<トラベラーズ選手権 初日◇25日◇TPCリバー・ハイランズ(米コネチカット州)◇6841ヤード・パー70>
6月16日に50歳を迎え、シニア入りの年齢に達したフィル・ミケルソン(米国)。誕生日以降、「トラベラーズ選手権」が初のトーナメント出場で、初日は6バーディー、ノーボギーの「64」をマーク、首位と4打差ながらも5位タイの好位置に「まるで時間が戻ったようだ」と納得の表情だった。

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午前7時35分に10番からスタート。13、14番で連続バーディ、18番もバーディにすると3アンダーで折り返す。得意のショートゲームが冴えてピンにピタリと寄せる場面が続く。この日決まった最も長いパットは3.5メートル。最終9番も3メートル弱を沈めて6つめのバーディで締めた。今をときめく同組のブライソン・デシャンボー(米国)を1打リード、もう1人の同組、世界ランキング1位のローリー・マキロイ(北アイルランド)とは1打差で初日を終えた。

「戦うのが大好き。ローリーやブライソンのような才能溢れる選手ととこうやって戦えるのは最高だ」と米ツアー通算44勝のベテランは胸を張った。
ミケルソンは今季10試合に出場して、最高位は2月の「AT&Tペブルビーチプロアマ」の3位。その後、2月の「ジェネシス招待」からツアー再開初戦の「チャールズ・シュワブ・チャンレンジ」まで3大会連続の予選落ちが続いていた。
昨年は過激なダイエットで15ポンド(約7キロ)の減量を行い、さらに筋トレに励んで、すっかりスリムな体格となったミケルソン。20ポンド(約9キロ)も増量したデシャンボーとは対照的だ。

「きょうはスマートに良いゴルフができた。ローリーのスイングは美しい。ブライソンのプレーはとてもユニーク。彼らからいろいろ学ぶことができる。年齢に関係なくこうやって戦えることは最高だ」と満足げ。
また、この日の朝に発表された9月の「全米オープン」の新出場資格で、3月15日付けの世界ランキング70位以内を満たしたミケルソン(同61位)は出場資格を得た。
特別招待では出たくないと言っていたミケルソンだけに「またあのウィングドフットの全米オープンに戻れるのは素晴らしいこと」と喜ぶ。
前回ウィングドフットGCで開催された2006年の「全米オープン」では、優勝を目前に、最終日の18番ホールでダブルボギーとして、勝利を逃したことは忘れていない。
「06年大会では僕のショートゲームは最高だった。どこからでも寄せてセーブできた。今年も同じようにショートゲームはキープしたい。一方で06年のティショットはひどかった。
現実的には年々、全米オープンに勝つチャンスは低くなっていると思う。だけどティショットを06年よりも上手く打てれば、きっとチャンスはある」とミケルソン。
リベンジのチャンスが巡ってきた50歳は“生涯グランドスラム”達成に向けて気持ちを高ぶらせた。(文・武川玲子=米国在住)

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