今年の夏休み期間中の海外旅行は約378万人で過去最高だったそうだ。

旅行といえば日本独特の慣習ともいえる「修学旅行」がある。
この修学旅行、てっきり日本だけのものかと思っていたがそうではないらしい。最近では中国や韓国でも行われていて日本が旅行先という学校もある。

日本の修学旅行がいつから始まったかというと歴史は古く、なんと明治19年(1886)。東京師範学校(現在の筑波大)が初めて千葉の房総半島に11日間の「長途遠足」をしたことに始まるといわれている。「長途遠足」とはいいつつも、実態は「行軍」、いわゆる軍事教練で体験学習は発火演習というもの。何とも時代を感じさせる話である。


そしてもう一つ、明治時代の気概を感じられる事実を発見。今では海外への修学旅行は珍しいものではなくなったが、明治の時代にも海外に出かけていた学校があったのだ。それも商業実習のための「行商」旅行というからおもしろい。

「行商」旅行を実施していたのは福岡市商業学校(現在の福翔高校)で明治35年(1902)、夏休みを利用して海を渡り、韓国まで出かけていた。

「福商100年史」によると、生徒たちは博多港から出発し、船で釜山に上陸、その後ピョンヤンやソウルにまで足を伸ばしている。彼らは「商」の字の制帽をかぶり博多織や財布、筆、墨、歯磨きなど小間物を持ってチームを組み、約1ヶ月各地を売り歩いたらしい。
行商先は主に日本人居留地だったということもあるが、小学校の職員室に飛び込んで商品を陳列して大量に売りさばいたり、宿屋の広間で店を開いたり、なかなか気合の入った行商ぶり。

いやぁ、明治時代の高校生はたくましかったのであります。(こや)