メジャーに2度目の挑戦で初制覇を達成したコリン・モリカワ(米国)、23歳。今年は新型コロナウイルス感染の影響で無観客試合、さらにメディアの会見も人数とオンラインと厳しい制限が掛けられていたのだが…、現地のインタビューで最初にマイクに立ったのはなんとNBAのスーパースター、ステファン・カリーだった。

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カリーが所属するゴールデンステイト・ウォリアーズとモリカワが4年間通った大学、カリフォルニア州立バークレー校は同じサンフランシスコ郊外のご近所、無観客試合ながらも大のゴルフ好きで自身もPGAツアーに参戦するほどの腕前のカリーは最終日“特別”に応援に訪れていた。
「“アンダーレーティッドメディアのステファン・カリーです。きょうはプレー中にリーダーボードは見た?」などとプレーについて質問、最後には「僕は向こう3ヶ月ほど時間があるから、キャディを探していたらぜひ声を掛けてくれ」と売り込んでいた。モリカワも「僕のキャディはウォリアーズの大ファンだけど、僕は違うんだよ。ロサンゼルス出身だからね」と笑ってきっぱりと返す清々しさ。キャディーのオファーには「パーフェクト!」と返したから、もしかするとモリカワ&カリーが実現するのかもしれない。

さて、モリカワはもちろん日系米国人。残念ながら日本語は話せないが、いつもスマイルで質問に答えてくれるなかなかのナイスガイ。
メジャーチャンプ誕生は日本でもビッグニュースと伝えると「僕はハーフチャイニーズでハーフチャイニーズ。父が日本人で母は中国人。僕はたぶん、日系三世か四世。日本には父も祖父母も暮らしたことがないけれど、昨秋ZOZOで日本に行ったときには僕は自分のホームのように思えた」と嬉しそうに話した。

いつもはガールフレンドのキャサリンさんとツアー転戦をするのだが、ツアー再開後は家族も同伴できないルール。7月のワークデーチャリティ・オープンでツアー2勝目を挙げたときには「家族もガールフレンドも居なくて優勝祝いはキャディとBBQ」だったのだが、今週はロサンゼルスからガールフレンドのキャサリンさんが応援に来ていた。
本来はコースには入れないのだが、最終日はこちらもPGAオブアメリカの粋な計らいでコースに入場、歩いてプレーを見守った。自身もロサンゼルスのペッパーダイン大でカレッジゴルフをプレーしたというキャサリンさん。二人は揃って日本好きで、昨夜は「うどん」を食べて優勝への鋭気を養ったと明かしてくれた。「僕は食べることが大好き。
日本食が世界一の食べ物だ」というから、きっと今夜はおいしい日本食で優勝祝いをしていることだろう。それにしてもプロ転向1年あまりでメジャーチャンピオンとは想像以上の新鋭、まだまだ快進撃は続きそうだから目が離せない。(文・武川玲子=米国在住)

■全米プロゴルフ選手権 最終結果
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