
雪かきと外出もままならない毎日が続き、うんざりする住人をよそに、「こんな時は、皆家ですごしがちになり、9ヶ月後にはベビーブームが来る。」と、息巻いているのは公衆衛生局の方々。
そんなの余計なお世話、と思うのだが、案外一般的にそう思われているらしい。
その説が広まったのは、1995年のニューヨーク大停電の9ヶ月後、マーチン・トルチン記者が書いた「時ならぬベビーブームが起こっている」という記事がニューヨーク・タイムズに掲載されてから。なにを根拠に書かれたのか、停電だけに、真相は闇の中だが、その後、公衆衛生学者や産婦人科医らの論文も発表されて、なんとなく納得させられた感じ。今や都市伝説化している。
真偽を確かめるべく、コロンビア大学都市社会心理学の教授に伺ったところ、「イギリスで流行ったジョークを元に、新聞記者がおもしろおかしく書いたのではないか。」とのこと。
でも人の心をぐわしと掴んだこの説は、停電があったり、大雪が降ったり、スーパーボールで地元フットボールチームが優勝したり、と、なにか起こると必ず出てくる。ニューヨークテロの後もちょっと論調を変えて出て来た。事実、すこーしだが出生率が上がってたりするので、信憑性が増す。
でもまあ、仲良きことは美しき哉。「デヘヘ、寒かったからつい盛り上がっちゃって。」と言い訳するのもよし。9ヶ月後のベビーブームを楽しみにしてるぜ。(チン・ペーペー)