来週の30日(金)に開幕する「樋口久子 三菱電機レディス」から国内女子ツアーに復帰する予定の渋野日向子。8月から2カ月間は海外女子メジャー2試合を含む6試合に出場するため、長い海外遠征に臨んだ。
合計19ラウンドの場で渋野は何を得たのか。4カ月ぶりの国内大会を前に、スタッツと渋野自身のコメントで海外の経験を振り返ってみる。今回はスコットランド初戦について。
渋野日向子のドライバースイングを米国で撮影【連続写真】
遠征初戦となった「アバディーン・スタンダード・インベストメンツ・スコットランド女子オープン」は渋野にとって初の本格リンクスコース。昨年10月に出場した台湾以来の海外トーナメントは、悔しい予選落ちとなった。
練習ラウンドでは「見た目から難しい」と警戒感を口にし、「グリーンとグリーン周りが難しい。
日本とは違うアプローチが必要になる」とグリーン周りの攻略に時間をかけて準備した。「私らしく笑顔で」と本戦に入ったが、初日からその目標は厳しいものへと変わった。
遠征初ラウンドは「79」。6ボギー・1ダブルボギーの8オーバーでバーディはゼロ。昨年の国内ツアーでバーディ率1位の渋野日向子だったが、まさかの結果に悔しさを見せた。この日の渋野はパー5で3オーバー。
「一番情けないボギーのとり方」と話したように最初のパー5からつまずいた。
絶好の位置から3打目のアプローチに挑んだが、これがトップしてグリーンオーバー。そこからも寄せきれずにパーパットを外してボギー。7番のパー5でもセカンドがフェアウェイバンカーにつかまり出すだけ。続く4打目は長いラフからでフェースが思い切り返ってしまい今度は左ラフへ。ダブルボギーを喫してしまった。

はじめてのリンクスで流れを断ち切れない。一度ワナにはまると戻せないゴルフは2日目も続いた。終盤の15番までに5ボギー・1ダブルボギー。まさかのバーディゼロラウンドが続いていたが、16番のパー5で3打目を30センチに寄せてなんとか大会初バーディ。「しんどかった」とした2日間はトータル14オーバー・132位タイ。2日間で姿を消すことになった。

2日間のスタッツを見るとフェアウェイキープが初日8回で2日目は9回とそこまで悪くない。ところがパット数は初日が「34」で2日目が「36」。グリーンを外した場面では寄せきれない、そしてパーオンしたホールでもバーディパットが入らない。2日間で3パットは3回。一筋の差が顕著に結果に出てしまった。
「こうなることはちょこっとは予想していたので、その中でもいいところもあったので、そういうところはあとで復習して見つけて、ちゃんとそこをもっと伸ばせるように練習して、悪かったところは目に見えている」。
グリーン硬いのに転がらない。落としどころをわずかに間違えればバンカーにつかまるなど、リンクス特有のゴルフは渋野にとって未知の世界だった。
2日間をとおしてパー5での落ち込みが響いたのも予選落ちの一因といえる。バーディを獲って流れをつくりたいところでのミス。初日の3番からいきなり出てしまったことが、やはり最後まで尾を引いた形となってしまった。
畑岡奈紗でさえ初のリンクスは大苦戦。
のちに苦手意識があるとしていたが、今年はようやくそれを克服。海外経験が少ない渋野も洗礼を浴びる形なったが、長いゴルフ人生のなかではこれがのちに笑い話にでもなるのか。連覇を狙う次週の「AIG女子オープン」にもつながるはずだった…。今度は“重圧”という敵が渋野を襲った。


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