多くの人が普段何気なく使用しているドリンクボトル。しかし子供にとってこれが危険だとは誰が想像できるだろうか。
このほどイギリスで、6歳男児がドリンクボトルの飲み口に舌がスッポリと挟まってしまい抜けなくなってしまった。その後、舌は壊死しているかのように真っ黒になり、深刻な状態に陥ったことを『The Sun』『Mirror』などが伝えている。

英ランカスター在住の2児の母親クレア・ウッフさん(Clare Wooff、33)は、先月19日に「人生で最も恐ろしい日」を経験したと語る。その日、クレアさんは6歳の息子ライリー君(Riley)を車に乗せて買い物に向かった。

すると車を走らせている途中で、後部座席に座っていたライリー君が何やら騒ぎ始めた。ライリー君に目をやると、飲んでいたドリンクボトルの飲み口に舌が挟まってしまったのだ。
クレアさんは車を道路脇に停め、すぐにライリー君の舌を飲み口から取り外そうとした。

簡単に外せると思ったクレアさんだったが、飲み口の小さな穴にライリー君の舌はしっかりと入り込んで簡単には抜けなかった。そのうちライリー君は怖くなったのか、「救急車を呼んでほしい」と伝えた。

クレアさんは救急車よりも車で向かった方が早いと判断したのか、そのまま車をランカスター・ロイヤル診療所の救急センターへと走らせた。しかし到着後、数人の医師が飲み口を取り外そうとしたがうまくいかなかったようだ。その間に舌はみるみる腫れて黒く変色し、ライリー君は動揺して泣き叫んでしまった。


また診療所では飲み口を取り除くための機器が無かったため、別の病院へ搬送することも検討したが、その病院は診療所から1時間半も離れていた。すでに呼吸が苦しそうなライリー君を見て、クレアさんはこのまま搬送するのは危険だと察した。

そして引き続き診療所で対応することになったが、クレアさんは医師から少し大掛かりな処置が必要となり、それは命の危険も伴うこともあると告げられた。

「これは本当に危険です。我々が飲み口をカットし取り外した瞬間、膨張した舌が喉の奥を塞ぎ、呼吸ができなくなるかもしれません。もしかしたら気管切開が必要となり、集中治療室に入院することになります。」

医師の言葉にクレアさんは頭が真っ白になってしまった。
しかも舌には太い静脈があるため、飲み口を取り外した瞬間に体中の血液が一気に流れ、心臓発作を起こすリスクもあると言われた。

その後はライリー君に鎮静剤が投与され、10人ほどの医療スタッフがチームを組んで飲み口の取り外し処置にあたった。クレアさんが心配する中、なんとか気道を塞ぐことなくライリー君の舌から飲み口を取りはずすことに成功した。

ライリー君は病院で一夜を過ごした後に退院できたが、まだ舌が腫れていることからうまく話すことができなかったようだ。またクレアさんは、今回のことを教訓にドリンクボトルの危険な落とし穴について訴えた。

「似たようなドリンクボトルをランチボックスと一緒に子供に持たせるというのは日常的なことだと思いますが、それは危険を伴います。
お子さんを持つご両親にお伝えます。それらはすぐに捨ててください。たとえ大人でも簡単にボトルの飲み口に舌が挟まることがあります。」

「全てのドリンクボトルの飲み口には、舌を保護するようなパッドをつけるなどの工夫が施されていなければならないと思います。」

今回ライリー君が使用したドリンクボトルはイギリスを拠点とする大手スーパーマーケット「セインズベリーズ」のオリジナル商品だったことから、クレアさんは同社へもボトルの回収を呼びかけた。

後にセインズベリーズから「今回の件は我が社にとっても初めてのケースですが、現在ボトルの製造元と調査を進めています。ライリー君が早く回復することをお祈りいたします」とコメントが発表された。

なお現在、ライリー君の容体は回復に向かっているとのことだ。


画像は『The Sun 2019年7月25日付「‘HE NEARLY DIED’ Boy, 6, ‘needed life-saving operation’ to free tongue stuck in Sainsbury’s water bottle lid」(Credit: KENNEDY NEWS AND MEDIA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)