JR東日本が、交通系ICカード「Suica」のようにタッチして乗車できる新たなシステム「NFC乗車サービス」の実証実験を開始。なぜSuicaに加え、それを展開するのでしょうか。
JR東日本が2021年9月16日(木)から、交通系ICカード「Suica」のようにスマホをタッチして乗車する新しいシステム「NFC乗車サービス」の実証実験を、「お台場レインボーバス」(品川・田町~お台場エリア)で始めます。
乗車にあたっては、まずJR東日本のMaaSアプリ「Ringo Pass」を起動。地図上から乗車するバス停留所、乗車人数を選んでから、バス運賃箱に用意されている「NFCタグ」にスマホをタッチ。そこで利用実績が登録され、同時にその情報がバス乗務員のタブレットへ伝わって乗車完了、という流れです。
スマホを運賃箱のNFCタグにタッチして乗車(2021年9月14日、恵 知仁撮影)。
交通系ICカードと違いアプリを開く必要がありますが、交通系ICカードと違って複数人での乗車も1回のタッチでOK。決済は月2回、「Ringo Pass」に登録したクレジットカードから利用実績に基づいて行われます。
実証実験開始にともない、JRE POINTを200ポイントプレゼントする「Ringo Passでお台場レインボーバスにキャッシュレス乗車!」キャンペーンも、9月16日(木)から11月30日(火)にかけて実施されます。
なお、お台場レインボーバスは均一運賃で、大人220円、子ども110円です。
Suicaあるのになぜ「NFC乗車サービス」を展開? そのメリット・目的とはこのNFC乗車サービスは、キャッシュレス乗車を事業者が導入しやすいのが特徴。JR東日本の担当者によると、交通系ICカードとくらべ初期費用もランニングコストもだいぶ低いとのこと。
左のパネル状のものにNFCタグが仕込まれている(2021年9月14日、恵 知仁撮影)。
JR東日本は、こうしたNFC乗車サービスなどによって、鉄道からつながる移動をシームレスにしていく構想を経営ビジョンに掲げており、あわせて、それを地域振興にもつなげて行ければと考えているといいます。
今回の実証実験では、青色の4本線による共通タッチマーク「s-Touch」も考案されました。今後、コストが低くて設置も容易なNFCタグの特性を生かし、交通系ICカードなどの導入が難しい小規模の店舗や小型自販機など、乗車に限らない様々なシーンでの活用を
考えているそうです。