<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇14日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262ヤード・パー70>
今年は欧州ツアーを転戦し、先週の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」から日本ツアーに復帰している宮里優作。強風が時折吹く第1ラウンドを終え、ブレンダン・ジョーンズ(オーストラリア)、パク・サンヒョン(韓国)と並び5アンダーで首位タイに立った。
先週は地元沖縄での大会で周囲からの期待も大きかったが、残念ながら予選落ち。それも3か月に渡る欧州ツアーの転戦続きで、時差ボケと疲れが解消できなかったことが大きかったという。だが、休養たっぷりに乗り込んだ御殿場では、ヘッドスピードも2m/s上がり、ようやく宮里本来のパフォーマンスを発揮。5バーディ・ノーボギーの「65」で初日を終えた。
日本一の山に向かってフルスイング!【写真】
「久しぶりに5アンダーが出て良かった!ティショットは相変わらず課題だらけだが、パッティングが前半、入ってくれてリズムに乗れました」
太平洋クラブ御殿場コースのグリーンは、高速グリーンとして有名だが、ロフト角6度のパターを使うことでコロがりを抑え、タッチを合わせることに成功。安定したパッティングが今日の好スコアを生み出したと言っていい。
また、今週はドライバーを小ぶりなヘッドに戻し、シャフトも変えることでスピン量を減少。コントロール性の改善に加え、飛距離も出るようになった。さらに、今週からアイアンとボールをブリヂストンスポーツ製の新製品を使うことで、風に強く距離感が合わせやすかったことも、今日の好スコアにつながった。アイアンはスピン量のないものに変えているが、これも今後のヨーロッパやアジアの試合に出場することを視野に入れての調整だ。
「とりあえずアジアのQスクールを受けに行こうと思います。ヨーロッパとの共催も多いので、アジアの賞金ランク2位か3位に入れば、ヨーロッパの試合に出ることもできる。
今年はうまくいかないことばかりでつらかったですが、結果を出せなかったのは悔しいし、どうにかしてしがみついていろんなルートからもう一回、ヨーロッパに挑戦したいと思います。え? ヨーロッパに行って成長したところですか? 成長したというよりは、ドライバーの精度が落ちたとか、悪いところばかり気になりますね(苦笑)」
今季、欧州ツアーに26試合出場したが、11週連続予選落ちを含む16試合で予選落ち。賞金ランクも170位で、来季のシード権は獲得できずに終わった。つらい時もあるが、国から国への移動も楽しく、何が自分に足りないのか、課題がはっきり見つかることも楽しいと語る。もう一度、なんとかしてヨーロピアンツアーに挑戦したい。その一心で現在、道具を一新し、試行錯誤を繰り返している。
「成長したところはない」と謙虚に語る宮里だが、ヨーロッパの各地でいろいろな風を経験しているから、今日の風にも対応できているのだろう。
異国の地で予選落ちから抜け出せない苦しみや、他の選手との実力差をイヤというほど味わったこの1年。シード権は失ったものの、再び欧州ツアーでプレーしたい気持ちは色あせていない。三井住友VISA太平洋マスターズで優勝できれば、再起への最高の第一歩となるだろう。(文・大泉英子)


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