動画共有サイトYouTubeが設立されたのは2005年2月のこと。仲間同士でビデオを閲覧できるように、と考えたのがきっかけだそう。それは瞬く間にインターネットユーザーたちの間で広まり、今では同じような動画共有サイトが多数開設されている。
もともと芝居っ気の強いというか、エンターテイメント性に長けているアメリカ人たちが、そんなおいしい遊び場を放っておくはずがない。こぞって自分が登場するビデオを撮って、ドンドンアップしていく。
ただひたすら毎日自分の顔をデジカメで撮って、6年分をつなげただけのNoahのビデオや、世界中を旅して奇妙なダンスをし続けるMattのビデオは、映像の斬新さとオリジナル音楽とシンプルなコンセプトが受け、既に閲覧回数が900万回を越えるメガヒットとなった。そのままある企業のテレビCMとして採用されている。
メディアが注目するようになると、メジャーデビューを目指す、スーパー超テクのギタリストや、オリジナルソングを披露するシンガー、コメディアン、謎のマジシャンなど、セルフプロモートの格好の場としても利用されてきた。ネットで十分実力が試されるのだから、メディアもいいスカウトの場にもなっていることだろう。
もうひとつの傾向として、個人の公開ビデオブログから人気になるケースがある。
奇行が続くブリトニー・スピアーズのことを心配するあまり、泣きながらカメラに向かって“Leave Britney alone!”と叫んでいたChris Crockerは、そのおネエキャラとあいまって、賛否両論すぐ話題に。彼をパロディにするビデオがアップされ、またそれに本気で切れる彼の罵りのビデオまで公開して、とうとうテレビのバラエティ番組に登場する有名人にまで成り上がってしまった。すぐに飽きられないことを祈るばかり。
ボーダレスなネットの世界は、国境をも越えることができる。
アメリカのペンシルバニア州のど田舎から、幼い表情とつぶらな瞳で、ひたすら無言のままじっと見つめるビデオブログをアップしていたマギボンは、ユーザー間では、かわいいぶりっこの不思議ちゃんとして認知されていたが、なんと日本のサブカルおたくでもあった。
ある日突然片言の日本語で「いつか日本に行きたい」と宣言し、あみんの「待つわ」を歌いだしたのだ。しかもそんな彼女をみつけた、先見の明のある奇特なボーイたちの立てた2ちゃんねるのマギボンスレに自ら降臨し、ボーイたちとチャットまでしていたのだ。驚きー。
日本語で書かれた彼女のブログには、「恋におちたい。素晴らしい仕事がありたい。旅行したい。たくさんの食べ物を食べたい。人生を楽しみたい」と、女の子らしい夢見がちで正直な気持ちが綴られていた。
彼女も日本のアイドルに憧れ、アイドル風の化粧や表情の作り方を研究し、自分で自分をセルフプロデュースしていたのだから、あっぱれだ。日本のメディアが彼女に注目しているようだが、彼女の夢がかなってくれればいいと思う。
気軽に自らプロデュースし、また他のも共有する。そんな遊びができる動画共有サイトには、ますますディープにはまりそう。
(チン・ぺーぺー)