今年も様々なことが起こった国内女子ツアー。2018年シーズンを記録とスタッツを見ながら振り返っていきたい。
【年間獲得賞金編】
【スイング動画】日本一はソンジュ 世界一のスイングを動画で
年間獲得賞金は5勝を挙げて約1億8000万円稼いだアン・ソンジュ(韓国)が1位に。4度目となる女王の座に輝いた。ソンジュは序盤から順調に賞金を加算すると、国内では2番目の高額賞金額を誇る10月の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で優勝。同ランキング2位以下を一気に引き離し、「大王製紙エリエールレディス」で最終戦を待たずして女王の座を決めた。
昨季女王の鈴木愛は前半戦だけで4勝を挙げてシーズン半ばまで独走していたものの、手首痛による約2カ月の離脱。その後も感覚を取り戻せず、平均ストロークは歴代最少の数字に迫る記録をたたき出したが、賞金ランキングは3位と悔しい結果に終わった。

2位となったのは申ジエ(韓国)。国内最高賞金額の「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」を優勝するなど夏場に賞金を大きく加算してソンジュとのマッチレースにもちこんだが届かず。最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で優勝、ツアー史上初となる年間メジャー3勝の偉業を成し遂げたが、またしても悲願を逃した。
年間5勝を挙げたもののメジャータイトルのないソンジュと、1年に4度しかない公式戦で3勝を挙げたジエ。年間トップ10回数もジエの方が1つ多い17試合と分がある。それでも女王の座を逃した理由はどこにあったのか。

それは、ソンジュの2位の多さと高額賞金大会への強さだろう。トップ10回数では互角の2人だが、2位(タイ含む)の回数はジエの3試合に対しソンジュは6試合と倍。勝ちきれなかったという見方もできるが、2位の回数で賞金額は大きく変わってくるだけに見過ごせない数字だ。
また、高額賞金大会への強さも光った。優勝した大会は先述のマスターズGCレディースをはじめ、5勝のうち4勝が1800万円以上。さらに2位となった大会には、3日間大会で2番目の賞金額を誇る「ほけんの窓口レディース」、先述の日本女子プロゴルフ選手権、4日間大会並みの賞金額の「伊藤園レディス」が含まれている。

一方のジエは優勝した大会ではかなりの賞金額を加算したが、3位から出た「アース・モンダミンカップ」、「TOTOジャパンクラシック」という高額賞金大会で最終日に崩れてともにトップ10外。ソンジュがスコアを出せなかった大会で、とも倒れしてしまった。どちらかでトップ3に入っていれば勝負は分からなかったかもしれない。
そのほか、賞金ランク6位の菊地絵理香は未勝利ながらも7543万9241円を獲得。未勝利で稼いだ額としては、10年の馬場ゆかり、15年の上田桃子、14年のイ・ナリ(韓国)、原江里菜に次ぐ5番目の数字である。
【年間獲得賞金ランキング】
1位:アン・ソンジュ 1億8078万4885円
2位:申ジエ 1億6532万5295円
3位:鈴木愛 1億4023万4839円
4位:比嘉真美子 1億996万9185円
5位:成田美寿々 1億627万8614円
6位:黄アルム 9198万3225円
7位:菊地絵理香 7543万9241円
8位:小祝さくら 7500万7442円
9位:勝みなみ 6559万1278円
10位:岡山絵里 6505万3,416円

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