今までは香水というと海外ブランドのイメージしかなかったけど、こんな風に日本の花々をモチーフにした香水もあったんですね。でも、こういう和の香りってフレグランスの世界では珍しいのでは?
気になる和の香水「フローラル・フォーシーズンズ」シリーズの製造販売を手がけている、武蔵野ワークスの原田さんに聞いてみた。
「確かに『フローラル・フォーシーズンズ』は、ほかではあまり手に入らない和の香りが多いかもしれません。香水コレクターの方なども、当社のネット通販でよく注文されます」
武蔵野ワークスが和をテーマにした香水を作るようになったのは、日本人によく合う香りを追求した結果だという。
「たとえばヨーロッパを旅行中、現地で気に入った香水をお土産に買ったとしますよね。でも日本で同じ香りを嗅いでみて、『現地で受けた印象とちょっと違う』と感じたことはありませんか? 香りというのは気候や湿度、さらにはそこに住む人の肌質や体臭によっても、微妙に変化するものなんです。
香水の本場、ヨーロッパにはすばらしい香りがたくさんありますが、やはり現地で使ってこそベストの香りだちが楽しめます。今、日本にある多くの香水はヨーロッパのものが主流ですが、日本人が日本でつける香水があってもいいじゃないかということでスタートしたのが、この『フローラル・フォーシーズンズ』なんです」
なるほど、言われてみれば確かに、日本と欧米では環境も体質も違いますよね。納得。
原田さんたちはこれまでに「星座」「花火」「螢」をはじめ、花以外のさまざまなテーマにも挑戦してきたが、「日本人に合う香り」という基本スタンスは創業以来ずっと守り続けているそう。
日本人に合う香りを試行錯誤する中で、あらためて発見したことってありますか?
「身の回りで何気なく咲いている花には、実はすごいチカラがあるんじゃないかと思うようになりましたね。私たちは身近な花の香りに癒されるし、その香りは日本の風土や気候にとてもマッチするということに気づきました」
ちなみに人気の香りベスト3は、「沈丁花」「金木犀」「白檀」。やはり海外ブランドにはない、日本ならではの香りが上位を占めている模様です。
「沈丁花」と「金木犀」は街角に花の香りが漂い始めると、どんどん注文が増えるとか。香木の渋い香りに墨の香りをプラスした「白檀」は、男性のリピーターもいるそう。私も店頭で試してみましたが、しっとり趣のある香りで和服にも合いそうでした。
知れば知るほど奥深い香りの世界。私も自分にマッチする和の香りを見つけて、日本美人をめざさねばと心に誓ったのでした。
(藤井春香)
※伊勢丹新宿本店「BPQC」は2008年8月に閉店しました
・香水の武蔵野ワークスHP