何にイラついていたのか。このほどアメリカのバス車内で乗客に悪態をついていた女が、その態度を改めるよう高齢者の男性に注意されたことで男性を突き飛ばして死なせてしまった。
『Las Vegas Sun Newspaper』『PEOPLE.com』などが伝えている。

今月6日、米ネバダ州ラスベガスで高齢者の男性を殺害した容疑でカデシャ・ミシェル・ビショップ(Cadesha Michelle Bishop、25)が逮捕された。事件は今年3月21日午後4時50分頃のことで、その一部始終をバス車内のセキュリティカメラが映像に収めていた。

当時、ラスベガス市内のフレモント通りを走行中のバス車内でカデシャは乗客らに悪態をついていたようだ。その様子を見かねたサージ・フルニエさん(Serge Fournier、74)が、バスを降りる際に「(みんなに)感じ良く接しなさい」とカデシャに注意した。

このサージさんの言葉に不満を爆発させたカデシャは、バスの乗降口付近で歩行が少し不自由なサージさんの背中を思いきり車外に向けて突き飛ばした。
サージさんの体は乗降ステップから飛ぶようにして約8フィート(約2メートル半)ほど先のコンクリートの地面へと頭を叩きつけるようにして倒れた。

サージさんは頭から流血し、その場から動くことができない状態だった。カデシャは自分の息子の手を引いてその場から逃げ去った。通報によって駆けつけた警察官が血まみれのサージさんを確認し、病院に搬送された。

しかしながらサージさんは4月23日にホスピスにて亡くなった。家族は悲しみに暮れながらも今月3日に警察へ通報し、クラーク郡検視事務所でサージさんの死因が調べられることになった。
その結果、身体への打撃による鈍的外傷から合併症を起こしたことによるものと断定された。

これによりサージさんの死は殺人として扱われることなった。警察はバス内のセキュリティカメラの映像からカデシャを突き止め、通報をうけてから3日後に逮捕した。のちの警察の報告では、カデシャは2012年と2013年に家庭内暴力で微罪処分を受けていたことが明らかになった。

警察がカデシャの元パートナーの男性に事情を聞いたところ、「彼女はあまりにも狂暴すぎる」と話していたとのことだ。現在のカデシャは10万ドル(約1,100万円)の保釈金設定でクラーク郡拘置所に勾留されており、今月21日に予備審問が行われる予定になっている。




画像は『Las Vegas Sun Newspaper 2019年5月8日付「Police: Woman violently shoved elderly man out of bus, causing death」(METRO POLICE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)