その名も「ひこにゃん」という、兜をかぶった猫で、ゆるさとかわいさを兼ね揃えたキャラクターである。
ご存知の人も多いことと思うが、「ひこにゃん」は、天下の名城の一つに数えられる彦根藩井伊家の居城「彦根城」の築城を記念し、今年3月21日から開催されている『国宝・彦根城築城400年祭』の公式キャラクターである。
だから、彦根の「ひこ」と猫の「にゃん」で「ひこにゃん」。非常にわかりやすい。でもなぜ猫なのか? それは、第2代彦根藩主、井伊直孝公をお寺の門前で手招きして雷雨から救った言い伝えのある“招き猫”をモチーフにしているから。そして井伊軍団のシンボルとも言える赤備えの兜を合わせているのだとか。
「ひこにゃん」の活躍ぶりがわかるサイト「ひこにゃん倶楽部」をみるだけでも、「ひこにゃん」がかなり活動的だということがわかる。フォトギャラリーには自由に動きまわる「ひこにゃん」の姿がいっぱいなのだ。PRでお城の周辺を散歩したり、地方を代表する別のキャラたちと挨拶したり、地元の人たちと触れ合ったり、食べたり、とにかくよく動いている様子。
さっそく『国宝・彦根城築城400年祭』の広報の方に「ひこにゃん」についていろいろ伺ってみた。すると、「ひこにゃんは、大変な人気を得ている状況で、全国各地から着ぐるみひこにゃんに大勢の方が会いに彦根に来ていただいております。地元からは400年祭が終了しても引き続き彦根市の広報役などとして、その存在を残してほしいといった声があります」とのこと。すでに彦根市の顔となっている、相当な人気者!
その人気はキャラクターグッズをみれば納得。
さらに、「ひこにゃん」の特技に「ひこにゃんじゃんけん」とあるが、これは一体……?! 伺ってみると、「ひこにゃんが両手を使ってする、じゃんけんです。ひこにゃんの手では通常のじゃんけんのグー、チョキ、パーを表現することが難しかったため、両手で表現するようしたのです。PRキャンペーンで他都市に出向いた時にお客様向けのじゃんけんミニゲームを行うこととなり、そのため即興で開発されてのがそもそもの発端です」とのこと。ほほえましいエピソードである。
ふだんは彦根城付近で活動をしている「ひこにゃん」だが、ときどき、『国宝・彦根城築城400年祭』のPRキャンペーンなどで東京や大阪、名古屋などの都市に出張することもあるという。一度、「ひこにゃん」に会って、ひこにゃんじゃんけんしてみたい!
『国宝・彦根城築城400年祭』は11月25日まで開催中。井伊直孝公もきっと遠くのどこかであたたかく「ひこにゃん」の活躍を見守っていることでしょう。
(田辺 香)
・国宝・彦根城築城400年祭HP*イベントやひこにゃん情報
・ひこにゃん倶楽部*上記サイト内