OECD(経済協力開発機構)が実施した「学習到達度調査」で、フィンランドが上位を維持していることから注目されてきているようだが、そもそも「フィンランド式教育」って、どんなもの?
『親子で楽しく学ぶ フィンランド式脳力アップBOOK』(フォーメンズ出版)の著者・小林朝夫さんに聞いた。
「フィンランドの国の教員方針は、生活のなかで多くの知識を身につけることを重点においています。森の中に入って、実際に木や草や花を自分の目で見て、手で触れて確かめ、それらの植物の詳細について学ぶ。そんな実践的な教育を柱にして、立体的に知識と思考力を身につけていく方法が『フィンランド式』なんですよ」
実はこれ、日本も昭和60年ころまで学校で行っていたものだそうで、フィンランド政府がいま行っている教育方針とかつての日本の教育とは、非常に似ているのだと小林さんは言う。
「バブル突入で失ってしまった日本の良き教育・原点にかえるという意味を含めて、それを継続している現代のフィンランド式の教育法を提唱しているんです」
フィンランド式とは、簡単に言うと、「生活の大きな輪の中で、様々な知識や思考力を身につけていく」というもののこと。想像力や思考力を身につけるのなら、たくさん読書をすれば良いのでは? とも思うが……。
「本をたくさん読むことは、それなりに想像力が身に付き、とてもよいことだといえます。たくさん言葉を書くのもいいでしょう。しかし、人間の思考力というものは、全てが関連づけられて体系化されています。フィンランド式の学習は絵と言葉を使って、想像力が蜘蛛の巣のように放射状に広がるように工夫されていて、思考力の体系化が自然に頭の中で行われるようになっているんです。この思考力の体系化こそが、フィンランド式学習法の最大の利点であり、こどもたちにとって必要不可欠なものなんですよ」
そこで、「関連付けによる体系化」を具体的に行うために取り入れられたのが、イラストを見ながら名称を答えるドリル形式なのだそうだ。
「イラストの知識は一部に過ぎません。たとえば、傘の名称にしても、傘の柄の部分については誰でも知っているでしょうが、『石突き』などというとどうでしょうか? その部分の名称にも驚かされるこどもも、いると思います。さらに、その名称の意味を知って、理解を深めるこどももいるでしょう。一つのモノについて、蜘蛛の巣のように放射状に知識を得る。そして、それを体系化する。つまり、フィンランド式の学習法の練習として、イラストを見て考えるドリルという形式になっているんですよ」
単にイラストの名称を答えるのではなく、あくまで「解答・解説」のページを見て、自分なりにそのモノについての理解を深める作業が、重要なのだとか。
実際に、ドリルをやってみると、楽しくスイスイ進んでいくので、「勉強している」感がない。
大人も、忘れている名称を思い出したり、意外と雑学的な解説などに、フンフンと頷きながら、つい読み進めてしまう。
そうか。本来、勉強ってこういうことだったのか……と考えさせられる一冊だ。
(虎之介)
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