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大正の雑誌に見るヘンテコ学説

仕事がら、図書館で古い雑誌などを見ることがある。
先日も大正時代の調べ事があって『太陽』を閲覧。手に取ったのは希望する号ではないものだったが、ふと目次に目を通すと、この号は特別号で一冊丸ごと健康特集になっていた。
これはコネタの匂いプンプンとさっそく中身を読んでみることにした。

『太陽』は明治、大正時代の出版界をリードしてきた出版社、博文館が出していた総合雑誌。明治28(1895)年1月〜から昭和3(1928)年2月まで出版されていた。私の見た号は大正13(1924)年6月15日発行の第30巻8号「博文館創業37周年記念増刊」で、「最近保健の研究」と題して健康に関する研究や考察をお医者さんや海外の識者が書いているものだった。
いくつか目次のタイトルから拾ってみると「人体のエネルギー要求」、「薬草の効能とその伝説」、「大食、小食、美食、粗食」、「恐ろしい病気の原因と治療法」、「やせる工夫と実験」、「若返り呼吸法」といった現在の雑誌にも通じるものが並んでいる。が、中には「小児の鼻たらしについて」、「チフスの前兆と手当て」といった時代ならではのものも。そして「青春と性欲」、「陰萎と睾丸エキスの話」と男性のお悩み定番? といったものもあり、読者獲得の戦略も垣間見える。

そんな中、ひときわ目を引いたのが「足長と胴長の研究」というもの。人の手足の長短は能力を測る尺度となる、というトンデモ学説だ。
記事を書いているのはヘンリー・エガレットという人物。学者ではないようだが、「ニューヨークの有名な神経及び精神病学者のサント・ナツカリチ博士(原文ママ)」の研究、実験結果を紹介するとともに自分なりの考察をしている。

記事の内容をかいつまんで言うと、「体のわりに手足の長い人(=小躯長足)は頭を使う能力が優れているから知能を主とする仕事に向いている。体が大きいのに手足の短い人(=大躯短足)は頭を使う仕事より体を動かす仕事が向いている」というもの。
手足の長さと体の大きさのバランスを知るにはある数値をはじきだす。
その数値を測定する方法は体(=胴体)の容積(cm3)を手と足の長さの全長(cm)で割るというもの。体の容積はメジャーで部分ごとに細かく寸法を測ると書かれている。思わず「おい、おい他にもっといい方法があるだろう」とツッコミを入れたくなるほどの細かい測定方法だ。
実際に私も自分がどのタイプか調べようとしたが、胴体の容積を計るのは容易でないので諦めた。

面白いのが当時の著名人についてどちらのタイプか断定しているところで、ワシントン、リンカーン、ニコラ・テスラ、ライト兄弟、ロックフェラー、自動車界の重鎮ヘンリー・フォードは小躯長足で優れた頭脳の持ち主としている。発明王トーマス・エジソンは小躯長足でも大躯短足でもなく普通型としている。この普通型は「両方のタイプの人が混在しているので一概に言えない」のだそうだ。
ちなみにどうやって彼らの体の容積と手足の長さを測ったかは触れていない。

当時、どのくらいの人がこの説を真剣に見たかはわからないが、この手の話は今も昔も好きな人っているんだろうな。
そして、さらに科学小説も4本掲載されている。
「飢餓迫る」、「怪星」、「一秒間の出来事」、そして「大男と一寸法師」……。科学小説「大男と一寸法師」って……。次回、時間があったら是非読破してみたいと思います。
(こや)

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2006年5月28日のコネタ記事

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