鮮やかな逆転劇だった。2位タイでスタートした27歳・城間絵梨が4バーディ・1ボギーの「69」でフィニッシュ。
誇らしげにトロフィーを掲げる城間絵梨【写真】
コースセッティングを手掛けた諸見里しのぶが「ピン位置を(さらに)難しくした」ファイナルラウンド。途中、スコールによる中断などもあり、選手たちは難コンディションに苦しめられた。その中でキラリと光る「69」。この日唯一となる60台、そして逆転での優勝は、最終18番でのバーディフィニッシュでつかみ取ったものだ。
「きょうは自分のなかで思考をくぎってプレーすることだけに集中していた」。
アマチュア時代にはナショナルチーム(日本代表)のメンバーとして活躍。165cmの高身長から繰り出される飛距離は当時から群を抜いており、将来を嘱望されていたが、2012年のプロ入り以降は、まさにいばらの道のりだった。13年のレギュラーツアーでは28試合に出場したが、予選通過はわずか6試合。
「あのとき(初優勝時)もドライバーショットに不安があると言っていたけど、正直怖い気持ちは今でもあります。不定期に不安が襲ってくるんですけど、今回も打ちにくい、気持ち悪いって思うことはありました」
それでも、今回の逆転劇は圧巻だった。城間の中で、何が変化したか。
「以前はただ悩んでいるだけでした。だけど、いまは打つ前に何をやるべきか考えて打てるようになったので、結果を受け止められるようになった」。
この後は3週間のオープンウィークを挟み、11月から今年を締める3連戦に突入。最終戦は城間にとってホステス大会となる「カストロールレディース」だ。「去年は親友の井上りこがホステス優勝して、私も期待されると思いますが、あまり大きなことは言えません。もちろん優勝はしたいですけど、万全を尽くして頑張るだけです」。
謙虚に、一歩ずつ。“大器”と期待されたその才能が、徐々に輝きを取り戻しつつある。
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