ドバイ商工会議所の会頭兼最高経営責任者(CEO)、モハマド・アリ・ラシッド・ルータ氏はこのほど取材に応じ、「ドバイと中国の多くの都市は共通点が多く、双方の市場はいずれも世界の物流センターであり、貿易センターでもあり、世界を結ぶ貿易の要所である」と指摘し、次のように述べた。
グローバルな視野を持つ中国人投資家がますますドバイでの事業展開に目を向けている。
ドバイで事業展開する中国企業は不動産、ビジネスサービス、運輸、倉庫物流などの業種のほか、フィンテック、人工知能(AI)、電子商取引(EC)などの分野にも進出している。ドバイが今後、デジタルシフトの取り組みを増やす計画で、デジタル化による経済の効率と生産性の向上に特化し、価値を生み出していく。これはドバイと中国の都市のもう一つの共通点であり、33年までの経済成長に関する10カ年計画「ドバイ経済アジェンダ(D33)」の重要な部分でもある。
「D33」は今後10年でドバイの経済規模を2倍にし、世界で最も効率的かつ安全で、アクセス可能な都市の構築を掲げている。このアジェンダは経済の多様化が経済成長と持続可能な発展の鍵となるエンジンであり、AI、スマート技術、再生可能エネルギーによるソリューション、医療・ヘルスケア、ESG(環境・社会・企業統治)原則など多くの分野を含んでいると指摘している。
中国企業のドバイでの事業展開による前向きな影響について、ルータ氏は「D33」と「一帯一路」共同建設構想がよくマッチするに違いないとの見解を示した。例えば、アジェンダにあるデジタル化の推進や製造業の改善などの目標は「一帯一路」共同建設構想と似通っており、双方の企業は二つの計画・構想から恩恵を受けることができるとした。
ルータ氏によると、中国企業がドバイに地域本部を設置すると、良質な金融サービスや優れたインフラ条件を享受できる。大手の銀行や保険などの金融機関はいずれも、中国企業のドバイや中東地域での急速な発展を支える重要な保証になるという。
同氏は「中国はAI、製造業、科学技術、EC、持続可能な発展、グリーン技術などの分野で大きく発展している。