デートで行きたい、銀行の金庫室
(左)金庫室の奥にも展示が。(右)サイボーグのような金庫の扉
いくら大人になっても、どんなにお金を積んでも、「行けない場所」というのはあるわけで、たとえば「銀行の金庫室」なんてのもそのひとつ。たぶん一生に一度も入る機会がないであろうそんな金庫室に入れちゃうのが、横浜の「BankART(バンカート)1929」である。

「BankART 1929」とは、1929年に建てられたふたつの歴史的建造物を、展覧会などの文化活動に活用しようというプロジェクト。会場となっているのは、横浜市中区本町の旧第一銀行と旧富士銀行だ。

そのひとつ、今「BankART 1929 馬車道」となっている旧富士銀行は、つい最近まで銀行として使われていた建物。たくさんの人(とお金!)が出入りしていた雰囲気が今もあちこちに残っていて、見てまわってるだけでもワクワクしてくる。なかでも気になるのが金庫室。厚さ20センチはあろうかといういぶし銀の金庫の扉は、かなり迫力アリ! いかにも頑丈そうなその扉の前にいるだけで、気分は『オーシャンズ11』である(なんか間違ってる?)。各部屋の「応接室」「支店長室」なんてプレートが健在なのも、ちょっとうれしいのだ。

私が訪れたときは写真展「横濱写真館」が開催されていたのだが、その後もいろいろ映画会や展覧会、レクチャー、イベントなどが予定されている。と、そんな「BankART 1929 馬車道」なんですが、来春ここに東京芸術大学の大学院が新設されることが決定、この建物を味わえるのも年内までになってしまった(BankART1929は、2005年1月からは近くの元倉庫だった建物を
「BankART Studio(仮称)」として活用することに。なお、旧第一銀行「BankART 1929 Yokohama」は引き続き使用)。

残念だけど、たくさんの名建築が知らぬまに消えてゆく昨今、こうしてもう一度いろんな人が訪れる機会があっただけでも、幸運な建物だったのかもしれませんね。
(矢部智子)