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タカハシさんの衝撃デビュー作は、アメリカの読者にどう受け取られるか?

       
本屋でアルバイトをしていたとき、外国人のお客様に「『台所』ありますか?」とカタコトの日本語で聞かれたことがある。よくよく聞いてみるとそれは、よしもとばななの『キッチン』のことだった。

よしもとばななや村上春樹は海外でも支持を得ているけれど、日本文学といえば海外では今だに“ミシマ”や“カワバタ”であり、現代作家はほとんど読まれていないというのが現状だ。

インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(3/23付け、以下IHT)には、ニューヨークを拠点とする出版社VERTICALについての記事が掲載されている。昨年『リング』(鈴木光司)の翻訳を出したあの出版社で、これまでにBUDDHA(『ブッダ』/手塚治虫)、Twinkle Twinkle(『きらきらひかる』/江國香織)、Outlet(『コンセント』/田口ランディ)など、日本のエンターテインメント小説をアメリカ市場に送り出してきた。IHTの記事は、書評欄では好意的に扱われるこれらの本が、売り上げ面ではまだまだ難しいことを物語っている。

今回そのVERTICALから、高橋源一郎の『さようなら、ギャングたち』の翻訳「SAYONARA,GANGSTERS」として発刊されたので紹介してみたい。

『さようなら、ギャングたち』は、タカハシさんのデビュー作であり、81年の群像新人長篇小説賞優秀賞受賞作(ちなみに村上龍は76年、春樹は79年の群像新人文学賞の受賞者)。当時、吉本隆明が「現在までのところポップ文学の最高の作品」と絶賛した作品で、「SAYONARA」はよしもとばななの本の翻訳者として知られるマイケル・エメリックが翻訳を手掛ける。3月末からニューヨーク、ロス、トロントなどを訪れ、朗読会などを行った模様だ。詳細は公式サイトの日記ページを読んでほしい。

 この作品は、これまでVERTICALが取り組んできた作品とはひと味違う、日本文学の異端的作品で、VERTICALにとって大きな賭けになるだろう。

 まず主人公である詩人の「わたし」の恋人の名は「中島みゆきソング・ブック」であり(amazon.comの説明をみるとこれはそのまま「Nakajima Miyuki Song Book」と訳されていた!)、作中に大島弓子のマンガがそのまま引用されていたり、言葉にこだわる作家・タカハシさんのデビュー作にマイケル・エメリックがどう手を加えたかも見物である。

 はたしてタカハシさんの衝撃デビュー作は、アメリカの読者にどう受け取られるのか? Googleを何時間も回ったが、「Genichiro Takahashi」に関する読者の声は現在のところamazon.comのコメント2件のみであった。しかしどちらの評価も高いようだが、まだまだこれからが勝負である。
(エキサイトニュース編集部 shelf life)

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2004年4月19日のコネタ記事

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