2017年11月、北京の朝陽区にある「RYB Education New World kindergarten(紅黄藍幼稚園)」で、当時22歳の女教諭による児童虐待事件が起こった。
米ニューヨークに運営拠点を置く「RYB Education」は、中国全土で500もの幼稚園を運営するだけでなく、6歳以下の子供たちのための学習センターを約1,300店舗にわたり展開している。中国語と英語を学ぶバイリンガル児童のための富裕層を対象とした幼稚園として著名なだけに、この騒動は中国全土で大きなスキャンダルとして報じられた。
園児の親が、我が子の腕や大腿部に針で刺されたような痕があることに気付き、通報したことで事態が公になった。
園側はソーシャルメディアの公式アカウントにて今回の事件について謝罪の言葉を綴ったが、中国ソーシャルメディア『Weibo(ウェイボー)』のユーザーからは「こんな判決では犯罪を容認しているようなもの」「処罰が軽すぎる」「この女教諭には、一生涯教育機関での勤務を禁じるべきだ」といった批判が殺到した。また、このようなことが起こるのは教育関係者の監督不行き届きだと教育関係者への処罰を求める声もあがったが、北京の教育関係者3人を捜査対象にしていた警察では、その後の進展を明らかにしていない。
地元メディアによると、実は「RYB Education」がこうした事件を起こすのは初めてではないという。2016年に吉林省にある同企業の幼稚園で2名の教諭が子供らの頭や口、お尻などを縫い針で刺したとして2年10か月の懲役刑が下された。昨年4月には北京の幼稚園でも複数の教諭が1人の子供をベッドに放り投げたり、別の子供の背中を蹴ったりしている映像が公になり、この園の校長が停職処分を受けている。
画像は『The Straits Times 2018年12月28日付「China daycare teacher jailed 18 months over ‘needle’ scandal」(PHOTO: EPA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)