2010年夏、自衛隊員の間で一冊の本が話題となっていた。航空自衛官の最高位である元空将の佐藤守氏が上梓した『実録・自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO』(講談社)である。


何人もの自衛隊パイロットたちが実名でUFOとの遭遇体験を告白する内容に衝撃を受けた本誌は当時、緊急インタビューを敢行した。

佐藤氏は、その後も人知れず独自にUFO情報を取材。そしてついに「ある結論」にたどり着いたのだという。4年ぶりのインタビューに際し、佐藤氏はこう断言した。

「やはり、日本の上空にUFOはウヨウヨいます!」

 * * *

―この4年間、さらに地道な取材を続けた結果、UFOの存在について確信を深めたということでしょうか。

佐藤 まず、「UFO」とは宇宙人の乗り物だけを表す言葉ではありません。
「Unidentified Flying Object(未確認飛行物体)」の文字どおり、「正体を確認できない飛行物体」すべてを指す。日本の領空を守る任務を負っていた私は、安全保障の問題としてこのような正体不明機について国がまじめに情報収集し、分析すべきだと主張し続けているのです。

現場のパイロットがUFOを目撃しても、書いた報告書が握り潰されたり、意見すれば「精神的におかしくなった」と言われ、昇進できなくなる。そんな現実に真っ向からNOと言ってきました。むしろ、パイロットにはUFOの報告義務を課すべきです。

―これまでは、UFOの目撃情報が黙殺されてきたと。


佐藤 特に近年は、極東地域にきな臭い雰囲気が漂う。未確認飛行物体を無視したら中国の極秘開発戦闘機だった――そんなことになってからでは遅い! だからこそ、UFOのデータを積み重ねていかなくてはならないのです。この立場は一貫して変わっていません。

その上で、近年のUFO情報についてお話しします。前回のインタビューの後、2011年3月に東京電力福島第一原発事故が起きましたが、直後に原発周辺でUFOに関する多くの目撃情報が上がりました。まず、このことに注目したのです。
―しかし、事故直後は米軍の高々度無人偵察機「グローバルホーク」が、原発付近を中心に被災地を低空飛行していましたよね。その目撃情報ではないでしょうか?

佐藤 ええ、多くはそうでしょう。テレビのニュース映像に映った見慣れないグローバルホークをUFOだと指摘している人もいましたから。しかし、すべての目撃情報がそうとは言い切れません。実際、動画サイトにはグローバルホークよりも素早く動く飛行物体や、はるかに小さい飛行物体の映像がアップされています。

私がなぜ原発とUFOを結びつけるのかといえば、実は同じようなことが過去にも起きているからです。
1986年に発生した旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故では、直後に未確認飛行物体が現れ、損傷が激しかった第4原子炉に光線を放つ姿が、現場の技術者に目撃されたという報告があります。

さらに遡(さかのぼ)ると、アメリカでは原子爆弾開発計画の中心だったニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所や、核ミサイル基地などでUFOの目撃報告がある。中国でも近年、核物質が貯蔵されていることが明らかになっている陝西(せんせい)省の「基地二二」周辺でUFOが目撃されています。

そして、私が空自のパイロットからUFOの情報を集めたところ、特に目撃証言が集中したのは宮城県の松島基地周辺。同基地から約25km東には、東北電力女川(おながわ)原発があります。

―つまり、核関連施設近辺でUFOの目撃情報が多いと?

佐藤 実際、アメリカのニューハンプシャー州にあるサンリバー研究所のドナルド・ジョンソン博士が『核施設はUFOを引きつけるのか?』という論文を書いている。
そのなかで、核施設のある郡では、ない場合に(統計的に)予測される件数と比べて3051件も多い目撃報告があると指摘しています。

これについては研究者によって意見が分かれますが、UFOに搭乗している、もしくは遠隔操作している知的生命体が核・原発に多大な関心を持っていることを示唆していると考えていいのではないでしょうか。

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“空のプロ”たちの確かな目撃情報をもとにたどり着いた驚異の結論。はたして、“核”に大きな関心を抱いているとして、真の目的は?

(取材/松村バウ[中野エディット])

※発売中の「週刊プレイボーイ」1&2合併号では、佐藤氏がスカイツリー上空のステルス戦闘機では再現不可能なUFO映像についても詳説!

■「週刊プレイボーイ」1&2合併号(12月25日発売)より

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