<ほけんの窓口レディース 初日◇17日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6292ヤード・パー72>
がんのため25歳の若さで亡くなった大山亜由美さん。関係者によると、大山さん最後の試合となった昨年3月の「Tポイントレディス ゴルフトーナメント」後に子宮がんであることが判明した。
その時すでにステージ4の末期症状だったという。その後1年間の闘病生活を送っていたが、16日に帰らぬ人となった。その翌日に開幕した「ほけんの窓口レディース」の会場では、同じ2015年のプロテスト合格組である同期らが、その早すぎる死を悼んだ。
後輩の死に涙… 香妻琴乃も喪章をつけてプレー【写真】
昨日のプロアマを終え、午後4時過ぎに大山さんの訃報を聞いた同期のささきしょうこは、「信じられない。悪い冗談かと思った」とその時の様子について話す。すぐに関係者を通じて、大山さんの父の連絡先を聞き電話。
その会話で、「本当に亡くなったんだな」という思いがこみ上げてきた。
涙ながらに娘の闘病中の話などを、ささきに伝えてくれた父。「“もう1度コースに戻りたい”という気持ちで、頑張っていたということを聞きました。でも病気に勝てなかった、そう言っていました。戻ってきたかったという気持ちが、すごく伝わってきました」。そんな大山さんの思いを知り、その電話口で「明日からの試合でリボンをつけてプレーさせてください」とお願いした。

その後、同期に訃報を伝えると、こちらも87期生の野澤真央と連絡を取り合い喪章を探した。しかし、すぐには見つからなかったため、2人それぞれが手作りし、100個以上を準備してこの日コースに持ち込んだ。「お姉さんという感じで、年は3歳差だけど、それ以上にリードしてくれてやさしかったです。でも、天然な一面もあって、初めてでも気さくに話しかけてくれる人でした」(ささき)。選手たちは、それを身につけ、この日のラウンドに臨んだ。
大山さんより3学年下の岡山絵里は、「イベントなどで一緒の時に、すごくかわいがってくれました。
お姉さんで、甘えさせてもらった…」と話すと言葉をつまらせ、涙を流した。
また福岡県出身の種子田香夏は、鹿児島県出身の大山さんとはジュニア時代から同じ試合に出るなど親交が深く、プロ入り後も食事をともにする仲。「去年連絡をとった時に、ケガと聞かされて、『病院の先生にゴルフをするのはダメと言われた』という話をしていました。その後連絡しようと思った時にできなくて…それを後悔しています」と悔しい表情を浮かべた。(文・間宮輝憲)

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