つからず、林眞須美・健治夫妻も一貫して無罪を主張している。 そんな和歌山カレー事件、林眞須美死刑囚の長男が、タブーなき言論空間“ロフトプラスワン”大阪&新宿に登壇。生の声で語る、息子が見た「事件の真相」、死刑囚の子供として「生きること」とは。 事件後から今に至るまでの彼の人生は、 いじめ、 暴力、 差別による筆舌に尽くしがたい苦労と辛酸を舐める日々の連続だった。 事件後の10月、 林眞須美・健治夫妻が自宅で逮捕されたが、 その日から林家の子どもたちの人生は一変、 入所した児童相談所では、 初日から陰湿かつ凄惨ないじめが始まり、 その後移った児童養護施設では、 子供たち、 職員までもが率先して、 彼らに暴力、 いやがらせなどを行った。
社会に出てからは、 不当な解雇や婚約破棄を経験、 結果彼は、 住む場所を探す、 仕事に就く、 そして好きな相手と結婚するといった、 「普通の生活」すらままならない日々が続いている。しかし、 彼はそうした状況を冷静に受け止め、 今日も懸命に生きている。 ■林眞須美死刑囚長男 1987年、和歌山市生まれ。98年7月に発生した「和歌山毒物混入カレー事件」の“犯人"として逮捕された林眞須美死刑囚の長男。事件後、小学校5年から高校3年まで和歌山市内の養護施設で暮らす。現在は会社勤めをしながら、主にツイッター、ならびに各種メディアを通じて母の様子やカレー事件について