米フロリダ州で、毎年の誕生日を寂しく過ごしていた自閉症の少年のために慈善団体が地域住民と協力し13歳の誕生日を盛大に祝った。母親は「このパーティーが、息子のためだけでなく同じようにいじめを受けている子たちへのサポートになれば」と話している。
『Inside Edition』や『WPEC CBS 12』などが伝えた。

フロリダ州ポートセントルーシーに暮らす自閉症スペクトラムのウィリアム・モラレス君(13歳)は、これまで誕生日を友人に祝ってもらった経験がない。母のトリシアさん曰く、ウィリアム君が幼稚園か小学1年生の頃に1人だけパーティーに来てくれた以外は、誰かの誕生日に招待されることもなかったそうだ。

「誕生日はすごく退屈だし、いつも一人だから大嫌いなんだ」と言うウィリアム君は、学校でも友人がおらずいじめの対象になっている。それゆえ今回の13歳の誕生日も、一人で過ごすのだろうと思っていた。

「夏の間、息子は『学校に行きたくない』とばかり言っていました。
また学校でいじめにあうことを不安に思っているのです。葛藤している我が子を見ることほど、親にとって辛いものはありません」とトリシアさんは話す。

そこで息子に何か特別なことをしてあげたいと思った両親は、非営利団体「Cherab Foundation」が企画し誕生日会を専門に行う「CrowdFunnit」のボランティアたちの協力を得て、8月20日にウィリアム君のための13歳の誕生パーティーを地元にある「Superplay USA」というイベント会場で催すことを思い立った。

地元警察官や軍隊、モーターバイク集団のほか、スター・ウォーズのストームトルーパーやチューバッカ、ゴーストバスターズなど様々なキャラクターに扮したメンバーが続々とウィリアム君をお祝いするために駆けつけた。

普段とまるで違う誕生日を迎えたウィリアム君は、大勢の人が来てくれたことに驚きと喜びを隠せず「去年はいじめが酷かったから学校に行くのが全然楽しくなかったんだ。他の人には僕のような思いをして欲しくない」と心境を吐露している。


そしてトリシアさんは、母としての思いをこのように明かした。

「息子は他の子とは異なります。でもそれは何も悪いことではありません。ただ受け入れることが大切なのではないでしょうか。私はいじめを許すことはできませんし、許すつもりもありません。今回のパーティーは息子だけが対象ではなく、息子のようにいじめに遭っている子供たちにも『君は一人じゃないんだよ』と伝えサポートする意味でもあるのです。」

なお今回のパーティーを企画した「CrowdFunnit」は、いじめに葛藤している子供たちのサポートのために全米で似たようなパーティーを催しており、フロリダ州ではこのウィリアム君の誕生パーティーが初になるという。


画像は『Inside Edition 2017年8月21日付「Community Bands Together to Celebrate 13th Birthday of Teen With Autism」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)